与えられた常微分方程式 $L \frac{dI(t)}{dt} + RI(t) = V(t)$ (3.8) について、以下の問題を解く。 (i) 定数変化法を用いて、微分方程式(3.8)の一般解を求める。 (ii) $V(t) = V_0$($V_0$は定数)の場合の一般解を求める。さらに、初期条件 $I(0) = 0$ を満たす特解を求める。

応用数学常微分方程式定数変化法電気回路
2025/6/27

1. 問題の内容

与えられた常微分方程式 LdI(t)dt+RI(t)=V(t)L \frac{dI(t)}{dt} + RI(t) = V(t) (3.8) について、以下の問題を解く。
(i) 定数変化法を用いて、微分方程式(3.8)の一般解を求める。
(ii) V(t)=V0V(t) = V_0V0V_0は定数)の場合の一般解を求める。さらに、初期条件 I(0)=0I(0) = 0 を満たす特解を求める。

2. 解き方の手順

(i) 定数変化法による一般解の導出
まず、同次方程式を解く。
LdI(t)dt+RI(t)=0L \frac{dI(t)}{dt} + RI(t) = 0
dI(t)I(t)=RLdt\frac{dI(t)}{I(t)} = -\frac{R}{L} dt
両辺を積分して、
dI(t)I(t)=RLdt\int \frac{dI(t)}{I(t)} = \int -\frac{R}{L} dt
lnI(t)=RLt+C1\ln |I(t)| = -\frac{R}{L}t + C_1
I(t)=CeRLtI(t) = Ce^{-\frac{R}{L}t} (Cは任意の定数)
次に、定数変化法を用いて非同次方程式の一般解を求める。I(t)=C(t)eRLtI(t) = C(t)e^{-\frac{R}{L}t} とおき、これを元の微分方程式に代入する。
Lddt(C(t)eRLt)+RC(t)eRLt=V(t)L \frac{d}{dt} \left( C(t)e^{-\frac{R}{L}t} \right) + RC(t)e^{-\frac{R}{L}t} = V(t)
L(dC(t)dteRLt+C(t)(RL)eRLt)+RC(t)eRLt=V(t)L \left( \frac{dC(t)}{dt}e^{-\frac{R}{L}t} + C(t) \left( -\frac{R}{L} \right)e^{-\frac{R}{L}t} \right) + RC(t)e^{-\frac{R}{L}t} = V(t)
LdC(t)dteRLtRC(t)eRLt+RC(t)eRLt=V(t)L \frac{dC(t)}{dt}e^{-\frac{R}{L}t} - RC(t)e^{-\frac{R}{L}t} + RC(t)e^{-\frac{R}{L}t} = V(t)
LdC(t)dteRLt=V(t)L \frac{dC(t)}{dt}e^{-\frac{R}{L}t} = V(t)
dC(t)dt=V(t)LeRLt\frac{dC(t)}{dt} = \frac{V(t)}{L}e^{\frac{R}{L}t}
C(t)=V(t)LeRLtdt+C2C(t) = \int \frac{V(t)}{L}e^{\frac{R}{L}t} dt + C_2 (C2は積分定数)
よって、一般解は
I(t)=(V(t)LeRLtdt+C2)eRLtI(t) = \left( \int \frac{V(t)}{L}e^{\frac{R}{L}t} dt + C_2 \right) e^{-\frac{R}{L}t}
(ii) V(t)=V0V(t) = V_0 の場合の一般解と特解
V(t)=V0V(t) = V_0 のとき、
C(t)=V0LeRLtdt+C2=V0LLReRLt+C2=V0ReRLt+C2C(t) = \int \frac{V_0}{L}e^{\frac{R}{L}t} dt + C_2 = \frac{V_0}{L} \cdot \frac{L}{R}e^{\frac{R}{L}t} + C_2 = \frac{V_0}{R}e^{\frac{R}{L}t} + C_2
したがって、一般解は
I(t)=(V0ReRLt+C2)eRLt=V0R+C2eRLtI(t) = \left( \frac{V_0}{R}e^{\frac{R}{L}t} + C_2 \right) e^{-\frac{R}{L}t} = \frac{V_0}{R} + C_2e^{-\frac{R}{L}t}
初期条件 I(0)=0I(0) = 0 より、
0=V0R+C2e0=V0R+C20 = \frac{V_0}{R} + C_2e^0 = \frac{V_0}{R} + C_2
C2=V0RC_2 = -\frac{V_0}{R}
したがって、特解は
I(t)=V0RV0ReRLt=V0R(1eRLt)I(t) = \frac{V_0}{R} - \frac{V_0}{R}e^{-\frac{R}{L}t} = \frac{V_0}{R} \left( 1 - e^{-\frac{R}{L}t} \right)

3. 最終的な答え

(i) 一般解: I(t)=(V(t)LeRLtdt+C2)eRLtI(t) = \left( \int \frac{V(t)}{L}e^{\frac{R}{L}t} dt + C_2 \right) e^{-\frac{R}{L}t}
(ii) V(t)=V0V(t) = V_0 の場合の一般解: I(t)=V0R+C2eRLtI(t) = \frac{V_0}{R} + C_2e^{-\frac{R}{L}t}
初期条件 I(0)=0I(0) = 0 を満たす特解: I(t)=V0R(1eRLt)I(t) = \frac{V_0}{R} \left( 1 - e^{-\frac{R}{L}t} \right)

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