三角形OABにおいて、|OA| = 3, |AB| = 5, $\vec{OA} \cdot \vec{OB} = 10$が与えられています。三角形OABの内接円の中心をIとし、内接円と辺OAの接点をHとします。 (1) 辺OBの長さを求めよ。 (2) $\vec{OI}$を$\vec{OA}$と$\vec{OB}$を用いて表せ。 (3) $\vec{HI}$を$\vec{OA}$と$\vec{OB}$を用いて表せ。

幾何学ベクトル三角形内接円ベクトル方程式
2025/6/30

1. 問題の内容

三角形OABにおいて、|OA| = 3, |AB| = 5, OAOB=10\vec{OA} \cdot \vec{OB} = 10が与えられています。三角形OABの内接円の中心をIとし、内接円と辺OAの接点をHとします。
(1) 辺OBの長さを求めよ。
(2) OI\vec{OI}OA\vec{OA}OB\vec{OB}を用いて表せ。
(3) HI\vec{HI}OA\vec{OA}OB\vec{OB}を用いて表せ。

2. 解き方の手順

(1) 辺OBの長さを求める。
三角形OABにおいて、AB=OBOA\vec{AB} = \vec{OB} - \vec{OA}なので、
AB2=OBOA2|\vec{AB}|^2 = |\vec{OB} - \vec{OA}|^2
AB2=OB22OAOB+OA2|\vec{AB}|^2 = |\vec{OB}|^2 - 2\vec{OA} \cdot \vec{OB} + |\vec{OA}|^2
これに問題文で与えられた値を代入すると、
52=OB22(10)+325^2 = |\vec{OB}|^2 - 2(10) + 3^2
25=OB220+925 = |\vec{OB}|^2 - 20 + 9
OB2=25+209=36|\vec{OB}|^2 = 25 + 20 - 9 = 36
よって、OB=6|\vec{OB}| = 6
(2) OI\vec{OI}OA\vec{OA}OB\vec{OB}を用いて表す。
三角形OABの内接円の半径をrとし、各辺の長さをa, b, cとすると、面積SはS=12r(a+b+c)S = \frac{1}{2}r(a+b+c)で表せる。
|OA| = 3, |OB| = 6, |AB| = 5なので、a = 6, b = 5, c = 3となる。
まず、三角形OABの面積を求める。OAOB=OAOBcosAOB\vec{OA} \cdot \vec{OB} = |\vec{OA}| |\vec{OB}| \cos{\angle AOB}より、
10=36cosAOB10 = 3 \cdot 6 \cos{\angle AOB}
cosAOB=1018=59\cos{\angle AOB} = \frac{10}{18} = \frac{5}{9}
sin2AOB=1cos2AOB=1(59)2=12581=5681\sin^2{\angle AOB} = 1 - \cos^2{\angle AOB} = 1 - (\frac{5}{9})^2 = 1 - \frac{25}{81} = \frac{56}{81}
sinAOB=569=2149\sin{\angle AOB} = \frac{\sqrt{56}}{9} = \frac{2\sqrt{14}}{9}
よって、三角形OABの面積は
S=12OAOBsinAOB=12362149=214S = \frac{1}{2} |\vec{OA}| |\vec{OB}| \sin{\angle AOB} = \frac{1}{2} \cdot 3 \cdot 6 \cdot \frac{2\sqrt{14}}{9} = 2\sqrt{14}
また、S=12r(6+5+3)=12r(14)=7rS = \frac{1}{2}r(6+5+3) = \frac{1}{2}r(14) = 7r
7r=2147r = 2\sqrt{14}より、r=2147r = \frac{2\sqrt{14}}{7}
OI=pOA+qOB\vec{OI} = p\vec{OA} + q\vec{OB}とおくと、p+q < 1, p > 0, q > 0
OI=aOA+bOB+cOCa+b+c\vec{OI} = \frac{a\vec{OA} + b\vec{OB} + c\vec{OC}}{a+b+c}
一般に、三角形の内接円の中心ベクトルは、各頂点からの距離を係数にした重み付き平均で与えられる。
よって、
OI=ABOA+OAOBAB+OA+OB=514OA+314OB\vec{OI} = \frac{|\vec{AB}| \vec{OA} + |\vec{OA}| \vec{OB}}{|\vec{AB}| + |\vec{OA}| + |\vec{OB}|} = \frac{5}{14} \vec{OA} + \frac{3}{14} \vec{OB}
面積を用いて解くと
OI=aOA+bOBa+b+c\vec{OI} = \frac{a\vec{OA} + b\vec{OB}}{a+b+c}
OA=3,OB=6,AB=5|OA|=3, |OB|=6, |AB|=5,
OI=314OB+514OA\vec{OI} = \frac{3}{14} \vec{OB} + \frac{5}{14} \vec{OA}
(3) HI\vec{HI}OA\vec{OA}OB\vec{OB}を用いて表す。
OH=OHOAOA\vec{OH} = |\vec{OH}| \frac{\vec{OA}}{|\vec{OA}|}
内接円の半径はr = 2147\frac{2\sqrt{14}}{7}。三角形OAIにおいて、AI=r2+(3OH)2|AI| = \sqrt{r^2 + (3 - |OH|)^2}
OH=3|OH|=3
HI=OIOH=514OA+314OB33OA\vec{HI} = \vec{OI} - \vec{OH} = \frac{5}{14}\vec{OA} + \frac{3}{14}\vec{OB} - \frac{3}{3}\vec{OA}

2. 最終的な答え

(1) OB=6|\vec{OB}| = 6
(2) OI=514OA+314OB\vec{OI} = \frac{5}{14} \vec{OA} + \frac{3}{14} \vec{OB}
(3) HI=914OA+314OB\vec{HI} = -\frac{9}{14} \vec{OA} + \frac{3}{14} \vec{OB}

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