1から1000までの番号が付いた1000枚のカード全体の集合を$U$とし、その中で3の倍数、5の倍数、7の倍数の番号が付いたカードの集合をそれぞれ$A, B, C$とする。$U$の全てのカードを表を上にして並べ、以下の操作を行う。 (i) まず$A$の全てのカードの表裏を逆にする。 (ii) さらに続けて$B$の全てのカードの表裏を逆にする。 (iii) 最後に$C$の全てのカードの表裏を逆にする。 (ii)の操作が終わった段階で表が上を向いているカードの集合を$X$とし、(iii)の操作が終わったとき、2回以上表裏を逆にしたカードの集合を$Y$とする。 (1) $B$の補集合を$\overline{B}$とするとき、共通部分$A \cap \overline{B}$の要素の個数を求めよ。 (2) $X$を$A, B$および記号$\cup, \cap, \overline{\phantom{A}}, ( )$などを用いて表し、$X$の要素の個数を求めよ。 (3) $Y$を$A, B, C$および記号$\cup, \cap, \overline{\phantom{A}}, ( )$などを用いて表し、$Y$の要素の個数を求めよ。

離散数学集合集合演算倍数要素の個数
2025/4/27

1. 問題の内容

1から1000までの番号が付いた1000枚のカード全体の集合をUUとし、その中で3の倍数、5の倍数、7の倍数の番号が付いたカードの集合をそれぞれA,B,CA, B, Cとする。UUの全てのカードを表を上にして並べ、以下の操作を行う。
(i) まずAAの全てのカードの表裏を逆にする。
(ii) さらに続けてBBの全てのカードの表裏を逆にする。
(iii) 最後にCCの全てのカードの表裏を逆にする。
(ii)の操作が終わった段階で表が上を向いているカードの集合をXXとし、(iii)の操作が終わったとき、2回以上表裏を逆にしたカードの集合をYYとする。
(1) BBの補集合をB\overline{B}とするとき、共通部分ABA \cap \overline{B}の要素の個数を求めよ。
(2) XXA,BA, Bおよび記号,,A,()\cup, \cap, \overline{\phantom{A}}, ( )などを用いて表し、XXの要素の個数を求めよ。
(3) YYA,B,CA, B, Cおよび記号,,A,()\cup, \cap, \overline{\phantom{A}}, ( )などを用いて表し、YYの要素の個数を求めよ。

2. 解き方の手順

(1)
ABA \cap \overline{B}は、AAに属し、BBに属さない要素の集合である。
AAは3の倍数の集合、BBは5の倍数の集合であるから、ABA \cap \overline{B}は3の倍数であって5の倍数でない数の集合である。
1から1000までの3の倍数の個数は10003=333\lfloor \frac{1000}{3} \rfloor = 333個である。
1から1000までの15の倍数(3の倍数かつ5の倍数)の個数は100015=66\lfloor \frac{1000}{15} \rfloor = 66個である。
よって、ABA \cap \overline{B}の要素の個数は33366=267333 - 66 = 267個である。
(2)
はじめ、全てのカードは表を向いている。
操作(i)でAAのカードの表裏を逆にする。この時点で、表を向いているのはA\overline{A}のカードである。
操作(ii)でBBのカードの表裏を逆にする。
このとき、A\overline{A}に属するカードのうち、BBに属するカードは裏を向き、A\overline{A}に属しB\overline{B}に属するカードは表を向く。また、AAに属するカードのうち、BBに属するカードは表を向き、AAに属しB\overline{B}に属するカードは裏を向く。
したがって、操作(ii)が終わった段階で表を向いているカードの集合XXは、(AB)(AB)=(AB)AB (A \cap B) \cup (\overline{A} \cap \overline{B} ) = (A \cap B) \cup \overline{A \cup B}となる。これは集合XXを表している。
または、裏を向いているカードの集合は(AB)(AB)(A \cap \overline{B}) \cup (\overline{A} \cap B)なので、X=(AB)(AB)X = \overline{(A \cap \overline{B}) \cup (\overline{A} \cap B)}とも表せる。
XXの要素の個数を求める。
X=(AB)ABX = (A \cap B) \cup \overline{A \cup B} より、
X=AB+AB=AB+UAB|X| = |A \cap B| + |\overline{A \cup B}| = |A \cap B| + |U| - |A \cup B|
ここで、AB=100015=66|A \cap B| = \lfloor \frac{1000}{15} \rfloor = 66U=1000|U| = 1000AB=A+BAB=10003+10005100015=333+20066=467|A \cup B| = |A| + |B| - |A \cap B| = \lfloor \frac{1000}{3} \rfloor + \lfloor \frac{1000}{5} \rfloor - \lfloor \frac{1000}{15} \rfloor = 333 + 200 - 66 = 467
したがって、X=66+1000467=599|X| = 66 + 1000 - 467 = 599
(3)
YYは2回以上裏返されたカードの集合である。
操作(i), (ii), (iii)を行うので、カードは0回、1回、2回、3回のいずれか裏返される。YYは2回または3回裏返されるカードの集合である。
2回裏返されるのは、(ABC)(ABC)(ABC)(A \cap B \cap \overline{C}) \cup (A \cap \overline{B} \cap C) \cup (\overline{A} \cap B \cap C)
3回裏返されるのは、ABCA \cap B \cap C
よって、Y=(ABC)(ABC)(ABC)(ABC)Y = (A \cap B \cap \overline{C}) \cup (A \cap \overline{B} \cap C) \cup (\overline{A} \cap B \cap C) \cup (A \cap B \cap C)
Y=(AB)(BC)(CA)Y = (A \cap B) \cup (B \cap C) \cup (C \cap A)とも書ける。
Y=(AB)(BC)(CA)|Y| = |(A \cap B) \cup (B \cap C) \cup (C \cap A)|
AB=100015=66|A \cap B| = \lfloor \frac{1000}{15} \rfloor = 66, BC=100035=28|B \cap C| = \lfloor \frac{1000}{35} \rfloor = 28, CA=100021=47|C \cap A| = \lfloor \frac{1000}{21} \rfloor = 47
ABC=1000105=9|A \cap B \cap C| = \lfloor \frac{1000}{105} \rfloor = 9
Y=AB+BC+CAABCABCABC+ABC|Y| = |A \cap B| + |B \cap C| + |C \cap A| - |A \cap B \cap C| - |A \cap B \cap C| - |A \cap B \cap C| + |A \cap B \cap C|
Y=AB+BC+CA2ABC|Y| = |A \cap B| + |B \cap C| + |C \cap A| - 2|A \cap B \cap C|
Y=66+28+472×9=14118=123|Y| = 66 + 28 + 47 - 2 \times 9 = 141 - 18 = 123

3. 最終的な答え

(1) 267
(2) X=(AB)ABX = (A \cap B) \cup \overline{A \cup B} , 599
(3) Y=(AB)(BC)(CA)Y = (A \cap B) \cup (B \cap C) \cup (C \cap A) , 123

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