実数 $a, b$ について、次の不等式を証明する問題です。ただし、$0 < p \leq 1$ とする。 $$|a+b|^p \leq |a|^p + |b|^p$$

1. 問題の内容

実数 $a, b$ について、次の不等式を証明する問題です。ただし、$0 < p \leq 1$ とする。

$$|a+b|^p \leq |a|^p + |b|^p$$

2. 解き方の手順

まず、$|a| = x$, $|b| = y$ とおきます。すると、$x \geq 0$, $y \geq 0$ です。

証明すべき不等式は

$$|a+b|^p \leq |a|^p + |b|^p$$

ですが、$|a+b| \leq |a| + |b|$ であるので、

$$|a+b|^p \leq (|a|+|b|)^p = (x+y)^p$$

を示せば十分です。

したがって、

$$(x+y)^p \leq x^p + y^p$$

を証明することを目標とします。ここで、$x \geq 0, y \geq 0$ であり、$0 < p \leq 1$ であることに注意します。

$y=0$ のとき、$(x+0)^p \leq x^p + 0^p$ となり、$x^p \leq x^p$ で成立します。

$y>0$ のとき、$x/y = t$ とおくと、$x = ty$ と書けます。$t \geq 0$ です。

$$(ty+y)^p \leq (ty)^p + y^p$$

$$y^p (t+1)^p \leq y^p t^p + y^p$$

$y^p > 0$ なので、

$$(t+1)^p \leq t^p + 1$$

となります。つまり、$f(t) = t^p$ とおくと、$t \geq 0$ において、

$$f(t+1) \leq f(t) + 1$$

を証明することになります。

ここで、関数 $g(t) = (t+1)^p - t^p$ を考えます。この関数の最大値が1以下であることを示します。

$g'(t) = p(t+1)^{p-1} - p t^{p-1} = p \left( (t+1)^{p-1} - t^{p-1} \right)$

$0 < p \leq 1$ より、$p-1 \leq 0$ なので、$(t+1)^{p-1} \leq t^{p-1}$ であり、$g'(t) \leq 0$ となります。

したがって、$g(t)$ は単調減少関数です。

$t \geq 0$ なので、$g(t) \leq g(0)$ となります。

$g(0) = (0+1)^p - 0^p = 1^p - 0 = 1$

したがって、$g(t) \leq 1$

$(t+1)^p - t^p \leq 1$

$(t+1)^p \leq t^p + 1$

よって、不等式 $|a+b|^p \leq |a|^p + |b|^p$ が証明されました。

3. 最終的な答え

$|a+b|^p \leq |a|^p + |b|^p$