多項式 $f(x) = x^4 - x^2 + 1$ について、以下の問いに答えます。 (1) $x^6$ を $f(x)$ で割ったときの余りを求めます。 (2) $x^{2021}$ を $f(x)$ で割ったときの余りを求めます。 (3) 自然数 $n$ が3の倍数であるとき、$(x^2 - 1)^n - 1$ が $f(x)$ で割り切れることを示します。

1. 問題の内容

多項式 $f(x) = x^4 - x^2 + 1$ について、以下の問いに答えます。

(1) $x^6$ を $f(x)$ で割ったときの余りを求めます。

(2) $x^{2021}$ を $f(x)$ で割ったときの余りを求めます。

(3) 自然数 $n$ が3の倍数であるとき、$(x^2 - 1)^n - 1$ が $f(x)$ で割り切れることを示します。

2. 解き方の手順

(1) $x^6$ を $f(x) = x^4 - x^2 + 1$ で割ったときの余りを求める。

まず、$x^4 = x^2 - 1 \pmod{f(x)}$ である。

したがって、$x^6 = x^2 x^4 = x^2 (x^2 - 1) = x^4 - x^2 = (x^2 - 1) - x^2 = -1 \pmod{f(x)}$

よって、$x^6 = (x^4 - x^2 + 1) q(x) + r(x)$ と表される。

ここで、$q(x)$ は商、$r(x)$ は余りであり、$r(x)$ の次数は3以下である。

$x^6 \equiv -1 \pmod{f(x)}$ より、$r(x) = -1$ である。

(2) $x^{2021}$ を $f(x)$ で割ったときの余りを求める。

$x^6 \equiv -1 \pmod{f(x)}$ であるから、$x^{12} \equiv 1 \pmod{f(x)}$ となる。

$2021 = 12 \cdot 168 + 5$ なので、

$x^{2021} = (x^{12})^{168} \cdot x^5 \equiv x^5 \pmod{f(x)}$ となる。

$x^5 = x \cdot x^4 = x(x^2 - 1) = x^3 - x$

したがって、$x^{2021} \equiv x^3 - x \pmod{f(x)}$

よって、余りは $x^3 - x$ である。

(3) 自然数 $n$ が3の倍数であるとき、$(x^2 - 1)^n - 1$ が $f(x)$ で割り切れることを示す。

$n = 3k$ （$k$ は自然数）とする。

$(x^2 - 1)^n - 1 = (x^2 - 1)^{3k} - 1 = ((x^2 - 1)^3)^k - 1$

$(x^2 - 1)^3 = (x^2 - 1)(x^4 - 2x^2 + 1)$

ここで、$x^4 = x^2 - 1 \pmod{f(x)}$ であるから、

$(x^2 - 1)^3 \equiv (x^2 - 1)((x^2 - 1) - 2x^2 + 1) = (x^2 - 1)(-x^2) = -x^4 + x^2 = -(x^2 - 1) + x^2 = 1 \pmod{f(x)}$

したがって、$((x^2 - 1)^3)^k - 1 \equiv 1^k - 1 = 0 \pmod{f(x)}$

よって、$(x^2 - 1)^n - 1$ は $f(x)$ で割り切れる。

3. 最終的な答え

(1) $-1$

(2) $x^3 - x$

(3) 証明終わり