箱の中に1のカードが3枚と2のカードが2枚入っている。この箱から2枚のカードを同時に取り出し、カードに書かれた2つの数の積を記録してから元に戻す試行を2回行う。1回目に記録した2つの数の積を $a$、2回目に記録した2つの数の積を $b$ とし、$X=a \times b$ とする。以下の確率を求めよ。 (1) $a=4$ となる確率、及び $a=1$ となる確率。 (2) $X=1$ となる確率、及び $X=2$ となる確率。 (3) $X \le 4$ となるとき、$a=2$ であった条件付き確率。

確率論・統計学確率条件付き確率組み合わせ期待値
2025/7/28

1. 問題の内容

箱の中に1のカードが3枚と2のカードが2枚入っている。この箱から2枚のカードを同時に取り出し、カードに書かれた2つの数の積を記録してから元に戻す試行を2回行う。1回目に記録した2つの数の積を aa、2回目に記録した2つの数の積を bb とし、X=a×bX=a \times b とする。以下の確率を求めよ。
(1) a=4a=4 となる確率、及び a=1a=1 となる確率。
(2) X=1X=1 となる確率、及び X=2X=2 となる確率。
(3) X4X \le 4 となるとき、a=2a=2 であった条件付き確率。

2. 解き方の手順

(1)
まず、カードの取り出し方の総数を計算する。5枚のカードから2枚を取り出すので、組み合わせの数は 5C2=5×42×1=10{}_5C_2 = \frac{5 \times 4}{2 \times 1} = 10 通り。
次に、a=4a=4 となる場合を考える。これは2枚とも2のカードを取り出す場合なので、2C2=1{}_2C_2 = 1 通り。
したがって、a=4a=4 となる確率は 110\frac{1}{10}
次に、a=1a=1 となる場合を考える。これは2枚とも1のカードを取り出す場合なので、3C2=3×22×1=3{}_3C_2 = \frac{3 \times 2}{2 \times 1} = 3 通り。
したがって、a=1a=1 となる確率は 310\frac{3}{10}
(2)
X=1X=1 となるのは、a=1a=1 かつ b=1b=1 のとき。
a=1a=1 となる確率は 310\frac{3}{10} であり、b=1b=1 となる確率も 310\frac{3}{10} であるから、X=1X=1 となる確率は 310×310=9100\frac{3}{10} \times \frac{3}{10} = \frac{9}{100}
X=2X=2 となるのは、a=1a=1 かつ b=2b=2、または a=2a=2 かつ b=1b=1 のとき。
a=1a=1 となる確率は 310\frac{3}{10}b=2b=2 となるのは、1のカードと2のカードを取り出す場合なので、その確率は 3C1×2C110=3×210=610\frac{{}_3C_1 \times {}_2C_1}{10} = \frac{3 \times 2}{10} = \frac{6}{10}
a=2a=2 となる確率は 610\frac{6}{10}b=1b=1 となる確率は 310\frac{3}{10}
したがって、X=2X=2 となる確率は (310×610)+(610×310)=18100+18100=36100=925(\frac{3}{10} \times \frac{6}{10}) + (\frac{6}{10} \times \frac{3}{10}) = \frac{18}{100} + \frac{18}{100} = \frac{36}{100} = \frac{9}{25}
(3)
X4X \le 4 となるのは、X=1,2,4X=1, 2, 4 のとき。
X=1X=1 となる確率は 9100\frac{9}{100}
X=2X=2 となる確率は 36100\frac{36}{100}
X=4X=4 となるのは、a=1,b=4a=1, b=4a=2,b=2a=2, b=2a=4,b=1a=4, b=1 のとき。
a=1a=1 のとき、b=4b=4となる確率は 110\frac{1}{10} なので、310×110=3100\frac{3}{10} \times \frac{1}{10} = \frac{3}{100}
a=2a=2 のとき、b=2b=2となる確率は 610×610=36100\frac{6}{10} \times \frac{6}{10} = \frac{36}{100}
a=4a=4 のとき、b=1b=1となる確率は 110×310=3100\frac{1}{10} \times \frac{3}{10} = \frac{3}{100}
X=4X=4 となる確率は、3100+36100+3100=42100\frac{3}{100} + \frac{36}{100} + \frac{3}{100} = \frac{42}{100}
X4X \le 4 となる確率は、9100+36100+42100=87100\frac{9}{100} + \frac{36}{100} + \frac{42}{100} = \frac{87}{100}
X4X \le 4 かつ a=2a=2 となるのは、a=2a=2 であり、X=1,2,4X=1,2,4のいずれかである場合を考えます。a=2a=2となる確率はP(a=2)=610P(a=2) = \frac{6}{10}
P(X4a=2)=P(X4a=2)P(a=2)P(X \le 4 | a=2) = \frac{P(X \le 4 \cap a=2)}{P(a=2)}. a=2a=2のとき、bbがとりうる値は1,2,41,2,4
b=1b=1 の確率 310\frac{3}{10}
b=2b=2 の確率 610\frac{6}{10}
b=4b=4 の確率 110\frac{1}{10}
a=2a=2でX=2の確率は、 P(a=2X=2)=610310=18100P(a=2 \cap X=2)=\frac{6}{10}*\frac{3}{10}=\frac{18}{100}
a=2a=2でX=4の確率は、 P(a=2X=4)=610610=36100P(a=2 \cap X=4)=\frac{6}{10}*\frac{6}{10}=\frac{36}{100}
P(X4a=2)=18100+36100=54100P(X \le 4 \cap a=2)=\frac{18}{100}+\frac{36}{100}= \frac{54}{100}
54/1006/10=5460=910\frac{54/100}{6/10} = \frac{54}{60}=\frac{9}{10}

3. 最終的な答え

(1) a=4a=4 となる確率: 110\frac{1}{10}
a=1a=1 となる確率: 310\frac{3}{10}
(2) X=1X=1 となる確率: 9100\frac{9}{100}
X=2X=2 となる確率: 925\frac{9}{25}
(3) X4X \le 4 となるとき、a=2a=2 であった条件付き確率: 910\frac{9}{10}

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