全く同じ缶に入ったお茶を2本用意し、一方を液体のまま、もう一方を凍らせて、斜面上で転がし競争させる問題です。 問4:2つの缶の慣性モーメントの大小関係について問われています。 問5:2つの缶の重心加速度の大小関係について問われています。
2025/5/8
1. 問題の内容
全く同じ缶に入ったお茶を2本用意し、一方を液体のまま、もう一方を凍らせて、斜面上で転がし競争させる問題です。
問4:2つの缶の慣性モーメントの大小関係について問われています。
問5:2つの缶の重心加速度の大小関係について問われています。
2. 解き方の手順
問4:慣性モーメントについて
慣性モーメントは、物体の回転しにくさを表す量です。
慣性モーメントは、質量と回転軸からの距離を用いて、と表されます。
物体の質量分布が回転軸から離れているほど、慣性モーメントは大きくなります。
液体のお茶の場合、缶の中で液体が自由に動けるため、質量分布が広がり、慣性モーメントが大きくなります。
凍らせたお茶の場合、固体として一体化しているため、質量分布が液体の場合に比べて小さくなり、慣性モーメントは小さくなります。
したがって、中身を凍らせた場合よりも、液体の場合の方が慣性モーメントが大きくなります。
問5:重心加速度について
缶が斜面を転がる運動において、エネルギー保存則を考えると、位置エネルギーが運動エネルギー(並進運動エネルギーと回転運動エネルギー)に変換されます。
ここで、は缶の質量、は重力加速度、は高さ、は並進速度、は慣性モーメント、は角速度です。
の関係より、
同じ高さから転がすので、は同じです。
慣性モーメントが大きいほど、同じ高さから転がした際に、回転運動エネルギーに多く変換されます。
したがって、並進運動エネルギーは小さくなり、並進速度が遅くなります。
が遅いということは、加速度が小さいことを意味します。
したがって、中身が液体の場合の方が慣性モーメントが大きく、重心加速度は小さくなります。
逆に、中身を凍らせた場合の方が慣性モーメントが小さく、重心加速度は大きくなります。
3. 最終的な答え
問4:③ 中身を凍らせた場合のほうが、慣性モーメントは大きい。
問5:② 中身が液体の場合のほうが、重心加速度は大きい。