100℃における水蒸気(H2O)の平均並進運動エネルギー、平均回転運動エネルギー、振動運動エネルギーをそれぞれ求める。ただし、水蒸気は理想気体とし、気体定数 $R = 8.31 \text{ J mol}^{-1} \text{ K}^{-1}$ とする。
2025/6/20
1. 問題の内容
100℃における水蒸気(H2O)の平均並進運動エネルギー、平均回転運動エネルギー、振動運動エネルギーをそれぞれ求める。ただし、水蒸気は理想気体とし、気体定数 とする。
2. 解き方の手順
温度をケルビンに変換する。
並進運動エネルギー:
理想気体の1分子あたりの平均並進運動エネルギーは、自由度 を用いて で表される。ここで、 はボルツマン定数、 は絶対温度である。1モルあたりの平均並進運動エネルギーは、
となる。
水蒸気分子の並進運動の自由度は3である。
回転運動エネルギー:
水蒸気分子は非線形分子であるため、回転の自由度は3である。
振動運動エネルギー:
水蒸気分子 (H2O) は3原子分子であり、振動の自由度は である。古典論では、各振動モードは の運動エネルギーと のポテンシャルエネルギーを持つので、振動エネルギーは各自由度あたり となる。従って、全振動エネルギーは となる。しかし、振動エネルギーは量子化されているため、低温では振動は励起されにくい。通常、常温程度では振動は励起されないことが多い。この問題では、特に指示がない限り、古典論の結論を用いる。
各エネルギーを計算する。
3. 最終的な答え
平均並進運動エネルギー: 4652.15 J/mol
平均回転運動エネルギー: 4652.15 J/mol
振動運動エネルギー: 9304.31 J/mol