100 mol の窒素を 200 L の容器に入れ、-73 ℃ に冷却したときの圧力を求める問題です。 (1) 窒素が理想気体としてふるまうときの圧力を求めます。 (2) 実在気体が低温・高圧で理想気体の状態方程式に完全に従わない理由を2つ述べます。 (3) 窒素が実在気体としてふるまうときの圧力を求めます。窒素のファンデルワールス定数は、$a = 0.139 \text{ Pa m}^6 \text{ mol}^{-2}$、$b = 3.87 \times 10^{-5} \text{ m}^3 \text{ mol}^{-1}$ です。 気体定数 $R = 8.31 \text{ J mol}^{-1} \text{ K}^{-1}$ です。

応用数学物理化学状態方程式理想気体実在気体ファンデルワールス
2025/6/20

1. 問題の内容

100 mol の窒素を 200 L の容器に入れ、-73 ℃ に冷却したときの圧力を求める問題です。
(1) 窒素が理想気体としてふるまうときの圧力を求めます。
(2) 実在気体が低温・高圧で理想気体の状態方程式に完全に従わない理由を2つ述べます。
(3) 窒素が実在気体としてふるまうときの圧力を求めます。窒素のファンデルワールス定数は、a=0.139 Pa m6 mol2a = 0.139 \text{ Pa m}^6 \text{ mol}^{-2}b=3.87×105 m3 mol1b = 3.87 \times 10^{-5} \text{ m}^3 \text{ mol}^{-1} です。
気体定数 R=8.31 J mol1 K1R = 8.31 \text{ J mol}^{-1} \text{ K}^{-1} です。

2. 解き方の手順

(1) 理想気体の状態方程式 PV=nRTPV = nRT を用いて圧力を計算します。
PP が求める圧力、 VV が体積 (200 L = 0.2 m³)、 nn が物質量 (100 mol)、 RR が気体定数、 TT が絶対温度 (73C=200 K-73^\circ\text{C} = 200 \text{ K}) です。
P=nRTVP = \frac{nRT}{V}
(2) 実在気体が理想気体の状態方程式に従わない理由は、以下の2点です。
* 気体分子自身の体積を無視できない。
* 分子間力を無視できない。
(3) ファンデルワールスの状態方程式 (P+an2V2)(Vnb)=nRT\left(P + \frac{an^2}{V^2}\right)(V - nb) = nRT を用いて圧力を計算します。
PP が求める圧力、 VV が体積 (0.2 m³)、 nn が物質量 (100 mol)、 RR が気体定数、 TT が絶対温度 (200 K)、 aabb がファンデルワールス定数です。
(P+an2V2)(Vnb)=nRT\left(P + \frac{an^2}{V^2}\right)(V - nb) = nRT
P=nRTVnban2V2P = \frac{nRT}{V - nb} - \frac{an^2}{V^2}
(1) 理想気体の場合:
P=nRTV=100 mol×8.31 J mol1 K1×200 K0.2 m3=831000 Pa=8.31×105 PaP = \frac{nRT}{V} = \frac{100 \text{ mol} \times 8.31 \text{ J mol}^{-1} \text{ K}^{-1} \times 200 \text{ K}}{0.2 \text{ m}^3} = 831000 \text{ Pa} = 8.31 \times 10^5 \text{ Pa}
(3) 実在気体の場合:
P=nRTVnban2V2P = \frac{nRT}{V - nb} - \frac{an^2}{V^2}
P=100 mol×8.31 J mol1 K1×200 K0.2 m3100 mol×3.87×105 m3 mol10.139 Pa m6 mol2×(100 mol)2(0.2 m3)2P = \frac{100 \text{ mol} \times 8.31 \text{ J mol}^{-1} \text{ K}^{-1} \times 200 \text{ K}}{0.2 \text{ m}^3 - 100 \text{ mol} \times 3.87 \times 10^{-5} \text{ m}^3 \text{ mol}^{-1}} - \frac{0.139 \text{ Pa m}^6 \text{ mol}^{-2} \times (100 \text{ mol})^2}{(0.2 \text{ m}^3)^2}
P=166200 J0.2 m30.00387 m31390 Pa m60.04 m6P = \frac{166200 \text{ J}}{0.2 \text{ m}^3 - 0.00387 \text{ m}^3} - \frac{1390 \text{ Pa m}^6}{0.04 \text{ m}^6}
P=166200 J0.19613 m334750 PaP = \frac{166200 \text{ J}}{0.19613 \text{ m}^3} - 34750 \text{ Pa}
P=847480 Pa34750 Pa=812730 Pa8.13×105 PaP = 847480 \text{ Pa} - 34750 \text{ Pa} = 812730 \text{ Pa} \approx 8.13 \times 10^5 \text{ Pa}

3. 最終的な答え

(1) 8.31×105 Pa8.31 \times 10^5 \text{ Pa}
(2) 分子自身の体積を無視できない、分子間力を無視できない
(3) 8.13×105 Pa8.13 \times 10^5 \text{ Pa}

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