摩擦係数 $w(x,y) = 1 + \alpha y$ が与えられているとき、曲線 $C$ に沿って物体を移動させたときの発生熱量を線積分 $\int_C w(x,y) ds$ によって計算する問題です。ここで、$\alpha$ は定数です。 (1) 曲線 $C$ が原点 $O(0,0)$ から点 $P_1(0,1)$ に至る経路の場合 (2) 曲線 $C$ が原点 $O(0,0)$ から点 $P_2(2,2)$ を通り点 $P_1(0,1)$ に至る経路の場合 について、それぞれ上記積分を計算します。

解析学線積分パラメータ表示曲線積分
2025/7/22

1. 問題の内容

摩擦係数 w(x,y)=1+αyw(x,y) = 1 + \alpha y が与えられているとき、曲線 CC に沿って物体を移動させたときの発生熱量を線積分 Cw(x,y)ds\int_C w(x,y) ds によって計算する問題です。ここで、α\alpha は定数です。
(1) 曲線 CC が原点 O(0,0)O(0,0) から点 P1(0,1)P_1(0,1) に至る経路の場合
(2) 曲線 CC が原点 O(0,0)O(0,0) から点 P2(2,2)P_2(2,2) を通り点 P1(0,1)P_1(0,1) に至る経路の場合
について、それぞれ上記積分を計算します。

2. 解き方の手順

(1) 曲線 CC が原点 O(0,0)O(0,0) から点 P1(0,1)P_1(0,1) に至る経路の場合:
この経路は x=0x=0 上の線分なので、パラメータ表示は x(t)=0,y(t)=t,0t1x(t) = 0, y(t) = t, 0 \le t \le 1 となります。
よって、dx/dt=0,dy/dt=1dx/dt = 0, dy/dt = 1 であり、ds=(dx/dt)2+(dy/dt)2dt=dtds = \sqrt{(dx/dt)^2 + (dy/dt)^2} dt = dt となります。
したがって、
Cw(x,y)ds=01(1+αt)dt=[t+12αt2]01=1+12α\int_C w(x,y) ds = \int_0^1 (1 + \alpha t) dt = [t + \frac{1}{2}\alpha t^2]_0^1 = 1 + \frac{1}{2}\alpha
(2) 曲線 CC が原点 O(0,0)O(0,0) から点 P2(2,2)P_2(2,2) を通り点 P1(0,1)P_1(0,1) に至る経路の場合:
この経路は2つの線分からなります。
最初の線分は原点 O(0,0)O(0,0) から点 P2(2,2)P_2(2,2) に至る線分で、パラメータ表示は x(t)=t,y(t)=t,0t2x(t) = t, y(t) = t, 0 \le t \le 2 となります。
dx/dt=1,dy/dt=1dx/dt = 1, dy/dt = 1 であり、ds=(dx/dt)2+(dy/dt)2dt=2dtds = \sqrt{(dx/dt)^2 + (dy/dt)^2} dt = \sqrt{2} dt となります。
したがって、この線分における積分は
C1w(x,y)ds=02(1+αt)2dt=2[t+12αt2]02=2(2+2α)=22(1+α)\int_{C_1} w(x,y) ds = \int_0^2 (1 + \alpha t) \sqrt{2} dt = \sqrt{2} [t + \frac{1}{2}\alpha t^2]_0^2 = \sqrt{2} (2 + 2\alpha) = 2\sqrt{2}(1+\alpha)
次の線分は点 P2(2,2)P_2(2,2) から点 P1(0,1)P_1(0,1) に至る線分です。パラメータ表示は x(t)=22t,y(t)=2t,0t1x(t) = 2-2t, y(t) = 2-t, 0 \le t \le 1 となります。
dx/dt=2,dy/dt=1dx/dt = -2, dy/dt = -1 であり、ds=(dx/dt)2+(dy/dt)2dt=5dtds = \sqrt{(dx/dt)^2 + (dy/dt)^2} dt = \sqrt{5} dt となります。
したがって、この線分における積分は
C2w(x,y)ds=01(1+α(2t))5dt=5[t+α(2t12t2)]01=5(1+α(212))=5(1+32α)\int_{C_2} w(x,y) ds = \int_0^1 (1 + \alpha (2-t)) \sqrt{5} dt = \sqrt{5} [t + \alpha(2t - \frac{1}{2}t^2)]_0^1 = \sqrt{5}(1 + \alpha(2 - \frac{1}{2})) = \sqrt{5}(1 + \frac{3}{2}\alpha)
したがって、全体の積分は
Cw(x,y)ds=C1w(x,y)ds+C2w(x,y)ds=22(1+α)+5(1+32α)=22+5+(22+325)α\int_C w(x,y) ds = \int_{C_1} w(x,y) ds + \int_{C_2} w(x,y) ds = 2\sqrt{2}(1+\alpha) + \sqrt{5}(1 + \frac{3}{2}\alpha) = 2\sqrt{2} + \sqrt{5} + (2\sqrt{2} + \frac{3}{2}\sqrt{5})\alpha

3. 最終的な答え

(1) 1+12α1 + \frac{1}{2}\alpha
(2) 22+5+(22+325)α2\sqrt{2} + \sqrt{5} + (2\sqrt{2} + \frac{3}{2}\sqrt{5})\alpha

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