半径 $r$ の円柱を、底面の直径 $AB$ を通り、底面と $\frac{\pi}{3}$ の角をなす平面で切るとき、底面と平面の間の部分の体積 $V$ を求める問題です。ただし、円柱の高さは $r$ よりも十分に大きいものとします。

解析学体積積分二重積分極座標変換円柱
2025/8/5

1. 問題の内容

半径 rr の円柱を、底面の直径 ABAB を通り、底面と π3\frac{\pi}{3} の角をなす平面で切るとき、底面と平面の間の部分の体積 VV を求める問題です。ただし、円柱の高さは rr よりも十分に大きいものとします。

2. 解き方の手順

体積 VV を求めるために、積分を用います。底面を xyxy 平面とし、ABABxx 軸上にあるとします。平面は z=ytan(π3)=3yz = y \tan(\frac{\pi}{3}) = \sqrt{3}y で表されます。体積 VV は以下の二重積分で計算できます。
V=Dzdxdy=D3ydxdyV = \iint_D z \, dxdy = \iint_D \sqrt{3}y \, dxdy
ここで、DD は底面の半円 x2+y2r2,y0x^2 + y^2 \le r^2, y \ge 0 です。
積分を計算するために、極座標変換 x=ρcosθx = \rho \cos \theta, y=ρsinθy = \rho \sin \theta を行います。このとき、ヤコビアンは ρ\rho であり、0ρr0 \le \rho \le r, 0θπ0 \le \theta \le \pi です。
したがって、積分は以下のようになります。
V=0π0r3(ρsinθ)ρdρdθ=30πsinθdθ0rρ2dρV = \int_0^\pi \int_0^r \sqrt{3} (\rho \sin \theta) \rho \, d\rho d\theta = \sqrt{3} \int_0^\pi \sin \theta d\theta \int_0^r \rho^2 d\rho
それぞれの積分を計算します。
0πsinθdθ=[cosθ]0π=cosπ+cos0=(1)+1=2\int_0^\pi \sin \theta d\theta = [-\cos \theta]_0^\pi = -\cos \pi + \cos 0 = -(-1) + 1 = 2
0rρ2dρ=[ρ33]0r=r33\int_0^r \rho^2 d\rho = \left[\frac{\rho^3}{3}\right]_0^r = \frac{r^3}{3}
したがって、体積 VV
V=32r33=23r33V = \sqrt{3} \cdot 2 \cdot \frac{r^3}{3} = \frac{2\sqrt{3}r^3}{3}

3. 最終的な答え

V=23r33V = \frac{2\sqrt{3}r^3}{3}

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