円に内接する四角形ABCDにおいて、AB=5, AD=3, 角BAD=120°とし、対角線ACは円の中心Oを通る。対角線BDの長さ、三角形ACDの外接円の半径R、三角形BODの面積、四角形ABCDの面積をそれぞれ求める。

幾何学四角形余弦定理正弦定理面積
2025/7/8

1. 問題の内容

円に内接する四角形ABCDにおいて、AB=5, AD=3, 角BAD=120°とし、対角線ACは円の中心Oを通る。対角線BDの長さ、三角形ACDの外接円の半径R、三角形BODの面積、四角形ABCDの面積をそれぞれ求める。

2. 解き方の手順

(1) 対角線BDの長さを求める。三角形ABDにおいて余弦定理を用いる。
BD2=AB2+AD22ABADcos(120)BD^2 = AB^2 + AD^2 - 2 \cdot AB \cdot AD \cdot \cos(120^\circ)
BD2=52+32253(12)BD^2 = 5^2 + 3^2 - 2 \cdot 5 \cdot 3 \cdot (-\frac{1}{2})
BD2=25+9+15=49BD^2 = 25 + 9 + 15 = 49
BD=7BD = 7
(2) 円の中心を通るACは直径なので、角ADCは90度。
四角形ABCDは円に内接するので、角BCD = 180° - 角BAD = 180° - 120° = 60°。
三角形ACDは直角三角形なので、AC2=AD2+CD2AC^2 = AD^2 + CD^2
また、三角形BCDにおいて余弦定理を用いる。
BD2=BC2+CD22BCCDcos(60)BD^2 = BC^2 + CD^2 - 2 \cdot BC \cdot CD \cdot \cos(60^\circ)
49=BC2+CD2BCCD49 = BC^2 + CD^2 - BC \cdot CD
(3) 三角形ACDにおいて、sinの定理より、ADsinACD=2R\frac{AD}{\sin \angle ACD} = 2R
∠ACD = ∠ABD
三角形ABDにおいて、sinの定理より、BDsinBAD=7sin120=73/2=143=2R\frac{BD}{\sin \angle BAD} = \frac{7}{\sin 120^{\circ}} = \frac{7}{\sqrt{3}/2} = \frac{14}{\sqrt{3}} = 2R'
R'は三角形ABDの外接円の半径。
円Oの半径はAC/2
三角形ACDは直角三角形なので、ACは直径となる。
AC=AD2+CD2AC = \sqrt{AD^2 + CD^2}
円の半径をRとすると、ADC=90\angle ADC = 90^{\circ}なので、ACは直径となる。
AC=2RAC = 2R
ABC=180120=60\angle ABC = 180^{\circ} - 120^{\circ} = 60^{\circ}
ACB=90\angle ACB = 90^{\circ}なので、BAC=30\angle BAC = 30^{\circ}
三角形ABCに正弦定理を適用すると、
BCsin120=ABsin90=ACsin60\frac{BC}{\sin 120^{\circ}} = \frac{AB}{\sin 90^{\circ}} = \frac{AC}{\sin 60^{\circ}}
AC=ABsin60sin90=532=532AC = \frac{AB \cdot \sin 60^{\circ}}{\sin 90^{\circ}} = 5 \cdot \frac{\sqrt{3}}{2} = \frac{5\sqrt{3}}{2}
したがって、半径RはAC/2=534AC/2 = \frac{5\sqrt{3}}{4}
R=534R = \frac{5\sqrt{3}}{4}
(4) 三角形BODの面積を求める。
∠BOD = 2∠BAD = 2*60° = 120°
OB = OD = 534\frac{5\sqrt{3}}{4}
三角形BODの面積は 12(534)2sin120=122531632=75364\frac{1}{2} \cdot (\frac{5\sqrt{3}}{4})^2 \cdot \sin 120^\circ = \frac{1}{2} \cdot \frac{25 \cdot 3}{16} \cdot \frac{\sqrt{3}}{2} = \frac{75\sqrt{3}}{64}
(5) 四角形ABCDの面積を求める。
四角形ABCDの面積 = 三角形ABD + 三角形BCD
三角形ABDの面積 = 12ABADsin120=125332=1534\frac{1}{2} \cdot AB \cdot AD \cdot \sin 120^\circ = \frac{1}{2} \cdot 5 \cdot 3 \cdot \frac{\sqrt{3}}{2} = \frac{15\sqrt{3}}{4}
三角形BCDの面積 = 12BCCDsin60\frac{1}{2} \cdot BC \cdot CD \cdot \sin 60^\circ
BC=ABsin(ADC)/sin(BDC)=ABsin(90)/sin(ADB)=5sin(ADB)BC = AB \cdot \sin(ADC)/ \sin(BDC)= AB \cdot \sin(90)/ sin(ADB)= \frac{5}{ sin(ADB)}
ADB=ACB\angle ADB = \angle ACB
2R=AC=5322R=AC = \frac{5\sqrt{3}}{2}CD=ACsin30=53/21/2=534CD = AC \sin 30^{\circ} = 5\sqrt{3}/2 * 1/2= \frac{5\sqrt{3}}{4}
AD=3AD=3であるから、BC=ACsin60=53232=154BC = AC sin60 =5 \frac{\sqrt{3}}{2} \cdot \frac{\sqrt{3}}{2}= \frac{15}{4}
三角形BCDの面積=12BCCDsin60=1215453432=22564三角形BCDの面積 = \frac{1}{2} BC CD sin60 = \frac{1}{2} \cdot \frac{15}{4} \cdot \frac{5\sqrt{3}}{4} \cdot \frac{\sqrt{3}}{2} =\frac{225}{64}
四角形ABCDの面積 = 1534+22564\frac{15\sqrt{3}}{4} +\frac{225}{64}

3. 最終的な答え

ア: 7
イ: 534\frac{5\sqrt{3}}{4}
ウ: 75364\frac{75\sqrt{3}}{64}
エ: 1534+22564\frac{15\sqrt{3}}{4} +\frac{225}{64}

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