サイコロを$n$回投げて、$xy$平面上の点$P_0, P_1, ..., P_n$を以下の規則で定める。 (a) $P_0 = (0, 0)$ (b) $1 \le k \le n$のとき、$k$回目に出た目の数が1, 2, 3, 4のときには、$P_{k-1}$をそれぞれ東、北、西、南に$(\frac{1}{2})^k$だけ動かした点を$P_k$とする。また、$k$回目に出た目の数が5, 6のときには$P_k = P_{k-1}$とする。ただし、$y$軸の正の向きを北と定める。 (1) $P_n$が$x$軸上にあれば、$P_0, P_1, ..., P_{n-1}$もすべて$x$軸上にあることを示せ。 (2) $P_n$が第一象限$\{(x, y) | x > 0, y > 0\}$にある確率を$n$で表せ。

確率論・統計学確率確率変数漸化式サイコロ
2025/7/3

1. 問題の内容

サイコロをnn回投げて、xyxy平面上の点P0,P1,...,PnP_0, P_1, ..., P_nを以下の規則で定める。
(a) P0=(0,0)P_0 = (0, 0)
(b) 1kn1 \le k \le nのとき、kk回目に出た目の数が1, 2, 3, 4のときには、Pk1P_{k-1}をそれぞれ東、北、西、南に(12)k(\frac{1}{2})^kだけ動かした点をPkP_kとする。また、kk回目に出た目の数が5, 6のときにはPk=Pk1P_k = P_{k-1}とする。ただし、yy軸の正の向きを北と定める。
(1) PnP_nxx軸上にあれば、P0,P1,...,Pn1P_0, P_1, ..., P_{n-1}もすべてxx軸上にあることを示せ。
(2) PnP_nが第一象限{(x,y)x>0,y>0}\{(x, y) | x > 0, y > 0\}にある確率をnnで表せ。

2. 解き方の手順

(1)
PnP_nyy座標をyny_nとすると、
yn=k=1n(12)kIky_n = \sum_{k=1}^{n} (\frac{1}{2})^k I_k
ここで、IkI_kkk回目に出た目が2のとき1, 4のとき-1、それ以外のとき0となる確率変数。
PnP_nxx軸上にあるとき、yn=0y_n = 0となる。すなわち、
k=1n(12)kIk=0\sum_{k=1}^{n} (\frac{1}{2})^k I_k = 0
ここで、Pn1P_{n-1}yy座標をyn1y_{n-1}とすると、
yn1=k=1n1(12)kIky_{n-1} = \sum_{k=1}^{n-1} (\frac{1}{2})^k I_k
yn=yn1+(12)nIn=0y_n = y_{n-1} + (\frac{1}{2})^n I_n = 0
(12)n0(\frac{1}{2})^n \neq 0なので、In=0I_n = 0ならば、yn1=0y_{n-1}=0となる。もし、In0I_n \neq 0ならば、yn1=(12)nIn0y_{n-1} = - (\frac{1}{2})^n I_n \neq 0となる。しかし、yn=0y_n = 0を満たすためには、yn1y_{n-1}の値によってはInI_nの値が制約されるので、In=0I_n = 0となる場合、つまりPnP_nxx軸上にあるならば、Pn1P_{n-1}xx軸上にあることになる。
同様に、Pn2,Pn3,...,P0P_{n-2}, P_{n-3}, ..., P_0もすべてxx軸上にある。
(2)
PnP_nxx座標をxnx_nyy座標をyny_nとする。
xn=k=1n(12)kJkx_n = \sum_{k=1}^{n} (\frac{1}{2})^k J_k
yn=k=1n(12)kIky_n = \sum_{k=1}^{n} (\frac{1}{2})^k I_k
ここで、JkJ_kkk回目に出た目が1のとき1, 3のとき-1、それ以外のとき0となる確率変数。
IkI_kkk回目に出た目が2のとき1, 4のとき-1、それ以外のとき0となる確率変数。
PnP_nが第一象限にあるためには、xn>0x_n > 0かつyn>0y_n > 0が必要となる。
kk回目に出た目が1, 2, 3, 4のいずれかである確率は46=23\frac{4}{6} = \frac{2}{3}
kk回目に出た目が5, 6のいずれかである確率は26=13\frac{2}{6} = \frac{1}{3}
P(xn>0かつyn>0)P(x_n > 0 \text{かつ} y_n > 0)を求める。
n=1n=1のとき、x1=12x_1 = \frac{1}{2}となる確率は16\frac{1}{6}y1=12y_1 = \frac{1}{2}となる確率は16\frac{1}{6}
x1>0x_1 > 0かつy1>0y_1 > 0となる確率は0。
P(x1>0,y1>0)=16×16=136P(x_1 > 0, y_1 > 0) = \frac{1}{6} \times \frac{1}{6} = \frac{1}{36}ではない。これは、x1x_1y1y_1が同時に0でない値を取り得ないため。
n=2n=2のとき、
x2=12+14=34x_2 = \frac{1}{2} + \frac{1}{4} = \frac{3}{4}
x2=1214=14x_2 = \frac{1}{2} - \frac{1}{4} = \frac{1}{4}
x2=12+14=14x_2 = - \frac{1}{2} + \frac{1}{4} = - \frac{1}{4}
y2=12+14=34y_2 = \frac{1}{2} + \frac{1}{4} = \frac{3}{4}
y2=1214=14y_2 = \frac{1}{2} - \frac{1}{4} = \frac{1}{4}
y2=12+14=14y_2 = - \frac{1}{2} + \frac{1}{4} = - \frac{1}{4}
...
これを一般化するのは難しい。
ii回目に東、jj回目に北、kk回目に西、ll回目に南が出たとする。ここで、i+j+k+lni+j+k+l \leq n
xn=s=1i(12)ass=1k(12)csx_n = \sum_{s=1}^i (\frac{1}{2})^{a_s} - \sum_{s=1}^k (\frac{1}{2})^{c_s}
yn=s=1j(12)bss=1l(12)dsy_n = \sum_{s=1}^j (\frac{1}{2})^{b_s} - \sum_{s=1}^l (\frac{1}{2})^{d_s}
ここで、as,bs,cs,dsa_s, b_s, c_s, d_sはそれぞれ東、北、西、南が出た回数を表す。
PnP_nが第一象限にある確率は、複雑すぎて一般的に表現するのは難しい。

3. 最終的な答え

(1) PnP_nxx軸上にあれば、P0,P1,...,Pn1P_0, P_1, ..., P_{n-1}もすべてxx軸上にある。
(2) 解答不能

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