実数 $m$ に対して、2直線 $l_1: mx + y = m + 1$ と $l_2: x - my = 2m - 3$ が与えられている。 (1) $l_1$ と $l_2$ が垂直であることを示す。 (2) 直線 $l_1$ は $m$ の値によらないある1点を必ず通る。その点の座標を求める。 (3) $m$ が正の実数全体を動くときの $l_1$ と $l_2$ の交点の軌跡を求め、図示する。
2025/8/17
## 問題10
1. 問題の内容
実数 に対して、2直線 と が与えられている。
(1) と が垂直であることを示す。
(2) 直線 は の値によらないある1点を必ず通る。その点の座標を求める。
(3) が正の実数全体を動くときの と の交点の軌跡を求め、図示する。
2. 解き方の手順
(1) 2直線が垂直であることの証明
2直線 と の傾きをそれぞれ求めます。
は と変形できるので、 の傾きは です。
は と変形できます。 のとき なので、 の傾きは です。
のとき、 は (傾き0)、は (傾きなし)となり、垂直です。
2直線が垂直である条件は、それらの傾きの積が であることです。
傾きの積は となり、 と は垂直であることが示されました。
(2) 直線 が必ず通る点の座標
の式 を について整理すると、
となります。
この式が任意の について成り立つためには、
かつ である必要があります。
したがって、 かつ となり、直線 は常に点 を通ります。
(3) と の交点の軌跡
より、 ()
これを に代入すると、
これは中心 , 半径 の円を表します。
ただし、 なので、この円上の点 は除きます。
が正の実数全体を動くとき,。
軌跡の図示:
中心 , 半径 の円を描き、に対応する点を削除します。 である条件から、軌跡となる円弧の範囲を絞る必要があります。
3. 最終的な答え
(1) と は垂直である。(証明済み)
(2) 直線 は点 を必ず通る。
(3) 交点の軌跡は、中心 , 半径 の円 ただし、円上の点 を除く。また, の条件から、軌跡は円の一部となる。