一次反応で進行する可逆反応 $A \rightleftharpoons B$ について、以下の問いに答えます。 (1) 平衡定数を求めます。 (2) 正反応の速度定数 $k_1$ と逆反応の速度定数 $k_2$ を求めます。 (3) 反応開始後100分でのBの濃度を求めます。 (4) 触媒の有無による反応座標とポテンシャルエネルギーの関係を示す図を選びます。

応用数学化学反応速度論平衡定数速度定数一次反応微分方程式指数関数反応速度
2025/7/27

1. 問題の内容

一次反応で進行する可逆反応 ABA \rightleftharpoons B について、以下の問いに答えます。
(1) 平衡定数を求めます。
(2) 正反応の速度定数 k1k_1 と逆反応の速度定数 k2k_2 を求めます。
(3) 反応開始後100分でのBの濃度を求めます。
(4) 触媒の有無による反応座標とポテンシャルエネルギーの関係を示す図を選びます。

2. 解き方の手順

(1) 平衡定数
平衡状態では、AとBの濃度はそれぞれ50 mmol/Lである。平衡定数KKは、平衡状態における生成物の濃度を反応物の濃度で割ったものです。
K=[B][A]K = \frac{[B]}{[A]}
K=5050=1K = \frac{50}{50} = 1
(2) 速度定数
一次反応なので、Aの減少速度は v=k1[A]+k2[B]v = -k_1 [A] + k_2 [B]
平衡状態では、正反応の速度と逆反応の速度が等しくなるため、k1[A]=k2[B]k_1 [A] = k_2 [B]
平衡定数 K=k1k2=1K = \frac{k_1}{k_2} = 1 より、k1=k2k_1 = k_2
Aの濃度の時間変化は、d[A]dt=k1[A]+k2[B] \frac{d[A]}{dt} = -k_1[A] + k_2[B] と表される。初期条件 [A]0=100,[B]0=0[A]_0 = 100, [B]_0 = 0 を考慮すると、[B]=100[A][B] = 100-[A] となるので、
d[A]dt=k1[A]+k2(100[A])=k1[A]+k1(100[A])=k1(1002[A]) \frac{d[A]}{dt} = -k_1[A] + k_2(100-[A]) = -k_1[A] + k_1(100-[A]) = k_1(100 - 2[A])
d[A]1002[A]=k1dt \frac{d[A]}{100 - 2[A]} = k_1 dt
両辺を積分すると、
12ln1002[A]=k1t+C -\frac{1}{2} \ln|100 - 2[A]| = k_1 t + C
初期条件 t=0t = 0[A]=100[A] = 100 を代入すると、C=C = -\infty となり計算できない。
代わりに、[A](t)=[A]eq+([A]0[A]eq)e(k1+k2)t=50+(10050)e(k1+k2)t [A](t) = [A]_{eq} + ([A]_0 - [A]_{eq})e^{-(k_1+k_2)t} = 50 + (100-50) e^{-(k_1+k_2)t}
[A](t)=50+50e2k1t [A](t) = 50 + 50 e^{-2k_1t}
図から、Aの濃度が75 mmol/Lになるのは20分の時なので、[A](20)=75 [A](20) = 75 を代入すると、
75=50+50e2k1×20 75 = 50 + 50 e^{-2k_1 \times 20}
0.5=e40k1 0.5 = e^{-40k_1}
ln0.5=40k1 \ln 0.5 = -40k_1
ln2=40k1 -\ln 2 = -40k_1
k1=ln240=0.740=0.0175 k_1 = \frac{\ln 2}{40} = \frac{0.7}{40} = 0.0175
よって、k1=k2=0.0175 min1k_1 = k_2 = 0.0175 \ min^{-1}
(3) 反応開始後100分でのBの濃度
[A](100)=50+50e2×0.0175×100=50+50e3.5=50+50×0.0302=50+1.51=51.51 [A](100) = 50 + 50 e^{-2 \times 0.0175 \times 100} = 50 + 50 e^{-3.5} = 50 + 50 \times 0.0302 = 50 + 1.51 = 51.51
[B](100)=100[A](100)=10051.51=48.4948.5[B](100) = 100 - [A](100) = 100 - 51.51 = 48.49 \approx 48.5 mmol/L
(4) ポテンシャルエネルギー図
正反応が発熱反応であるため、生成物(B)のエネルギー準位は反応物(A)よりも低い。また、触媒が存在する場合、活性化エネルギーは小さくなる。グラフは実線が触媒存在下、破線が触媒非存在下を表す。したがって、3番のグラフが適切である。

3. 最終的な答え

(1) 平衡定数: 1
(2) 正反応の速度定数 k1k_1: 0.0175 min1min^{-1}、逆反応の速度定数 k2k_2: 0.0175 min1min^{-1}
(3) 反応開始後100分でのBの濃度: 48.5 mmol/L
(4) ポテンシャルエネルギー図: 3

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