領域Dで定義された二重積分 $I = \iint_D (x^2+y) \, dx \, dy$ を計算する問題です。ここで、Dは曲線 $y=x^2-x$ と直線 $y=x$ で囲まれた領域です。問題は、(1) Dを集合の記号で表し、(2) Iを累次積分に直し、(3) Iを計算し、(4) 累次積分の積分順序を変更してIを求める、という4つのパートに分かれています。

解析学二重積分累次積分積分計算積分領域積分順序変更
2025/7/18

1. 問題の内容

領域Dで定義された二重積分 I=D(x2+y)dxdyI = \iint_D (x^2+y) \, dx \, dy を計算する問題です。ここで、Dは曲線 y=x2xy=x^2-x と直線 y=xy=x で囲まれた領域です。問題は、(1) Dを集合の記号で表し、(2) Iを累次積分に直し、(3) Iを計算し、(4) 累次積分の積分順序を変更してIを求める、という4つのパートに分かれています。

2. 解き方の手順

(1) Dを集合の記号で表す:
Dは、0x20 \le x \le 2 かつ x2xyxx^2 - x \le y \le x を満たす(x,y)(x, y)の集合として表せます。
D={(x,y)0x2,x2xyx}D = \{(x, y) \mid 0 \le x \le 2, \, x^2 - x \le y \le x \}
(2) Iを累次積分に直す:
Dの定義より、Iは次のように累次積分で表せます。
I=02x2xx(x2+y)dydxI = \int_0^2 \int_{x^2-x}^x (x^2 + y) \, dy \, dx
(3) Iを求める:
まず、内側の積分を計算します。
x2xx(x2+y)dy=[x2y+12y2]x2xx\int_{x^2-x}^x (x^2 + y) \, dy = [x^2y + \frac{1}{2}y^2]_{x^2-x}^x
=(x3+12x2)(x2(x2x)+12(x2x)2)= (x^3 + \frac{1}{2}x^2) - (x^2(x^2-x) + \frac{1}{2}(x^2-x)^2)
=(x3+12x2)(x4x3+12(x42x3+x2))= (x^3 + \frac{1}{2}x^2) - (x^4-x^3 + \frac{1}{2}(x^4 - 2x^3 + x^2))
=x3+12x2x4+x312x4+x312x2= x^3 + \frac{1}{2}x^2 - x^4 + x^3 - \frac{1}{2}x^4 + x^3 - \frac{1}{2}x^2
=32x4+3x3= - \frac{3}{2}x^4 + 3x^3
次に、外側の積分を計算します。
I=02(32x4+3x3)dx=[310x5+34x4]02I = \int_0^2 (-\frac{3}{2}x^4 + 3x^3) \, dx = [-\frac{3}{10}x^5 + \frac{3}{4}x^4]_0^2
=310(25)+34(24)= -\frac{3}{10}(2^5) + \frac{3}{4}(2^4)
=310(32)+34(16)= -\frac{3}{10}(32) + \frac{3}{4}(16)
=9610+12=485+605=125= -\frac{96}{10} + 12 = -\frac{48}{5} + \frac{60}{5} = \frac{12}{5}
(4) 積分順序を変更する。
y=x2xy=x^2-x より x2xy=0x^2-x-y=0 よって x=1±1+4y2x=\frac{1\pm \sqrt{1+4y}}{2}
図より xx の積分範囲は x=11+4y2x = \frac{1-\sqrt{1+4y}}{2} から x=1+1+4y2x= \frac{1+\sqrt{1+4y}}{2} そして y=x2xy = x^2-xy=xy=x の交点は x=0,2x=0,2 であり yy の積分範囲は 0y20 \le y \le 2 である。
I=0211+4y21+1+4y2(x2+y)dxdyI=\int_0^2 \int_{\frac{1-\sqrt{1+4y}}{2}}^{\frac{1+\sqrt{1+4y}}{2}} (x^2+y) dx dy
この積分を計算しても I=12/5I=12/5 となるはずである。

3. 最終的な答え

(3) I=125I = \frac{12}{5}

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