振幅が同じだが角振動数が異なる2つの調和振動 $x_1 = A \cos(\omega_1 t)$ と $x_2 = A \cos(\omega_2 t)$ を考える。 (a) 2つの振動の合成を示せ。 (b) $\omega_1$ と $\omega_2$ が近い値のとき、その合成振動が $(\omega_1 + \omega_2)/2$ を角振動数とする調和振動の振幅が、$(\omega_1 - \omega_2)/2$ の角振動数でゆっくりと変調された形になっていることを論じよ。 (c) $\omega_1 = 10\pi$, $\omega_2 = 8\pi$ のときの合成振動の様子を図示せよ。
2025/4/11
1. 問題の内容
振幅が同じだが角振動数が異なる2つの調和振動 と を考える。
(a) 2つの振動の合成を示せ。
(b) と が近い値のとき、その合成振動が を角振動数とする調和振動の振幅が、 の角振動数でゆっくりと変調された形になっていることを論じよ。
(c) , のときの合成振動の様子を図示せよ。
2. 解き方の手順
(a) 2つの振動の合成を求める。
三角関数の和積公式 を用いると、
(b) と が近いとき、 となる。
したがって、
において、 が速い振動を表し、 が振幅がゆっくりと時間変化する様子を表している。つまり、角振動数 の振動が、角振動数 でゆっくりと変調された形になっている。
(c) , のとき、
このグラフは、角振動数 の振動が、角振動数 で振幅変調されている様子を表している。すなわち、振幅が で変化する、角振動数 の振動となる。 の絶対値が振幅を表すエンベロープとなる。
3. 最終的な答え
(a)
(b) 振幅 は、角振動数 でゆっくりと変調される。
(c) 。(グラフは省略)