2人の少年が廊下でキャッチボールをしています。天井の高さは少年の肩の高さから $h$ です。ボールは少年の肩の高さから初速 $v \le v_0$ で、角度 $\theta$ で投げ出され、同じ高さで捕球されます。天井に当たらない範囲で、2人の距離 $R$ の最大値を $h$ を用いて求めよ。重力加速度は $g$ です。

応用数学力学放物運動最大値物理
2025/6/20

1. 問題の内容

2人の少年が廊下でキャッチボールをしています。天井の高さは少年の肩の高さから hh です。ボールは少年の肩の高さから初速 vv0v \le v_0 で、角度 θ\theta で投げ出され、同じ高さで捕球されます。天井に当たらない範囲で、2人の距離 RR の最大値を hh を用いて求めよ。重力加速度は gg です。

2. 解き方の手順

ボールが天井に当たらない条件を考慮して、距離 RR を最大にする θ\theta を求めます。
まず、ボールが放物運動をする際の水平方向の到達距離 RR は、初速 vv、投射角 θ\theta を用いて、次のように表されます。
R=v2sin(2θ)gR = \frac{v^2 \sin(2\theta)}{g}
RR が最大となるのは sin(2θ)=1\sin(2\theta) = 1 のとき、つまり 2θ=π22\theta = \frac{\pi}{2}θ=π4\theta = \frac{\pi}{4} のときです。このとき、R=v2gR = \frac{v^2}{g} となります。しかし、このとき天井に当たる可能性があります。
ボールが最高点に達するまでの時間は t=vsin(θ)gt = \frac{v \sin(\theta)}{g} です。
最高点の高さ HH は、
H=vsin(θ)t12gt2=v2sin2(θ)gv2sin2(θ)2g=v2sin2(θ)2gH = v \sin(\theta) t - \frac{1}{2}gt^2 = \frac{v^2 \sin^2(\theta)}{g} - \frac{v^2 \sin^2(\theta)}{2g} = \frac{v^2 \sin^2(\theta)}{2g}
天井に当たらない条件は HhH \le h 、つまり v2sin2(θ)2gh\frac{v^2 \sin^2(\theta)}{2g} \le h です。
この条件より、v22ghsin2(θ)v^2 \le \frac{2gh}{\sin^2(\theta)}
これを距離 RR の式に代入すると、
R=v2sin(2θ)g2ghsin2(θ)sin(2θ)g=2h2sin(θ)cos(θ)sin2(θ)=4hcos(θ)sin(θ)=4hcot(θ)R = \frac{v^2 \sin(2\theta)}{g} \le \frac{2gh}{\sin^2(\theta)} \frac{\sin(2\theta)}{g} = \frac{2h \cdot 2\sin(\theta)\cos(\theta)}{\sin^2(\theta)} = \frac{4h \cos(\theta)}{\sin(\theta)} = 4h \cot(\theta)
vv0v \le v_0 より、Rv02sin(2θ)gR \le \frac{v_0^2 \sin(2\theta)}{g}HhH \le h、つまり v02sin2(θ)2gh\frac{v_0^2 \sin^2(\theta)}{2g} \le h の両方を満たす必要があります。
sin2(θ)2ghv02\sin^2(\theta) \le \frac{2gh}{v_0^2} なので、sin(θ)2ghv02\sin(\theta) \le \sqrt{\frac{2gh}{v_0^2}}
R=v02sin(2θ)gR = \frac{v_0^2 \sin(2\theta)}{g} を最大化するためには、θ\theta を大きくしたい。
θ=arcsin(2ghv02)\theta = \arcsin\left(\sqrt{\frac{2gh}{v_0^2}}\right)
この時の RR の最大値は R=v02sin(2arcsin(2ghv02))gR = \frac{v_0^2 \sin\left(2 \arcsin\left(\sqrt{\frac{2gh}{v_0^2}}\right)\right)}{g}
sin(2x)=2sin(x)cos(x)\sin(2x) = 2\sin(x)\cos(x) を用いると、
R=v02g22ghv0212ghv02=2v02g2ghv02(12ghv02)=2v02g2ghv024g2h2v04=2v0g2gh4g2h2v02R = \frac{v_0^2}{g} 2 \sqrt{\frac{2gh}{v_0^2}}\sqrt{1-\frac{2gh}{v_0^2}} = \frac{2v_0^2}{g} \sqrt{\frac{2gh}{v_0^2} \left(1-\frac{2gh}{v_0^2}\right)} = \frac{2v_0^2}{g} \sqrt{\frac{2gh}{v_0^2} - \frac{4g^2h^2}{v_0^4}} = \frac{2v_0}{g} \sqrt{2gh - \frac{4g^2h^2}{v_0^2}}

3. 最終的な答え

Rmax=2v0g2gh4g2h2v02R_{max} = \frac{2v_0}{g} \sqrt{2gh - \frac{4g^2h^2}{v_0^2}}

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