(1) 行列 A=(42−5−3) について: まず、固有方程式 ∣A−λI∣=0 を解いて固有値 λ を求めます。ここで、I は単位行列です。 4−λ2−5−3−λ=(4−λ)(−3−λ)−(−5)(2)=−12−4λ+3λ+λ2+10=λ2−λ−2=(λ−2)(λ+1)=0 よって、固有値は λ1=2 と λ2=−1 です。 次に、それぞれの固有値に対する固有ベクトルを求めます。
- λ1=2 のとき: (A−λ1I)v1=0 を満たすベクトル v1=(xy) を求めます。 (4−22−5−3−2)(xy)=(22−5−5)(xy)=(00) 2x−5y=0 より、x=25y。 y=2 とすると、x=5。 したがって、v1=(52) は固有ベクトルです。 - λ2=−1 のとき: (A−λ2I)v2=0 を満たすベクトル v2=(xy) を求めます。 (4−(−1)2−5−3−(−1))(xy)=(52−5−2)(xy)=(00) 5x−5y=0 より、x=y。 x=1 とすると、y=1。 したがって、v2=(11) は固有ベクトルです。 (2) 行列 B=(122−2) について: まず、固有方程式 ∣B−λI∣=0 を解いて固有値 λ を求めます。 1−λ22−2−λ=(1−λ)(−2−λ)−(2)(2)=−2−λ+2λ+λ2−4=λ2+λ−6=(λ+3)(λ−2)=0 よって、固有値は λ1=2 と λ2=−3 です。 次に、それぞれの固有値に対する固有ベクトルを求めます。
- λ1=2 のとき: (B−λ1I)v1=0 を満たすベクトル v1=(xy) を求めます。 (1−222−2−2)(xy)=(−122−4)(xy)=(00) −x+2y=0 より、x=2y。 y=1 とすると、x=2。 したがって、v1=(21) は固有ベクトルです。 - λ2=−3 のとき: (B−λ2I)v2=0 を満たすベクトル v2=(xy) を求めます。 (1−(−3)22−2−(−3))(xy)=(4221)(xy)=(00) 4x+2y=0 より、2x=−y。 x=1 とすると、y=−2。 したがって、v2=(1−2) は固有ベクトルです。 (3) 行列 C=(cosθsinθ−sinθcosθ) について: まず、固有方程式 ∣C−λI∣=0 を解いて固有値 λ を求めます。 cosθ−λsinθ−sinθcosθ−λ=(cosθ−λ)2−(−sinθ)(sinθ)=(cosθ−λ)2+sin2θ=cos2θ−2λcosθ+λ2+sin2θ=λ2−2λcosθ+1=0 λ=22cosθ±(2cosθ)2−4=cosθ±cos2θ−1=cosθ±−sin2θ=cosθ±isinθ したがって、固有値は λ1=cosθ+isinθ と λ2=cosθ−isinθ です。 実数値の固有値を持つための条件は、sinθ=0 であること、すなわち θ=nπ (n は整数) である必要があります。 このとき、λ1=λ2=cosθ=±1 です。 - λ=1 (すなわち θ=2nπ) のとき: (cosθ−1sinθ−sinθcosθ−1)(xy)=(0000)(xy)=(00) この場合、x と y は任意の値を取ることができ、固有ベクトルは (10) と (01) のような線形独立なベクトルで表されます。 - λ=−1 (すなわち θ=(2n+1)π) のとき: (cosθ−(−1)sinθ−sinθcosθ−(−1))(xy)=(−1+100−1+1)(xy)=(−200−2)(xy)=(00) この場合も、x と y は任意の値を取ることができ、固有ベクトルは (10) と (01) のような線形独立なベクトルで表されます。