$\theta$ についての方程式 $\cos2\theta - 2a\cos\theta + 2a + 1 = 0$ ($0 \le \theta \le \pi$) がある。ただし、$a$ は定数である。 (1) 方程式が $\theta = \frac{\pi}{2}$ を解にもつとき、$a$ の値を求めよ。 (2) $t = \cos\theta$ とおくとき、$\cos2\theta$ を $t$ を用いて表せ。また、$a = -\frac{1}{2}$ のとき、方程式を解け。 (3) 方程式を満たす $\theta$ の値がただ一つであるとき、$a$ の値の範囲を求めよ。

1. 問題の内容

$\theta$ についての方程式 $\cos2\theta - 2a\cos\theta + 2a + 1 = 0$ ($0 \le \theta \le \pi$) がある。ただし、$a$ は定数である。

(1) 方程式が $\theta = \frac{\pi}{2}$ を解にもつとき、$a$ の値を求めよ。

(2) $t = \cos\theta$ とおくとき、$\cos2\theta$ を $t$ を用いて表せ。また、$a = -\frac{1}{2}$ のとき、方程式を解け。

(3) 方程式を満たす $\theta$ の値がただ一つであるとき、$a$ の値の範囲を求めよ。

2. 解き方の手順

(1) 方程式 $\cos2\theta - 2a\cos\theta + 2a + 1 = 0$ に $\theta = \frac{\pi}{2}$ を代入すると、

$\cos(2 \cdot \frac{\pi}{2}) - 2a\cos(\frac{\pi}{2}) + 2a + 1 = 0$

$\cos\pi - 2a \cdot 0 + 2a + 1 = 0$

$-1 + 0 + 2a + 1 = 0$

$2a = 0$

$a = 0$

(2) $\cos2\theta$ を $\cos\theta$ で表す。

$\cos2\theta = 2\cos^2\theta - 1$

$t = \cos\theta$ より、$\cos2\theta = 2t^2 - 1$

$a = -\frac{1}{2}$ を代入すると、方程式は

$\cos2\theta - 2(-\frac{1}{2})\cos\theta + 2(-\frac{1}{2}) + 1 = 0$

$\cos2\theta + \cos\theta - 1 + 1 = 0$

$\cos2\theta + \cos\theta = 0$

$2\cos^2\theta - 1 + \cos\theta = 0$

$2t^2 + t - 1 = 0$

$(2t - 1)(t + 1) = 0$

$t = \frac{1}{2}, -1$

$\cos\theta = \frac{1}{2}$ または $\cos\theta = -1$

$0 \le \theta \le \pi$ より、

$\cos\theta = \frac{1}{2}$ のとき $\theta = \frac{\pi}{3}$

$\cos\theta = -1$ のとき $\theta = \pi$

(3) $\cos2\theta - 2a\cos\theta + 2a + 1 = 0$ を $t = \cos\theta$ で表すと、

$2t^2 - 1 - 2at + 2a + 1 = 0$

$2t^2 - 2at + 2a = 0$

$t^2 - at + a = 0$

$t = \frac{a \pm \sqrt{a^2 - 4a}}{2}$

$t = \cos\theta$ であり、$0 \le \theta \le \pi$ より $-1 \le t \le 1$

$t^2 - at + a = 0$ が $-1 \le t \le 1$ にただ一つの解を持つ条件を求める。

$f(t) = t^2 - at + a$ とおく。

判別式 $D = a^2 - 4a$

(i) $D < 0$ のとき、$a^2 - 4a < 0$ より $0 < a < 4$。このとき、実数解を持たないので条件を満たさない。

(ii) $D = 0$ のとき、$a = 0, 4$

$a = 0$ のとき $t = 0$ であり、$-1 \le t \le 1$ を満たす。$\theta = \frac{\pi}{2}$ であり、条件を満たす。

$a = 4$ のとき $t = 2$ であり、$-1 \le t \le 1$ を満たさない。

(iii) $D > 0$ のとき、$a < 0$ または $a > 4$

解 $t = \frac{a \pm \sqrt{a^2 - 4a}}{2}$ の少なくとも一方が $-1 \le t \le 1$ を満たす必要がある。

$f(-1) = 1 + a + a = 2a + 1$

$f(1) = 1 - a + a = 1$

$f(t) = 0$ となる $t$ が一つだけ $-1 \le t \le 1$ に存在するための条件は、

$f(-1) f(1) \le 0$ であり、このとき $2a + 1 \le 0$ より $a \le -\frac{1}{2}$

$a < 0$ より $a \le -\frac{1}{2}$

解の一つが $t = -1$ のとき $f(-1) = 0$ より $a = -\frac{1}{2}$

$t^2 + \frac{1}{2}t - \frac{1}{2} = 0$

$2t^2 + t - 1 = 0$

$(2t - 1)(t + 1) = 0$

$t = \frac{1}{2}, -1$ であり、2つの解を持つ。

解の一つが $t = 1$ のとき $f(1) = 0$ より $1 = 0$ となり不適。

$-1 < t < 1$ に解を持つ場合、解が一つであるには、頂点の $t$ 座標が範囲外である必要がある。

$t = \frac{a}{2}$ が $-1 < t < 1$ の範囲にないとき、$|\frac{a}{2}| \ge 1$ より $|a| \ge 2$

$a \le -2$ または $a \ge 2$

$f(-1) > 0$ かつ $f(1) < 0$ のとき解は $-1 < t < 1$ に1つ。

$f(-1) < 0$ かつ $f(1) > 0$ のとき解は $-1 < t < 1$ に1つ。

したがって、求める範囲は $a = 0$ または $a \le -\frac{1}{2}$

3. 最終的な答え

(1) $a = 0$

(2) $\cos2\theta = 2t^2 - 1$, $\theta = \frac{\pi}{3}, \pi$

(3) $a \le -\frac{1}{2}, a = 0$