1個のサイコロを12回投げたとき、出た目の合計を確率変数 $X$ とする。$X$ の期待値 $E(X)$ と分散 $V(X)$ を求めよ。

確率論・統計学期待値分散確率変数サイコロ
2025/5/11

1. 問題の内容

1個のサイコロを12回投げたとき、出た目の合計を確率変数 XX とする。XX の期待値 E(X)E(X) と分散 V(X)V(X) を求めよ。

2. 解き方の手順

まず、1回のサイコロ投げにおける出目の期待値と分散を計算します。
サイコロの出目は1から6までの整数で、それぞれの出る確率は 16\frac{1}{6} です。
1回のサイコロ投げの期待値 E(Y)E(Y) は、次の式で計算できます。
E(Y)=i=16iP(Y=i)=116+216+316+416+516+616=1+2+3+4+5+66=216=72=3.5E(Y) = \sum_{i=1}^{6} i \cdot P(Y=i) = 1 \cdot \frac{1}{6} + 2 \cdot \frac{1}{6} + 3 \cdot \frac{1}{6} + 4 \cdot \frac{1}{6} + 5 \cdot \frac{1}{6} + 6 \cdot \frac{1}{6} = \frac{1+2+3+4+5+6}{6} = \frac{21}{6} = \frac{7}{2} = 3.5
1回のサイコロ投げの分散 V(Y)V(Y) は、次の式で計算できます。
V(Y)=E(Y2)(E(Y))2V(Y) = E(Y^2) - (E(Y))^2
E(Y2)=i=16i2P(Y=i)=1216+2216+3216+4216+5216+6216=1+4+9+16+25+366=916E(Y^2) = \sum_{i=1}^{6} i^2 \cdot P(Y=i) = 1^2 \cdot \frac{1}{6} + 2^2 \cdot \frac{1}{6} + 3^2 \cdot \frac{1}{6} + 4^2 \cdot \frac{1}{6} + 5^2 \cdot \frac{1}{6} + 6^2 \cdot \frac{1}{6} = \frac{1+4+9+16+25+36}{6} = \frac{91}{6}
V(Y)=916(72)2=916494=1821214712=3512V(Y) = \frac{91}{6} - (\frac{7}{2})^2 = \frac{91}{6} - \frac{49}{4} = \frac{182}{12} - \frac{147}{12} = \frac{35}{12}
XXは12回のサイコロ投げの出目の合計なので、X=Y1+Y2+...+Y12X = Y_1 + Y_2 + ... + Y_{12}と表せます。ここで、YiY_iii回目のサイコロ投げの出目を表します。
期待値の線形性より、E(X)=E(Y1)+E(Y2)+...+E(Y12)E(X) = E(Y_1) + E(Y_2) + ... + E(Y_{12}) となります。各 E(Yi)E(Y_i) はすべて 72\frac{7}{2} なので、
E(X)=1272=67=42E(X) = 12 \cdot \frac{7}{2} = 6 \cdot 7 = 42
分散の性質より、V(X)=V(Y1)+V(Y2)+...+V(Y12)V(X) = V(Y_1) + V(Y_2) + ... + V(Y_{12}) となります。各 V(Yi)V(Y_i) はすべて 3512\frac{35}{12} なので、
V(X)=123512=35V(X) = 12 \cdot \frac{35}{12} = 35

3. 最終的な答え

期待値: E(X)=42E(X) = 42
分散: V(X)=35V(X) = 35

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