一辺の長さが $L$ の立方体の容器に、質量 $m$ の気体分子が $N$ 個入っている。気体分子の運動に関する問題で、いくつかの空欄を埋める。

応用数学気体分子運動論熱力学物理
2025/4/12

1. 問題の内容

一辺の長さが LL の立方体の容器に、質量 mm の気体分子が NN 個入っている。気体分子の運動に関する問題で、いくつかの空欄を埋める。

2. 解き方の手順

(1) 分子が壁面Aにx方向の速度成分 vxv_x で弾性衝突したとき、運動量変化は mvxmvx=2mvx-mv_x - mv_x = -2mv_x なので、アは 2mvx-2mv_x である。壁に与える力積はその反作用なので、イは 2mvx2mv_x である。
分子は時間 2Lvx\frac{2L}{v_x} の間に壁面Aと衝突するので、ウは 2Lvx\frac{2L}{v_x} である。
平均の力の大きさ fff=2mvx2Lvx=mvx2Lf = \frac{2mv_x}{\frac{2L}{v_x}} = \frac{mv_x^2}{L} なので、エは mvx2L\frac{mv_x^2}{L} である。
(2) 全分子の速度の二乗の平均は v2=vx2+vy2+vz2\overline{v^2} = \overline{v_x^2} + \overline{v_y^2} + \overline{v_z^2} である。等方性より vx2=vy2=vz2\overline{v_x^2} = \overline{v_y^2} = \overline{v_z^2} なので、vx2=13v2\overline{v_x^2} = \frac{1}{3}\overline{v^2} である。
N個の分子が壁面Aに与える力は F=Nmvx2L=Nmv23LF = N \cdot \frac{m\overline{v_x^2}}{L} = N \cdot \frac{m\overline{v^2}}{3L} なので、オは Nmv23L\frac{Nm\overline{v^2}}{3L} である。
壁面Aにはたらく圧力は p=FL2=Nmv23L3=Nmv23Vp = \frac{F}{L^2} = \frac{Nm\overline{v^2}}{3L^3} = \frac{Nm\overline{v^2}}{3V} なので、力は Nmv23V\frac{Nm\overline{v^2}}{3V} である。
(3) 状態方程式 pV=nRTpV = nRTp=Nmv23Vp = \frac{Nm\overline{v^2}}{3V} を比較すると、Nmv23VV=nRT\frac{Nm\overline{v^2}}{3V} \cdot V = nRT となる。
N=nNAN = nN_A であるから、nNAmv23=nRT\frac{nN_Am\overline{v^2}}{3} = nRT となる。よって、分子1個の平均運動エネルギー E=12mv2=32RNAT=32kTE = \frac{1}{2}m\overline{v^2} = \frac{3}{2}\frac{R}{N_A}T = \frac{3}{2}kT である。
ここで k=RNAk = \frac{R}{N_A} はボルツマン定数である。したがって、キは 32kT\frac{3}{2}kT である。
NAm=MN_A m = M (分子量) であるから、12Mv2=32RT\frac{1}{2}M\overline{v^2} = \frac{3}{2}RT より、v2=3RTM\overline{v^2} = \frac{3RT}{M}
したがって、分子の二乗平均速度は v2=3RTM\sqrt{\overline{v^2}} = \sqrt{\frac{3RT}{M}} なので、クは 3RTM\sqrt{\frac{3RT}{M}} である。

3. 最終的な答え

ア: 2mvx-2mv_x
イ: 2mvx2mv_x
ウ: 2Lvx\frac{2L}{v_x}
エ: mvx2L\frac{mv_x^2}{L}
オ: Nmv23L\frac{Nm\overline{v^2}}{3L}
力: Nmv23V\frac{Nm\overline{v^2}}{3V}
キ: 32kT\frac{3}{2}kT
ク: 3RTM\sqrt{\frac{3RT}{M}}

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