数列の第 $n$ 項が与えられたとき、その数列が上に有界、下に有界、または有界のいずれであるかを答える問題です。数列は次の4つです。 (1) $1-2n$ (2) $\frac{(-1)^n}{n}$ (3) $\frac{n}{n+1}$ (4) $\frac{n^2}{n+1}$

解析学数列有界性極限
2025/7/30

1. 問題の内容

数列の第 nn 項が与えられたとき、その数列が上に有界、下に有界、または有界のいずれであるかを答える問題です。数列は次の4つです。
(1) 12n1-2n
(2) (1)nn\frac{(-1)^n}{n}
(3) nn+1\frac{n}{n+1}
(4) n2n+1\frac{n^2}{n+1}

2. 解き方の手順

(1) an=12na_n = 1-2n の場合
nn が大きくなるにつれて、ana_n は負の方向に限りなく小さくなるので、下に有界ではありません。
また、n=1n=1 のとき a1=12(1)=1a_1 = 1-2(1) = -1 であり、n=2n=2 のとき a2=12(2)=3a_2 = 1-2(2) = -3 です。
ana_n は単調減少なので、上に有界ではありません。したがって、有界ではありません。
(2) an=(1)nna_n = \frac{(-1)^n}{n} の場合
nn が大きくなるにつれて、ana_n は 0 に近づきます。nn が偶数のとき ana_n は正の値、奇数のとき ana_n は負の値をとります。
n=1n=1 のとき a1=11=1a_1 = \frac{-1}{1} = -1
n=2n=2 のとき a2=12=0.5a_2 = \frac{1}{2} = 0.5
n=3n=3 のとき a3=130.33a_3 = \frac{-1}{3} \approx -0.33
n=4n=4 のとき a4=14=0.25a_4 = \frac{1}{4} = 0.25
上に有界であることは、anMa_n \leq M を満たす MM が存在することです。
下に有界であることは、anma_n \geq m を満たす mm が存在することです。
ana_n1an0.5-1 \leq a_n \leq 0.5 なので、上に有界かつ下に有界であり、有界です。
(3) an=nn+1a_n = \frac{n}{n+1} の場合
an=nn+1=n+11n+1=11n+1a_n = \frac{n}{n+1} = \frac{n+1-1}{n+1} = 1-\frac{1}{n+1}
nn が大きくなるにつれて、ana_n は 1 に近づきます。
n=1n=1 のとき a1=12=0.5a_1 = \frac{1}{2} = 0.5
n=2n=2 のとき a2=230.67a_2 = \frac{2}{3} \approx 0.67
ana_n は単調増加なので、ana1=12a_n \geq a_1 = \frac{1}{2} です。したがって、下に有界です。
また、an<1a_n < 1 なので、上に有界でもあります。したがって、有界です。
(4) an=n2n+1a_n = \frac{n^2}{n+1} の場合
an=n2n+1=n21+1n+1=(n+1)(n1)+1n+1=n1+1n+1a_n = \frac{n^2}{n+1} = \frac{n^2-1+1}{n+1} = \frac{(n+1)(n-1)+1}{n+1} = n-1+\frac{1}{n+1}
nn が大きくなるにつれて、ana_n も大きくなるので、上に有界ではありません。
n=1n=1 のとき a1=12=0.5a_1 = \frac{1}{2} = 0.5
n=2n=2 のとき a2=431.33a_2 = \frac{4}{3} \approx 1.33
ana_n は単調増加なので、ana1=12a_n \geq a_1 = \frac{1}{2} です。したがって、下に有界です。

3. 最終的な答え

(1) 下に有界ではない、上に有界ではない、有界ではない
(2) 上に有界、下に有界、有界
(3) 上に有界、下に有界、有界
(4) 下に有界、上に有界ではない、有界ではない