弦の振動に関する問題です。 (1) 質量 $M$ のおもりを吊るしたとき、AB間に腹が2個ある定常波が観測されたときの振動数を求めます。 (2) (1)の状態からおもりを取り替えたところ、AB間に基本振動が生じたときのおもりの質量を求めます。 (3) (2)の状態から振動数を少しだけ大きくしたとき、基本振動を生じさせるためにAB間の長さをどうすれば良いか、またその長さが $L$ より長いか短いかを答えます。 (4) (3)の状態から線密度 $\rho'$ の弦に取り替えたところ、AB間に腹が2個ある定常波が観測されたとき、$\rho'$ が $\rho$ の何倍かを求めます。

応用数学物理波動定常波振動
2025/6/13

1. 問題の内容

弦の振動に関する問題です。
(1) 質量 MM のおもりを吊るしたとき、AB間に腹が2個ある定常波が観測されたときの振動数を求めます。
(2) (1)の状態からおもりを取り替えたところ、AB間に基本振動が生じたときのおもりの質量を求めます。
(3) (2)の状態から振動数を少しだけ大きくしたとき、基本振動を生じさせるためにAB間の長さをどうすれば良いか、またその長さが LL より長いか短いかを答えます。
(4) (3)の状態から線密度 ρ\rho' の弦に取り替えたところ、AB間に腹が2個ある定常波が観測されたとき、ρ\rho'ρ\rho の何倍かを求めます。

2. 解き方の手順

(1) 弦を伝わる波の速さ vv は、張力 TT と線密度 ρ\rho を用いて v=T/ρv = \sqrt{T/\rho} と表されます。
張力 TT はおもりの重力 MgMg に等しいので、v=Mg/ρv = \sqrt{Mg/\rho} となります。
AB間に腹が2個ある定常波の波長 λ2\lambda_2 は、AB間の長さ LL を用いて λ2=L\lambda_2 = L と表されます。
振動数 f2f_2f2=v/λ2f_2 = v/\lambda_2 であり、これを代入すると f2=Mg/ρ/L=1LMgρf_2 = \sqrt{Mg/\rho}/L = \frac{1}{L} \sqrt{\frac{Mg}{\rho}} となります。
(2) 基本振動の波長 λ1\lambda_1 は、λ1=2L\lambda_1 = 2L と表されます。
おもりの質量を mm とすると、張力は mgmg となり、波の速さは v=mg/ρv = \sqrt{mg/\rho} となります。
基本振動の振動数 f1f_1f1=v/λ1f_1 = v/\lambda_1 なので、f1=12Lmgρf_1 = \frac{1}{2L} \sqrt{\frac{mg}{\rho}} となります。
(1) より振動数は変わらないので、f1=f2f_1 = f_2 、つまり 12Lmgρ=1LMgρ\frac{1}{2L} \sqrt{\frac{mg}{\rho}} = \frac{1}{L} \sqrt{\frac{Mg}{\rho}} となります。
両辺を二乗して整理すると、mg4L2ρ=MgL2ρ\frac{mg}{4L^2\rho} = \frac{Mg}{L^2\rho} となり、m=4Mm = 4M となります。
(3) (2)の状態から振動数を少しだけ大きくした f=f1+Δff' = f_1 + \Delta f とします。
基本振動の波長 λ1\lambda_1'λ1=2L\lambda_1' = 2L' となります。
張力は 4Mg4Mg のままなので、波の速さは v=4Mg/ρ=2Mg/ρv' = \sqrt{4Mg/\rho} = 2\sqrt{Mg/\rho} となります。
f=v/λ1f' = v' / \lambda_1' であるので、f=22LMgρ=1LMgρf' = \frac{2}{2L'} \sqrt{\frac{Mg}{\rho}} = \frac{1}{L'} \sqrt{\frac{Mg}{\rho}} となります。
ff' を大きくするためには、LL' を小さくする必要があります。
したがって、AB間の長さを LL より短くする必要があります。
(4) 線密度が ρ\rho' の弦の場合、腹が2個ある定常波の波長は λ2=L\lambda_2 = L です。
張力は 4Mg4Mg のままなので、波の速さは v=4Mg/ρv = \sqrt{4Mg/\rho'} となります。
振動数 ff'f=v/λ2=1L4Mgρf' = v/\lambda_2 = \frac{1}{L} \sqrt{\frac{4Mg}{\rho'}} となります。
(3) より f=1LMgρf' = \frac{1}{L'} \sqrt{\frac{Mg}{\rho}} であり、LLL' \approx L であるので、f=1LMgρf' = \frac{1}{L} \sqrt{\frac{Mg}{\rho}} と近似できます。
したがって、1L4Mgρ=1LMgρ\frac{1}{L} \sqrt{\frac{4Mg}{\rho'}} = \frac{1}{L} \sqrt{\frac{Mg}{\rho}} となり、4Mgρ=Mgρ\frac{4Mg}{\rho'} = \frac{Mg}{\rho} となります。
これを整理すると、ρ=4ρ\rho' = 4\rho となります。

3. 最終的な答え

(1) 1LMgρ\frac{1}{L} \sqrt{\frac{Mg}{\rho}}
(2) 4M4M
(3) 短くする必要がある
(4) 4倍

「応用数学」の関連問題

濃度不明の過酸化水素水 $H_2O_2$ 10mL に希硫酸を加え、1.5×$10^{-2}$mol/L の過マンガン酸カリウム $KMnO_4$ 水溶液を滴下したところ、24.0mL 加えたところで...

化学酸化還元反応滴定濃度計算
2025/6/14

過マンガン酸カリウム(KMnO4)とシュウ酸((COOH)2)の酸化還元反応に関する問題です。過マンガン酸カリウムが受け取る電子の物質量とシュウ酸が失う電子の物質量が等しいという関係から、過マンガン酸...

化学反応酸化還元反応物質量濃度計算
2025/6/14

与えられたポテンシャル $U(r)$ から、位置 $r$ における保存力 $\vec{F}(r)$ を求めます。ただし、$\vec{F} = - \nabla U$ であり、$\nabla = \fr...

ベクトル解析勾配ポテンシャル物理
2025/6/14

与えられたポテンシャル $U(r)$ に対して、保存力 $F(r)$ を求める問題です。ここで、$r = \sqrt{x^2 + y^2 + z^2}$ です。 具体的には、以下の4つのポテンシャルに...

ベクトル解析勾配ポテンシャル力学
2025/6/14

長さ200mの列車Aと長さ不明の列車Bが同じトンネルに同時に進入しました。両列車の先端がトンネルに入り始めてから、最後尾がトンネルに入り終わるまでに10秒かかりました。その40秒後、列車Aの先端がトン...

速さ距離時間方程式
2025/6/14

長さ120mの列車Aが長さ300mの鉄橋を渡るのに21秒かかった。同じ長さ120mの列車Bとすれ違うのに4秒かかった。列車Aと列車Bの速度の比を求める問題です。

速さ文章問題相対速度
2025/6/14

$f(x) = H(x)$ のときの $c(x,t)$ を $c_2(x,t)$ とします。ここで、$H(x)$ はヘヴィサイドの階段関数であり、$H(x) = 1$($x \ge 0$)、$H(x)...

偏微分方程式拡散方程式誤差関数ヘヴィサイドの階段関数
2025/6/14

長さ200mの列車Aと長さ不明の列車Bがトンネルに進入する。両列車の先端がトンネルに入ってから、両列車の最後尾がトンネルに入り終わるまで10秒かかる。その40秒後、列車Aの先端がトンネルの出口に到達し...

速度距離時間線形方程式物理
2025/6/14

グラフを見て、以下の記述のうち、グラフを正しく説明しているものがいくつあるかを答える問題です。 * ノートPCの全体に占める割合は毎年増加している。 * ノートPCは1999年に2000台を越...

グラフデータ分析割合解釈
2025/6/14

サウジアラビアの主要10カ国・地域との貿易に関する表が与えられています。表には、各国への輸出額とその伸び率(前年同期比)が記載されています。問題は、米国への輸出額が前年と比べておよそいくら増えたかを、...

割合計算貿易近似
2025/6/14