集合 $A$ の要素の個数を $n(A)$ で表すとき、以下の2つの式を証明します。 (1) $n(A \cup B) = n(A) + n(B) - n(A \cap B)$ (2) $n(A \cup B \cup C) = n(A) + n(B) + n(C) - n(A \cap B) - n(B \cap C) - n(C \cap A) + n(A \cap B \cap C)$

離散数学集合要素数包含と排除の原理
2025/8/4

1. 問題の内容

集合 AA の要素の個数を n(A)n(A) で表すとき、以下の2つの式を証明します。
(1) n(AB)=n(A)+n(B)n(AB)n(A \cup B) = n(A) + n(B) - n(A \cap B)
(2) n(ABC)=n(A)+n(B)+n(C)n(AB)n(BC)n(CA)+n(ABC)n(A \cup B \cup C) = n(A) + n(B) + n(C) - n(A \cap B) - n(B \cap C) - n(C \cap A) + n(A \cap B \cap C)

2. 解き方の手順

(1) について
ABA \cup B の要素の個数を数えるとき、まず n(A)n(A)n(B)n(B) を足し合わせます。しかし、ABA \cap B の要素は n(A)n(A)n(B)n(B) の両方に含まれているため、2回数えられてしまいます。したがって、n(AB)n(A \cap B) を引くことで、重複を解消する必要があります。よって、
n(AB)=n(A)+n(B)n(AB)n(A \cup B) = n(A) + n(B) - n(A \cap B)
が成り立ちます。
(2) について
ABCA \cup B \cup C の要素の個数を数えるとき、まず n(A)n(A), n(B)n(B), n(C)n(C) を足し合わせます。しかし、ABA \cap B, BCB \cap C, CAC \cap A の要素はそれぞれ2回数えられてしまうため、これらの要素の個数を引きます。つまり、
n(A)+n(B)+n(C)n(AB)n(BC)n(CA)n(A) + n(B) + n(C) - n(A \cap B) - n(B \cap C) - n(C \cap A)
を計算します。
このとき、ABCA \cap B \cap C の要素は、n(A)n(A), n(B)n(B), n(C)n(C) で3回数えられ、n(AB)n(A \cap B), n(BC)n(B \cap C), n(CA)n(C \cap A) で3回引かれるため、結果的に1度も数えられていません。したがって、n(ABC)n(A \cap B \cap C) を足し合わせることで、正確な要素の個数が得られます。よって、
n(ABC)=n(A)+n(B)+n(C)n(AB)n(BC)n(CA)+n(ABC)n(A \cup B \cup C) = n(A) + n(B) + n(C) - n(A \cap B) - n(B \cap C) - n(C \cap A) + n(A \cap B \cap C)
が成り立ちます。

3. 最終的な答え

(1) n(AB)=n(A)+n(B)n(AB)n(A \cup B) = n(A) + n(B) - n(A \cap B)
(2) n(ABC)=n(A)+n(B)+n(C)n(AB)n(BC)n(CA)+n(ABC)n(A \cup B \cup C) = n(A) + n(B) + n(C) - n(A \cap B) - n(B \cap C) - n(C \cap A) + n(A \cap B \cap C)

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