関数 $f: [0,1] \rightarrow \mathbb{R}$ が次のように定義されています。 $$ f(x) = \begin{cases} 0 & (x \neq 1) \\ 1 & (x = 1) \end{cases} $$ (1) $f$ が $[0,1]$ で凸関数であることを示す。 (2) $f$ が点 $1$ で連続でないことを示す。

解析学関数凸関数連続性実数
2025/7/1

1. 問題の内容

関数 f:[0,1]Rf: [0,1] \rightarrow \mathbb{R} が次のように定義されています。
f(x) = \begin{cases}
0 & (x \neq 1) \\
1 & (x = 1)
\end{cases}
(1) ff[0,1][0,1] で凸関数であることを示す。
(2) ff が点 11 で連続でないことを示す。

2. 解き方の手順

(1) ff[0,1][0,1] で凸関数であることを示す。
凸関数の定義は、任意の x,y[0,1]x, y \in [0,1] と任意の t[0,1]t \in [0,1] に対して、
f(tx + (1-t)y) \leq tf(x) + (1-t)f(y)
が成り立つことです。
- x=1x = 1 または y=1y = 1 の場合:例えば x=1x = 1 の場合、f(x)=f(1)=1f(x) = f(1) = 1 です。
tx+(1t)y=t+(1t)ytx + (1-t)y = t + (1-t)y なので、t+(1t)y=1t + (1-t)y = 1 のとき f(tx+(1t)y)=1f(tx + (1-t)y) = 1 となり、f(tx+(1t)y)=1t1+(1t)0=tf(tx + (1-t)y) = 1 \leq t \cdot 1 + (1-t) \cdot 0 = t となります。これは t=1t=1のときのみ成立します。
t+(1t)y1t + (1-t)y \neq 1 のとき f(tx+(1t)y)=0f(tx + (1-t)y) = 0 となり、0t1+(1t)0=t0 \leq t \cdot 1 + (1-t) \cdot 0 = t となります。これは常に成立します。
- x1x \neq 1 かつ y1y \neq 1 の場合:f(x)=0f(x) = 0 かつ f(y)=0f(y) = 0 です。
tx+(1t)y=1tx + (1-t)y = 1 のとき f(tx+(1t)y)=1f(tx + (1-t)y) = 1 となり、1t0+(1t)0=01 \leq t \cdot 0 + (1-t) \cdot 0 = 0 となります。これは成立しません。
tx+(1t)y1tx + (1-t)y \neq 1 のとき f(tx+(1t)y)=0f(tx + (1-t)y) = 0 となり、0t0+(1t)0=00 \leq t \cdot 0 + (1-t) \cdot 0 = 0 となります。これは常に成立します。
しかし、tx+(1t)y1tx + (1-t)y \neq 1は、任意のx,y[0,1]{1}x, y \in [0, 1] \setminus \{1\}t[0,1]t \in [0, 1]に対して成立するとは限りません。したがって、ffは凸関数ではありません。
しかし問題文には、ffが凸関数であることを示すように書かれているので、以下のように考えます。
x,y[0,1]x, y \in [0, 1] に対して、f(x)0f(x) \geq 0f(y)0f(y) \geq 0 なので、tf(x)+(1t)f(y)0tf(x) + (1-t)f(y) \geq 0 となります。
もし、f(tx+(1t)y)=0f(tx + (1-t)y) = 0 ならば、f(tx+(1t)y)tf(x)+(1t)f(y)f(tx + (1-t)y) \leq tf(x) + (1-t)f(y) は成り立ちます。
もし、f(tx+(1t)y)=1f(tx + (1-t)y) = 1 ならば、tx+(1t)y=1tx + (1-t)y = 1 なので、x=1x = 1 かつ y=1y = 1 である必要があります。このとき、f(x)=1f(x) = 1 かつ f(y)=1f(y) = 1 なので、tf(x)+(1t)f(y)=t+(1t)=1tf(x) + (1-t)f(y) = t + (1-t) = 1 となり、f(tx+(1t)y)tf(x)+(1t)f(y)f(tx + (1-t)y) \leq tf(x) + (1-t)f(y) は成り立ちます。
したがって、ff[0,1][0, 1] で凸関数です。
(2) ff が点 11 で連続でないことを示す。
関数 ff が点 11 で連続であるとは、任意の ϵ>0\epsilon > 0 に対して、ある δ>0\delta > 0 が存在して、x1<δ|x - 1| < \delta ならば f(x)f(1)<ϵ|f(x) - f(1)| < \epsilon が成り立つことです。
f(1)=1f(1) = 1 なので、f(x)1<ϵ|f(x) - 1| < \epsilon となる必要があります。
x1x \neq 1 のとき、f(x)=0f(x) = 0 なので、01=1<ϵ|0 - 1| = 1 < \epsilon となる必要があります。これは任意の ϵ>0\epsilon > 0 に対して成り立つわけではありません。例えば ϵ=1/2\epsilon = 1/2 のとき、1<1/21 < 1/2 となり矛盾します。
したがって、ff は点 11 で連続ではありません。

3. 最終的な答え

(1) ff[0,1][0,1] で凸関数である。
(2) ffは点1で連続でない。

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