与えられたポテンシャル $U(r)$ から、保存力 $\vec{F}(\vec{r})$ を求める問題です。ただし、$\vec{r} = x\vec{i} + y\vec{j} + z\vec{k}$、 $r = |\vec{r}| = \sqrt{x^2 + y^2 + z^2}$ です。保存力は、ポテンシャルの負の勾配として計算できます。すなわち、$\vec{F}(\vec{r}) = -\nabla U(r)$ です。ここで、$\nabla$ はナブラ演算子で、直交座標系では $\nabla = \frac{\partial}{\partial x}\vec{i} + \frac{\partial}{\partial y}\vec{j} + \frac{\partial}{\partial z}\vec{k}$ です。

応用数学ベクトル解析勾配偏微分ポテンシャル
2025/6/13

1. 問題の内容

与えられたポテンシャル U(r)U(r) から、保存力 F(r)\vec{F}(\vec{r}) を求める問題です。ただし、r=xi+yj+zk\vec{r} = x\vec{i} + y\vec{j} + z\vec{k}r=r=x2+y2+z2r = |\vec{r}| = \sqrt{x^2 + y^2 + z^2} です。保存力は、ポテンシャルの負の勾配として計算できます。すなわち、F(r)=U(r)\vec{F}(\vec{r}) = -\nabla U(r) です。ここで、\nabla はナブラ演算子で、直交座標系では =xi+yj+zk\nabla = \frac{\partial}{\partial x}\vec{i} + \frac{\partial}{\partial y}\vec{j} + \frac{\partial}{\partial z}\vec{k} です。

2. 解き方の手順

各ポテンシャルについて、それぞれの偏微分を計算し、それらを組み合わせることで保存力を求めます。
(A) U(r)=12kx2U(r) = \frac{1}{2}kx^2 の場合:
Ux=kx\frac{\partial U}{\partial x} = kx
Uy=0\frac{\partial U}{\partial y} = 0
Uz=0\frac{\partial U}{\partial z} = 0
したがって、F(r)=kxi0j0k=kxi\vec{F}(\vec{r}) = -kx\vec{i} - 0\vec{j} - 0\vec{k} = -kx\vec{i}
(B) U(r)=C1x2y3z4+C2xyzU(r) = C_1x^2y^3z^4 + C_2xyz の場合:
Ux=2C1xy3z4+C2yz\frac{\partial U}{\partial x} = 2C_1xy^3z^4 + C_2yz
Uy=3C1x2y2z4+C2xz\frac{\partial U}{\partial y} = 3C_1x^2y^2z^4 + C_2xz
Uz=4C1x2y3z3+C2xy\frac{\partial U}{\partial z} = 4C_1x^2y^3z^3 + C_2xy
したがって、F(r)=(2C1xy3z4+C2yz)i(3C1x2y2z4+C2xz)j(4C1x2y3z3+C2xy)k\vec{F}(\vec{r}) = -(2C_1xy^3z^4 + C_2yz)\vec{i} - (3C_1x^2y^2z^4 + C_2xz)\vec{j} - (4C_1x^2y^3z^3 + C_2xy)\vec{k}
(C) U(r)=Cr2=C(x2+y2+z2)U(r) = Cr^2 = C(x^2 + y^2 + z^2) の場合:
Ux=2Cx\frac{\partial U}{\partial x} = 2Cx
Uy=2Cy\frac{\partial U}{\partial y} = 2Cy
Uz=2Cz\frac{\partial U}{\partial z} = 2Cz
したがって、F(r)=2Cxi2Cyj2Czk=2C(xi+yj+zk)=2Cr\vec{F}(\vec{r}) = -2Cx\vec{i} - 2Cy\vec{j} - 2Cz\vec{k} = -2C(x\vec{i} + y\vec{j} + z\vec{k}) = -2C\vec{r}
(D) U(r)=Cr=C(x2+y2+z2)1/2U(r) = \frac{C}{r} = C(x^2 + y^2 + z^2)^{-1/2} の場合:
Ux=C(12)(x2+y2+z2)3/2(2x)=Cx(x2+y2+z2)3/2=Cxr3\frac{\partial U}{\partial x} = C(-\frac{1}{2})(x^2 + y^2 + z^2)^{-3/2}(2x) = -Cx(x^2 + y^2 + z^2)^{-3/2} = -\frac{Cx}{r^3}
Uy=Cyr3\frac{\partial U}{\partial y} = -\frac{Cy}{r^3}
Uz=Czr3\frac{\partial U}{\partial z} = -\frac{Cz}{r^3}
したがって、F(r)=Cxr3i+Cyr3j+Czr3k=Cr3(xi+yj+zk)=Crr3\vec{F}(\vec{r}) = \frac{Cx}{r^3}\vec{i} + \frac{Cy}{r^3}\vec{j} + \frac{Cz}{r^3}\vec{k} = \frac{C}{r^3}(x\vec{i} + y\vec{j} + z\vec{k}) = \frac{C\vec{r}}{r^3}

3. 最終的な答え

(A) F(r)=kxi\vec{F}(\vec{r}) = -kx\vec{i}
(B) F(r)=(2C1xy3z4+C2yz)i(3C1x2y2z4+C2xz)j(4C1x2y3z3+C2xy)k\vec{F}(\vec{r}) = -(2C_1xy^3z^4 + C_2yz)\vec{i} - (3C_1x^2y^2z^4 + C_2xz)\vec{j} - (4C_1x^2y^3z^3 + C_2xy)\vec{k}
(C) F(r)=2Cr\vec{F}(\vec{r}) = -2C\vec{r}
(D) F(r)=Crr3\vec{F}(\vec{r}) = \frac{C\vec{r}}{r^3}

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