直径 $d_{AB} = 2d_{BC}$、長さ $2l$ の段付き円形断面軸があり、両端が固定されている。軸ABには単位長さあたり $\tau$ の等分布トルクが作用し、軸BCには単位長さあたり $-\tau$ の等分布トルクが作用する。A端面とC端面に生じるトルク $T_A$ と $T_C$ を求める。

応用数学材料力学ねじり積分トルク
2025/6/13

1. 問題の内容

直径 dAB=2dBCd_{AB} = 2d_{BC}、長さ 2l2l の段付き円形断面軸があり、両端が固定されている。軸ABには単位長さあたり τ\tau の等分布トルクが作用し、軸BCには単位長さあたり τ-\tau の等分布トルクが作用する。A端面とC端面に生じるトルク TAT_ATCT_C を求める。

2. 解き方の手順

まず、軸ABと軸BCに作用するトルクの総和を計算する。
軸ABに作用するトルクの総和は TAB=τlT_{AB} = \tau l である。
軸BCに作用するトルクの総和は TBC=τlT_{BC} = -\tau l である。
全体のトルクのつり合いを考えると、
TATAB+TBC+TC=0T_A - T_{AB} + T_{BC} + T_C = 0
TAτlτl+TC=0T_A - \tau l - \tau l + T_C = 0
TA+TC=2τlT_A + T_C = 2 \tau l ...(1)
次に、ねじれ角に関する条件を考える。両端が固定されているため、A端からC端までのねじれ角の合計は0になる。
θAB+θBC=0\theta_{AB} + \theta_{BC} = 0
ねじれ角 θ\theta はトルク TT, 長さ LL, 横弾性係数 GG, 極断面係数 JJ を用いて、θ=TLGJ\theta = \frac{TL}{GJ} で表される。
軸ABにおけるトルクは TAτxT_A - \tau x (ただし、0xl0 \le x \le l)、軸BCにおけるトルクは TCτ(lx)-T_C - \tau (l-x) (ただし、0xl0 \le x \le l)と表せる。
したがって、
0l(TAτx)GJABdx+0l(TCτ(lx))GJBCdx=0\int_0^l \frac{(T_A-\tau x)}{GJ_{AB}} dx + \int_0^l \frac{(-T_C-\tau(l-x))}{GJ_{BC}} dx = 0
JAB=π32dAB4=π32(2dBC)4=π2dBC4J_{AB} = \frac{\pi}{32} d_{AB}^4 = \frac{\pi}{32} (2d_{BC})^4 = \frac{\pi}{2} d_{BC}^4
JBC=π32dBC4J_{BC} = \frac{\pi}{32} d_{BC}^4
よって、JAB=16JBCJ_{AB} = 16 J_{BC}
0lTAτx16GJBCdx+0lTCτ(lx)GJBCdx=0\int_0^l \frac{T_A-\tau x}{16GJ_{BC}} dx + \int_0^l \frac{-T_C-\tau(l-x)}{GJ_{BC}} dx = 0
0lTAτx16dx+0lTCτ(lx)dx=0\int_0^l \frac{T_A-\tau x}{16} dx + \int_0^l -T_C-\tau(l-x) dx = 0
116[TAx12τx2]0l+[TCxτlx+12τx2]0l=0\frac{1}{16} [T_A x - \frac{1}{2} \tau x^2]_0^l + [-T_C x - \tau l x + \frac{1}{2} \tau x^2]_0^l = 0
116(TAl12τl2)+(TClτl2+12τl2)=0\frac{1}{16} (T_A l - \frac{1}{2} \tau l^2) + (-T_C l - \tau l^2 + \frac{1}{2} \tau l^2) = 0
TAl16τl232TClτl2+τl22=0\frac{T_A l}{16} - \frac{\tau l^2}{32} - T_C l - \tau l^2 + \frac{\tau l^2}{2} = 0
TA16τl32TCτl+τl2=0\frac{T_A}{16} - \frac{\tau l}{32} - T_C - \tau l + \frac{\tau l}{2} = 0
TA16TC=τl32+τlτl2=τl+32τl16τl32=1732τl\frac{T_A}{16} - T_C = \frac{\tau l}{32} + \tau l - \frac{\tau l}{2} = \frac{\tau l + 32\tau l - 16\tau l}{32} = \frac{17}{32}\tau l
TA16TC=172τlT_A - 16 T_C = \frac{17}{2} \tau l ...(2)
(1)より TA=2τlTCT_A = 2\tau l - T_C を(2)に代入する。
2τlTC16TC=172τl2\tau l - T_C - 16 T_C = \frac{17}{2} \tau l
17TC=172τl2τl=132τl-17 T_C = \frac{17}{2} \tau l - 2\tau l = \frac{13}{2}\tau l
TC=1334τlT_C = -\frac{13}{34} \tau l
これを(1)に代入する。
TA=2τl(1334τl)=68+1334τl=8134τlT_A = 2\tau l - (-\frac{13}{34} \tau l) = \frac{68 + 13}{34}\tau l = \frac{81}{34}\tau l

3. 最終的な答え

TA=8134τlT_A = \frac{81}{34} \tau l
TC=1334τlT_C = -\frac{13}{34} \tau l

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