1個のさいころを1800回投げたとき、5以上の目が出た回数を確率変数 $X$ とする。 (1) 確率変数 $X$ の期待値 $E(X)$ と標準偏差 $\sigma(X)$ を求める。 (2) $X \le 560$ となる確率を求める。ただし、確率変数 $Z$ が標準正規分布に従うとき、$P(0 \le Z \le 2) = 0.4772$ とする。

確率論・統計学確率二項分布期待値標準偏差正規分布
2025/4/20

1. 問題の内容

1個のさいころを1800回投げたとき、5以上の目が出た回数を確率変数 XX とする。
(1) 確率変数 XX の期待値 E(X)E(X) と標準偏差 σ(X)\sigma(X) を求める。
(2) X560X \le 560 となる確率を求める。ただし、確率変数 ZZ が標準正規分布に従うとき、P(0Z2)=0.4772P(0 \le Z \le 2) = 0.4772 とする。

2. 解き方の手順

(1)
1回の試行で5以上の目が出る確率は p=26=13p = \frac{2}{6} = \frac{1}{3} である。
XX は二項分布 B(n,p)B(n, p) に従う。ここで、n=1800n = 1800p=13p = \frac{1}{3} である。
期待値は E(X)=npE(X) = np であり、分散は V(X)=np(1p)V(X) = np(1-p) である。標準偏差は σ(X)=V(X)\sigma(X) = \sqrt{V(X)} である。
E(X)=1800×13=600E(X) = 1800 \times \frac{1}{3} = 600
V(X)=1800×13×23=400V(X) = 1800 \times \frac{1}{3} \times \frac{2}{3} = 400
σ(X)=400=20\sigma(X) = \sqrt{400} = 20
(2)
X560X \le 560 となる確率を求める。XX は二項分布に従うが、nn が大きいので正規分布で近似する。
XX は近似的に正規分布 N(E(X),V(X))N(E(X), V(X)) 、すなわち N(600,400)N(600, 400) に従う。
Z=XE(X)σ(X)Z = \frac{X - E(X)}{\sigma(X)} は標準正規分布 N(0,1)N(0, 1) に従う。
P(X560)=P(Z56060020)=P(Z2)P(X \le 560) = P\left(Z \le \frac{560 - 600}{20}\right) = P(Z \le -2)
P(Z2)=P(Z2)P(Z \le -2) = P(Z \ge 2) (標準正規分布の対称性)
P(Z2)=0.5P(0Z2)=0.50.4772=0.0228P(Z \ge 2) = 0.5 - P(0 \le Z \le 2) = 0.5 - 0.4772 = 0.0228

3. 最終的な答え

(1) E(X)=600E(X) = 600, σ(X)=20\sigma(X) = 20
(2) P(X560)=0.0228P(X \le 560) = 0.0228

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