2つの極限を計算する問題です。 一つ目は、$\lim_{x\to 0} \frac{x - \arcsin x}{x - x\cos x}$ 二つ目は、$\lim_{x\to 1} x^{\frac{x}{1-x}}$

1. 問題の内容

2つの極限を計算する問題です。

一つ目は、$\lim_{x\to 0} \frac{x - \arcsin x}{x - x\cos x}$

二つ目は、$\lim_{x\to 1} x^{\frac{x}{1-x}}$

2. 解き方の手順

一つ目の極限 $\lim_{x\to 0} \frac{x - \arcsin x}{x - x\cos x}$ を計算します。

この極限は $\frac{0}{0}$ の不定形なので、ロピタルの定理を適用します。

1回目のロピタルの定理の適用:

$\frac{d}{dx}(x - \arcsin x) = 1 - \frac{1}{\sqrt{1-x^2}}$

$\frac{d}{dx}(x - x\cos x) = 1 - (\cos x - x\sin x) = 1 - \cos x + x\sin x$

よって、

$\lim_{x\to 0} \frac{1 - \frac{1}{\sqrt{1-x^2}}}{1 - \cos x + x\sin x}$

これも $\frac{0}{0}$ の不定形なので、再度ロピタルの定理を適用します。

2回目のロピタルの定理の適用:

$\frac{d}{dx}(1 - \frac{1}{\sqrt{1-x^2}}) = -\frac{d}{dx}(1-x^2)^{-1/2} = -(-\frac{1}{2})(1-x^2)^{-3/2}(-2x) = \frac{-x}{(1-x^2)^{3/2}}$

$\frac{d}{dx}(1 - \cos x + x\sin x) = \sin x + \sin x + x\cos x = 2\sin x + x\cos x$

よって、

$\lim_{x\to 0} \frac{\frac{-x}{(1-x^2)^{3/2}}}{2\sin x + x\cos x} = \lim_{x\to 0} \frac{-x}{(1-x^2)^{3/2}(2\sin x + x\cos x)}$

$\lim_{x\to 0} \frac{-x}{2\sin x + x\cos x}$

これも $\frac{0}{0}$ の不定形なので、再度ロピタルの定理を適用します。

3回目のロピタルの定理の適用:

$\frac{d}{dx}(-x) = -1$

$\frac{d}{dx}(2\sin x + x\cos x) = 2\cos x + \cos x - x\sin x = 3\cos x - x\sin x$

よって、

$\lim_{x\to 0} \frac{-1}{3\cos x - x\sin x} = \frac{-1}{3\cos 0 - 0\sin 0} = \frac{-1}{3}$

したがって、$\lim_{x\to 0} \frac{x - \arcsin x}{x - x\cos x} = -\frac{1}{3}$

二つ目の極限 $\lim_{x\to 1} x^{\frac{x}{1-x}}$ を計算します。

$y = x^{\frac{x}{1-x}}$ とおきます。

$\ln y = \frac{x}{1-x} \ln x$

$\lim_{x\to 1} \ln y = \lim_{x\to 1} \frac{x\ln x}{1-x}$

これは $\frac{0}{0}$ の不定形なので、ロピタルの定理を適用します。

$\frac{d}{dx}(x\ln x) = \ln x + 1$

$\frac{d}{dx}(1-x) = -1$

$\lim_{x\to 1} \frac{\ln x + 1}{-1} = \frac{\ln 1 + 1}{-1} = \frac{0 + 1}{-1} = -1$

よって、$\lim_{x\to 1} \ln y = -1$

したがって、$\lim_{x\to 1} y = e^{-1} = \frac{1}{e}$

3. 最終的な答え

一つ目の極限: $-\frac{1}{3}$

二つ目の極限: $\frac{1}{e}$