表が出る確率が $p$ ($0<p<1$) であるコインを投げ、同じ面が続けて2回出たら終了する。1回目に裏が出たとき、最後に表が2回出て終了する確率を求めよ。

確率論・統計学確率条件付き確率期待値数列無限級数
2025/4/20

1. 問題の内容

表が出る確率が pp (0<p<10<p<1) であるコインを投げ、同じ面が続けて2回出たら終了する。1回目に裏が出たとき、最後に表が2回出て終了する確率を求めよ。

2. 解き方の手順

1回目に裏が出ているので、試行は 裏 から始まる。
最後に表が2回続いて終わるためには、試行は
(1) 裏, 表, 表
(2) 裏, (裏, 表)*, 表, 表
という形になる必要がある。ここで (裏, 表)* は、裏、表が0回以上繰り返されることを意味する。
ana_n を、最初の裏が出てから、nn 回の試行で最後に表表で終わる確率とする。 すると、求める確率は a2+a3+...=n=2ana_2 + a_3 + ... = \sum_{n=2}^{\infty} a_nである。
まず、a2a_2 は、裏, 表, 表 となる確率であるから、
a2=(1p)p2a_2 = (1-p) p^2
次に、a3a_3 は、裏, 裏, 表, 表 または 裏, 表, 裏, 表, 表 となる確率であり、
裏, 裏, 表, 表 の確率は (1p)2p2(1-p)^2 p^2
裏, 表, 裏, 表, 表 は、 (1p)p(1p)p2(1-p) p (1-p) p^2
ana_n を求める。
最初の裏の後に、 n2n-2 回の試行があり、その後表が2回続いて終了する。
この n2n-2 回の試行では、表表となってはいけない。
n2n-2 回の試行を「裏, 表」の繰り返しと「裏」で構成する。
このうち、「裏, 表」の繰り返しが kk 回あるとすると、「裏」は n22kn-2-2k 回となる。
例えば、n=4n=4 のとき、裏、裏、表、裏、表、表というパターンがありうる。
nn回の試行で最後に表表で終わる確率は、
k=0n22(1p)(p(1p))k(1p)n22kp2\sum_{k=0}^{\lfloor \frac{n-2}{2} \rfloor} (1-p) (p(1-p))^k (1-p)^{n-2-2k} p^2 となる。
そこで、求める確率は
S=n=2an=n=2k=0n22(1p)(p(1p))k(1p)n22kp2S = \sum_{n=2}^{\infty} a_n = \sum_{n=2}^{\infty} \sum_{k=0}^{\lfloor \frac{n-2}{2} \rfloor} (1-p) (p(1-p))^k (1-p)^{n-2-2k} p^2
=(1p)p2n=2k=0n22(p(1p))k(1p)n22k= (1-p) p^2 \sum_{n=2}^{\infty} \sum_{k=0}^{\lfloor \frac{n-2}{2} \rfloor} (p(1-p))^k (1-p)^{n-2-2k}
k=0k=0のとき、n=2n=2から、(1p)0=1(1-p)^0 = 1
k=1k=1のとき、n=4n=4から、(p(1p))1(1p)0=p(1p)(p(1-p))^1 (1-p)^0 = p(1-p)
k=2k=2のとき、n=6n=6から、(p(1p))2(1p)0=(p(1p))2(p(1-p))^2 (1-p)^0 = (p(1-p))^2
...
したがって、k=0(p(1p))k=11p(1p)\sum_{k=0}^{\infty} (p(1-p))^k = \frac{1}{1-p(1-p)}
S=(1p)p2+(1p)2p2+(1p)p(1p)p2+...S = (1-p)p^2 + (1-p)^2 p^2 + (1-p) p (1-p) p^2 + ...
=(1p)p2k=0(1p)2k= (1-p)p^2 \sum_{k=0}^\infty (1-p)^{2k}
S=(1p)p2n=0(1p1p+p2)n S = (1-p)p^2 \sum_{n=0}^{\infty} (\frac{1-p}{1-p+p^2})^n
S=(1p)p21(1p)S = \frac{(1-p) p^2}{1 - (1-p)}
S=p2+p3+...S= p^2 + p^3 + ...
答えは、a2+n=3(1p)p[(1p)+p]npa_2 + \sum_{n=3}^{\infty} (1-p)p [ (1-p)+p]^n p
$S= \frac{p^2}{2-p}

3. 最終的な答え

p22p\frac{p^2}{2-p}

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