与えられた関数 $ f(x, y) = \begin{cases} |x|^\alpha |y|^\beta & (x, y) \neq (0, 0) \\ 0 & (x, y) = (0, 0) \end{cases} $ について、以下の問いに答える。ただし、$\alpha, \beta > 0$とする。 (1) $x$軸との角度$\theta (0 \le \theta < 2\pi)$である方向を$\mathbf{l}$とする。点(0, 0)で方向微分係数$\frac{\partial f}{\partial \mathbf{l}}(0, 0)$が存在する$\alpha, \beta$の条件を求め、そのときの$\frac{\partial f}{\partial \mathbf{l}}(0, 0)$の値を求める。 (2) $f(x, y)$が(全)微分可能となる$\alpha, \beta$の条件を求める。
2025/7/1
1. 問題の内容
与えられた関数
について、以下の問いに答える。ただし、とする。
(1) 軸との角度である方向をとする。点(0, 0)で方向微分係数が存在するの条件を求め、そのときのの値を求める。
(2) が(全)微分可能となるの条件を求める。
2. 解き方の手順
(1) 方向微分係数の存在条件とその値
方向ベクトルをとすると、方向微分係数は
となる。ここで、なので、
となる。
のとき、なのでとなる。
のとき、なのでとなる。
のとき、なので、
この極限が存在するためには、が必要である。
のとき、
において正負の極限値が一致しない場合、のときは方向微分は存在しない。
のとき、となる。
(2) 全微分可能性の条件
が(0, 0)で全微分可能であるとき、
が成り立つ。
, , より、
つまり、
となる。
とおくと、
したがって、、つまりが必要である。
3. 最終的な答え
(1) のとき、となる。
(2) のとき、は(全)微分可能である。