実数 $x, y$ が不等式 $|x| + 2|y| \le 3$ （※）を満たすとき、以下の問いに答える問題です。 (1) 不等式(※)で表される領域を図示する。 (2) $(x+4)^2 + (y+5)^2$ の取りうる値の範囲を求める。

1. 問題の内容

実数 $x, y$ が不等式 $|x| + 2|y| \le 3$ （※）を満たすとき、以下の問いに答える問題です。

(1) 不等式(※)で表される領域を図示する。

(2) $(x+4)^2 + (y+5)^2$ の取りうる値の範囲を求める。

2. 解き方の手順

(1) $|x| + 2|y| \le 3$ の表す領域を図示します。

絶対値記号を外すために、以下の4つの場合に分けます。

- $x \ge 0, y \ge 0$ のとき: $x + 2y \le 3 \Leftrightarrow y \le -\frac{1}{2}x + \frac{3}{2}$

- $x \ge 0, y < 0$ のとき: $x - 2y \le 3 \Leftrightarrow y \ge \frac{1}{2}x - \frac{3}{2}$

- $x < 0, y \ge 0$ のとき: $-x + 2y \le 3 \Leftrightarrow y \le \frac{1}{2}x + \frac{3}{2}$

- $x < 0, y < 0$ のとき: $-x - 2y \le 3 \Leftrightarrow y \ge -\frac{1}{2}x - \frac{3}{2}$

これらの不等式とそれぞれの $x, y$ の範囲を同時に満たす領域を図示します。結果として、菱形となります。

(2) $(x+4)^2 + (y+5)^2$ は、点 $(x, y)$ と点 $(-4, -5)$ との距離の2乗を表します。

点 $(-4, -5)$ と領域 $|x| + 2|y| \le 3$ の点との距離の2乗の最大値と最小値を求めることになります。

菱形の頂点の座標は $(\pm 3, 0)$ と $(0, \pm \frac{3}{2})$ です。

点 $(-4, -5)$ から各頂点までの距離の2乗を計算します。

- $(-4, -5)$ から $(3, 0)$ までの距離の2乗: $(3 - (-4))^2 + (0 - (-5))^2 = 7^2 + 5^2 = 49 + 25 = 74$

- $(-4, -5)$ から $(-3, 0)$ までの距離の2乗: $(-3 - (-4))^2 + (0 - (-5))^2 = 1^2 + 5^2 = 1 + 25 = 26$

- $(-4, -5)$ から $(0, \frac{3}{2})$ までの距離の2乗: $(0 - (-4))^2 + (\frac{3}{2} - (-5))^2 = 4^2 + (\frac{13}{2})^2 = 16 + \frac{169}{4} = \frac{64 + 169}{4} = \frac{233}{4} = 58.25$

- $(-4, -5)$ から $(0, -\frac{3}{2})$ までの距離の2乗: $(0 - (-4))^2 + (-\frac{3}{2} - (-5))^2 = 4^2 + (\frac{7}{2})^2 = 16 + \frac{49}{4} = \frac{64 + 49}{4} = \frac{113}{4} = 28.25$

また、点 $(-4, -5)$ から菱形の中心 $(0, 0)$ までの距離の2乗は $(-4 - 0)^2 + (-5 - 0)^2 = 16 + 25 = 41$ です。

点 $(-4, -5)$ から領域内の点までの距離の2乗の最小値は、点 $(-3, 0)$ までの距離の2乗である $26$ です。

点 $(-4, -5)$ から領域内の点までの距離の2乗の最大値は、点 $(3, 0)$ までの距離の2乗である $74$ です。

したがって、求める範囲は $26 \le (x+4)^2 + (y+5)^2 \le 74$ となります。

3. 最終的な答え

(1) 領域を図示 (省略。菱形であり、4つの直線 $y = -\frac{1}{2}x + \frac{3}{2}, y = \frac{1}{2}x - \frac{3}{2}, y = \frac{1}{2}x + \frac{3}{2}, y = -\frac{1}{2}x - \frac{3}{2}$ で囲まれた領域)

(2) $26 \le (x+4)^2 + (y+5)^2 \le 74$