(1) ある放物線を $x$ 軸方向に $-1$, $y$ 軸方向に $-3$ だけ平行移動し、さらに $x$ 軸に関して対称移動したところ、放物線 $y = x^2 - 2x + 2$ になった。もとの放物線の方程式を求めよ。 (2) $a < 0$ とする。関数 $y = ax^2 - 4ax + b$ ($1 \le x \le 5$) の最大値が $7$ で、最小値が $-2$ であるように、定数 $a$, $b$ の値を定めよ。 (3) 2次関数 $y = -2x^2 + 8x + 1$ ($0 \le x \le a$) が、$x = a$ で最大値をとるとき、定数 $a$ の値の範囲を求めよ。
2025/7/25
1. 問題の内容
(1) ある放物線を 軸方向に , 軸方向に だけ平行移動し、さらに 軸に関して対称移動したところ、放物線 になった。もとの放物線の方程式を求めよ。
(2) とする。関数 () の最大値が で、最小値が であるように、定数 , の値を定めよ。
(3) 2次関数 () が、 で最大値をとるとき、定数 の値の範囲を求めよ。
2. 解き方の手順
(1)
1. $x$軸に関して対称移動する前の放物線を求める。$x$軸に関して対称移動すると、$y$ が $-y$ に変わるので、移動前の放物線は $-y = x^2 - 2x + 2$ つまり、$y = -x^2 + 2x - 2$ である。
2. 平行移動する前の放物線を求める。$x$軸方向に $-1$, $y$軸方向に $-3$ 平行移動する前の放物線は、$x$ を $x+1$, $y$ を $y+3$ に置き換えることで得られる。したがって、$y+3 = -(x+1)^2 + 2(x+1) - 2$ を整理する。
(2)
1. $y = ax^2 - 4ax + b$ を平方完成する。
2. $a < 0$ より、放物線は上に凸である。よって、軸 $x=2$ で最大値をとり、定義域の両端のどちらかで最小値をとる。
3. 最大値は $7$ なので、$-4a + b = 7$
4. 定義域は $1 \le x \le 5$ であり、軸 $x=2$ から最も遠い点は $x=5$ である。したがって、$x=5$ で最小値 $-2$ をとる。$y = a(5-2)^2 - 4a + b = 9a - 4a + b = 5a + b = -2$
5. 連立方程式を解く。
2式を引き算すると、 より
より なので
(3)
1. $y = -2x^2 + 8x + 1$ を平方完成する。
2. 軸は $x = 2$
3. 放物線は上に凸なので、$x = a$ で最大値をとるには、$a$ が軸より大きいか等しい必要がある。つまり、$a \ge 2$
4. また、定義域の左端が $x=0$ なので、$0 \le x \le a$ の範囲において、$x=a$ で最大値をとるためには、$a$ は軸より右側になければならない。よって、$a \ge 2$.
は軸に関して対称なので、の場合、 において、 で最大値を取るためには、が必要。
5. したがって、$2 \le a \le 4$
3. 最終的な答え
(1)
(2) ,
(3)
軸は
0≤x≤aにおいて、x=aで最大値をとるのは、右図より放物線の軸がx=2であり、x=aが軸より右にある場合。
x=aで最大値をとる場合の図は、上に凸のグラフで軸がx=2で、定義域の右端x=aで最大値をとるグラフを描く。