幅 $l$ のコの字型金属レールに導体棒が渡され、回路に垂直な磁場 $B(t) = B_0 \cos(\omega t)$ が存在する。導体棒は一定速度 $v_0$ でレール上を滑る。このとき、時刻 $t$ における誘導起電力 $V$ を表す式と、その時間変化を表すグラフをそれぞれ選択する問題です。

応用数学電磁気学微分ファラデーの電磁誘導の法則物理
2025/5/8

1. 問題の内容

ll のコの字型金属レールに導体棒が渡され、回路に垂直な磁場 B(t)=B0cos(ωt)B(t) = B_0 \cos(\omega t) が存在する。導体棒は一定速度 v0v_0 でレール上を滑る。このとき、時刻 tt における誘導起電力 VV を表す式と、その時間変化を表すグラフをそれぞれ選択する問題です。

2. 解き方の手順

(1) 誘導起電力の式を求める。
誘導起電力は、ファラデーの電磁誘導の法則により、回路を貫く磁束の時間変化に比例します。磁束 Φ\Phi は、磁場 B(t)B(t) と面積 SS の積で与えられます。この問題では、回路の面積 SS が時間とともに変化し、磁場 B(t)B(t) も時間変化します。
まず、時刻 tt における導体棒の位置 xx は、x=v0tx = v_0 t で表されます。したがって、回路の面積 SS は、S=lx=lv0tS = l x = l v_0 t となります。
回路を貫く磁束 Φ(t)\Phi(t) は、
Φ(t)=B(t)S(t)=B0cos(ωt)lv0t=B0lv0tcos(ωt)\Phi(t) = B(t) S(t) = B_0 \cos(\omega t) l v_0 t = B_0 l v_0 t \cos(\omega t)
誘導起電力 V(t)V(t) は、
V(t)=dΦ(t)dt=ddt(B0lv0tcos(ωt))V(t) = - \frac{d\Phi(t)}{dt} = - \frac{d}{dt} (B_0 l v_0 t \cos(\omega t))
積の微分公式を用いると、
V(t)=B0lv0[cos(ωt)+t(ωsin(ωt))]=B0lv0cos(ωt)+B0lv0ωtsin(ωt)=B0lv0cos(ωt)+ωlB0v0tsin(ωt)V(t) = - B_0 l v_0 [\cos(\omega t) + t (-\omega \sin(\omega t))] = - B_0 l v_0 \cos(\omega t) + B_0 l v_0 \omega t \sin(\omega t) = - B_0 l v_0 \cos(\omega t) + \omega l B_0 v_0 t \sin(\omega t)
よって、誘導起電力の式は、
V(t)=B0lv0cos(ωt)+ωlB0v0tsin(ωt)V(t) = - B_0 l v_0 \cos(\omega t) + \omega l B_0 v_0 t \sin(\omega t)
(2) 誘導起電力の時間変化のグラフを求める。
V(t)=B0lv0cos(ωt)+ωlB0v0tsin(ωt)V(t) = - B_0 l v_0 \cos(\omega t) + \omega l B_0 v_0 t \sin(\omega t) のグラフを考えます。
t=0t=0の時、V(0)=B0lv0V(0) = -B_0 l v_0となり、負の値から始まります。
ttが増加すると、tsin(ωt)t\sin(\omega t) の項の影響が大きくなり、振幅が徐々に大きくなる振動になります。

3. 最終的な答え

誘導起電力を表す式:
V(t)=B0lv0cos(ωt)+ωlB0v0tsin(ωt)V(t) = - B_0 l v_0 \cos(\omega t) + \omega l B_0 v_0 t \sin(\omega t)
これは選択肢の④です。
誘導起電力の時間変化を表すグラフ:
グラフの④

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