媒介変数 $t$ で表された曲線 $x = f(t), y = g(t)$ ($α ≤ t ≤ β$) の長さ $L$ が、$L = \int_α^β \sqrt{(\frac{dx}{dt})^2 + (\frac{dy}{dt})^2} dt = \int_α^β \sqrt{\{f'(t)\}^2 + \{g'(t)\}^2} dt$ で求められる理由を説明する問題です。

解析学曲線長さ媒介変数積分微分平均値の定理
2025/4/24

1. 問題の内容

媒介変数 tt で表された曲線 x=f(t),y=g(t)x = f(t), y = g(t) (αtβα ≤ t ≤ β) の長さ LL が、L=αβ(dxdt)2+(dydt)2dt=αβ{f(t)}2+{g(t)}2dtL = \int_α^β \sqrt{(\frac{dx}{dt})^2 + (\frac{dy}{dt})^2} dt = \int_α^β \sqrt{\{f'(t)\}^2 + \{g'(t)\}^2} dt で求められる理由を説明する問題です。

2. 解き方の手順

曲線 x=f(t),y=g(t)x = f(t), y = g(t) (αtβα ≤ t ≤ β) を考えます。
この曲線を NN 個の小区間に分割し、ii 番目の区間における tt の変化量を ΔtiΔt_i とします (Δti=ti+1tiΔt_i = t_{i+1} - t_i)。
この小区間における曲線の微小な長さを ΔsiΔs_i とします。
ΔsiΔs_i は、ピタゴラスの定理を使って近似できます。
Δxi=f(ti+1)f(ti)Δx_i = f(t_{i+1}) - f(t_i), Δyi=g(ti+1)g(ti)Δy_i = g(t_{i+1}) - g(t_i) とすると、
Δsi(Δxi)2+(Δyi)2Δs_i \approx \sqrt{(Δx_i)^2 + (Δy_i)^2} となります。
ここで、ΔxiΔx_iΔyiΔy_i を平均値の定理で近似します。
平均値の定理より、ある ti(ti,ti+1)t^*_i \in (t_i, t_{i+1})ti(ti,ti+1)t^{**}_i \in (t_i, t_{i+1}) が存在して、
Δxi=f(ti)ΔtiΔx_i = f'(t^*_i) Δt_i, Δyi=g(ti)ΔtiΔy_i = g'(t^{**}_i) Δt_i となります。
したがって、Δsi(f(ti))2(Δti)2+(g(ti))2(Δti)2=(f(ti))2+(g(ti))2ΔtiΔs_i \approx \sqrt{(f'(t^*_i))^2 (Δt_i)^2 + (g'(t^{**}_i))^2 (Δt_i)^2} = \sqrt{(f'(t^*_i))^2 + (g'(t^{**}_i))^2} Δt_i となります。
曲線の全長 LL は、これらの微小な長さ ΔsiΔs_i の総和を NN \to \infty とした極限で求められます。
L=limNi=1NΔsi=limNi=1N(f(ti))2+(g(ti))2ΔtiL = \lim_{N \to \infty} \sum_{i=1}^N Δs_i = \lim_{N \to \infty} \sum_{i=1}^N \sqrt{(f'(t^*_i))^2 + (g'(t^{**}_i))^2} Δt_i
NN \to \infty のとき、Δti0Δt_i \to 0 となるので、tit^*_itit^{**}_i は同じ値に近づき、積分で表すことができます。
L=αβ(f(t))2+(g(t))2dt=αβ(dxdt)2+(dydt)2dtL = \int_α^β \sqrt{(f'(t))^2 + (g'(t))^2} dt = \int_α^β \sqrt{(\frac{dx}{dt})^2 + (\frac{dy}{dt})^2} dt

3. 最終的な答え

曲線 x=f(t),y=g(t)x = f(t), y = g(t) (αtβα ≤ t ≤ β) の長さ LL は、L=αβ(dxdt)2+(dydt)2dt=αβ{f(t)}2+{g(t)}2dtL = \int_α^β \sqrt{(\frac{dx}{dt})^2 + (\frac{dy}{dt})^2} dt = \int_α^β \sqrt{\{f'(t)\}^2 + \{g'(t)\}^2} dt で求められます。
これは、曲線を微小な線分の集合で近似し、各線分の長さをピタゴラスの定理を用いて計算し、それらを積分することで求められるからです。

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