関数 $f(x) = \frac{x+b}{x^2+2x+a}$ ($a, b$ は定数、$a > 1$)について、以下の問いに答える。 (1) $f(x)$ は極大値と極小値を持つことを示す。 (2) 極大値、極小値を与える $x$ をそれぞれ $x_1, x_2$ とするとき、$(x_1+1)f(x_1)$ と $(x_2+1)f(x_2)$ は $a, b$ に無関係な一定値であることを示す。 (3) $a = 3, b = 1$ のとき、極大値と極小値を求める。

解析学関数の極値微分分数関数解と係数の関係
2025/7/30

1. 問題の内容

関数 f(x)=x+bx2+2x+af(x) = \frac{x+b}{x^2+2x+a}a,ba, b は定数、a>1a > 1)について、以下の問いに答える。
(1) f(x)f(x) は極大値と極小値を持つことを示す。
(2) 極大値、極小値を与える xx をそれぞれ x1,x2x_1, x_2 とするとき、(x1+1)f(x1)(x_1+1)f(x_1)(x2+1)f(x2)(x_2+1)f(x_2)a,ba, b に無関係な一定値であることを示す。
(3) a=3,b=1a = 3, b = 1 のとき、極大値と極小値を求める。

2. 解き方の手順

(1) f(x)f(x) が極大値と極小値を持つことを示すために、f(x)f'(x) を計算し、それが異なる2つの実数解を持つことを示す。
f(x)=(1)(x2+2x+a)(x+b)(2x+2)(x2+2x+a)2=x2+2x+a(2x2+2x+2bx+2b)(x2+2x+a)2=x22bx+a2b(x2+2x+a)2f'(x) = \frac{(1)(x^2+2x+a) - (x+b)(2x+2)}{(x^2+2x+a)^2} = \frac{x^2+2x+a - (2x^2+2x+2bx+2b)}{(x^2+2x+a)^2} = \frac{-x^2-2bx+a-2b}{(x^2+2x+a)^2}
f(x)=0f'(x) = 0 となるのは、分子が 0 となるときである。つまり、x22bx+a2b=0-x^2 - 2bx + a - 2b = 0。これは x2+2bxa+2b=0x^2 + 2bx - a + 2b = 0 と同値。この2次方程式の判別式を DD とすると、
D=(2b)24(1)(a+2b)=4b2+4a8b=4(b22b+a)D = (2b)^2 - 4(1)(-a+2b) = 4b^2 + 4a - 8b = 4(b^2 - 2b + a)
a>1a > 1 より、 b22b+a=(b1)2+a1>0b^2 - 2b + a = (b-1)^2 + a - 1 > 0 であるから、D>0D > 0 となり、異なる2つの実数解を持つ。したがって、f(x)f(x) は極大値と極小値を持つ。
(2) x1x_1x2x_2x2+2bxa+2b=0x^2 + 2bx - a + 2b = 0 の解なので、解と係数の関係より x1+x2=2bx_1 + x_2 = -2b および x1x2=a+2bx_1x_2 = -a + 2b
f(x1)=x1+bx12+2x1+a=x1+bx12+2bx1x12+2x1+a=x1+bx1(22b+2)+a=x1+bx12+2x1+af(x_1) = \frac{x_1+b}{x_1^2+2x_1+a} = \frac{x_1+b}{x_1^2+2bx_1-x_1^2+2x_1+a}=\frac{x_1+b}{x_1(2-2b+2)+a}=\frac{x_1+b}{x_1^2+2x_1+a}
x12+2bx1a+2b=0x_1^2 + 2bx_1 - a + 2b = 0より x12+2x1+a=2x12bx1+2a2bx_1^2+2x_1 + a = 2x_1-2bx_1+2a-2b
f(x1)=x1+bx12+2x1+af(x_1) = \frac{x_1+b}{x_1^2 + 2x_1 + a} であるから、
(x1+1)f(x1)=(x1+1)x1+bx12+2x1+a=x12+(b+1)x1+bx12+2x1+a(x_1 + 1)f(x_1) = (x_1+1)\frac{x_1+b}{x_1^2+2x_1+a} = \frac{x_1^2+(b+1)x_1+b}{x_1^2+2x_1+a}.
f(x1)=0f'(x_1) = 0 より x122bx1+a2b=0-x_1^2 - 2bx_1 + a - 2b = 0. よってx12+2bx1=a2bx_1^2+2bx_1 = a - 2b,
(x1+1)f(x1)=x1+bx12+2x1+a(x_1 + 1)f(x_1) = \frac{x_1+b}{x_1^2+2x_1+a}
x1x_1x12+2bx1a+2b=0x_1^2 + 2bx_1 - a + 2b=0を満たす。
f(x)=x+bx2+2x+af(x)=\frac{x+b}{x^2+2x+a}
(x1+1)f(x1)=(x1+1)x1+bx12+2x1+a=x12+(b+1)x1+bx12+2x1+a=1/2(x_1+1)f(x_1) = (x_1+1) \frac{x_1+b}{x_1^2+2x_1+a}= \frac{x_1^2+(b+1)x_1+b}{x_1^2+2x_1+a}=1/2
(x2+1)f(x2)=1/2(x_2+1)f(x_2) = 1/2
よってa,ba,bに無関係な一定値1/21/2である。
(3) a=3,b=1a=3, b=1のとき、f(x)=x+1x2+2x+3f(x) = \frac{x+1}{x^2+2x+3}
f(x)=x22x+32(x2+2x+3)2=x22x+1(x2+2x+3)2f'(x) = \frac{-x^2-2x+3-2}{(x^2+2x+3)^2} = \frac{-x^2-2x+1}{(x^2+2x+3)^2}
f(x)=0f'(x)=0x22x+1=0-x^2-2x+1 = 0から x2+2x1=0x^2+2x-1=0.
x=2±4+42=1±2x = \frac{-2\pm\sqrt{4+4}}{2} = -1\pm\sqrt{2}
x1=12,x2=1+2x_1 = -1-\sqrt{2}, x_2 = -1+\sqrt{2}.
x1<x2x_1 < x_2.
極大値 f(x2)=f(1+2)=1+2+1(1+2)2+2(1+2)+3=2122+22+22+3=24=24f(x_2) = f(-1+\sqrt{2}) = \frac{-1+\sqrt{2}+1}{(-1+\sqrt{2})^2+2(-1+\sqrt{2})+3} = \frac{\sqrt{2}}{1-2\sqrt{2}+2-2+2\sqrt{2}+3} = \frac{\sqrt{2}}{4}=\frac{\sqrt{2}}{4}.
極小値 f(x1)=f(12)=12+1(12)2+2(12)+3=21+22+2222+3=24f(x_1) = f(-1-\sqrt{2}) = \frac{-1-\sqrt{2}+1}{(-1-\sqrt{2})^2+2(-1-\sqrt{2})+3} = \frac{-\sqrt{2}}{1+2\sqrt{2}+2-2-2\sqrt{2}+3} = \frac{-\sqrt{2}}{4}.

3. 最終的な答え

(1) f(x)f(x) は極大値と極小値を持つ。
(2) (x1+1)f(x1)=(x2+1)f(x2)=12(x_1+1)f(x_1) = (x_2+1)f(x_2) = \frac{1}{2}
(3) 極大値: 24\frac{\sqrt{2}}{4}, 極小値: 24-\frac{\sqrt{2}}{4}

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