曲線 $y = \frac{1}{x}$ 上に2点 $A(1, 1)$ と $P(a, \frac{1}{a})$ ($a > 1$) をとる。原点O, 点A, 点Pを結んでできる線分OA, OPと弧APで囲まれる部分をx軸の周りに1回転させてできる立体の体積を $V(a)$ とする。このとき、$\lim_{a \to \infty} V(a)$ を求めよ。

解析学積分極限体積回転体関数のグラフ
2025/6/19

1. 問題の内容

曲線 y=1xy = \frac{1}{x} 上に2点 A(1,1)A(1, 1)P(a,1a)P(a, \frac{1}{a}) (a>1a > 1) をとる。原点O, 点A, 点Pを結んでできる線分OA, OPと弧APで囲まれる部分をx軸の周りに1回転させてできる立体の体積を V(a)V(a) とする。このとき、limaV(a)\lim_{a \to \infty} V(a) を求めよ。

2. 解き方の手順

まず、線分OA, OPの方程式を求める。
OAの式は、y=xy = x
OPの式は、y=1a2xy = \frac{1}{a^2}x
次に、弧APを回転してできる立体の体積を求める。これはy=1xy = \frac{1}{x}x=1x=1 から x=ax=a まで回転して積分すればよい。
π1a(1x)2dx=π1a1x2dx=π[1x]1a=π(1a+1)=π(11a)\pi \int_1^a (\frac{1}{x})^2 dx = \pi \int_1^a \frac{1}{x^2} dx = \pi [-\frac{1}{x}]_1^a = \pi (-\frac{1}{a} + 1) = \pi(1 - \frac{1}{a})
次に、線分OAを回転してできる立体の体積を求める。
これは底面の半径が1、高さが1の円錐なので、13π(1)2(1)=13π\frac{1}{3} \pi (1)^2 (1) = \frac{1}{3}\pi
次に、線分OPを回転してできる立体の体積を求める。
これは底面の半径が1a\frac{1}{a}、高さがaの円錐なので、13π(1a)2(a)=π3a\frac{1}{3} \pi (\frac{1}{a})^2 (a) = \frac{\pi}{3a}
求める体積 V(a)V(a) は、弧APを回転してできる立体の体積 + 線分OPを回転してできる立体の体積 - 線分OAを回転してできる立体の体積。
V(a)=π(11a)+π3aπ3=ππa+π3aπ3=2π32π3aV(a) = \pi (1 - \frac{1}{a}) + \frac{\pi}{3a} - \frac{\pi}{3} = \pi - \frac{\pi}{a} + \frac{\pi}{3a} - \frac{\pi}{3} = \frac{2\pi}{3} - \frac{2\pi}{3a}
最後に、limaV(a)\lim_{a \to \infty} V(a) を求める。
limaV(a)=lima(2π32π3a)=2π30=2π3\lim_{a \to \infty} V(a) = \lim_{a \to \infty} (\frac{2\pi}{3} - \frac{2\pi}{3a}) = \frac{2\pi}{3} - 0 = \frac{2\pi}{3}

3. 最終的な答え

2π3\frac{2\pi}{3}

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