命題「$ab \geq 1 \Rightarrow (a \geq 1 \text{ かつ } b \geq 1)$」の逆、対偶、裏を述べ、それらの真偽を判定する。ただし、$a$と$b$は実数とする。

## 問題6 (1)

1. **問題の内容**

命題「$ab \geq 1 \Rightarrow (a \geq 1 \text{ かつ } b \geq 1)$」の逆、対偶、裏を述べ、それらの真偽を判定する。ただし、$a$と$b$は実数とする。

2. **解き方の手順**

* **逆:**

$a \geq 1$ かつ $b \geq 1 \Rightarrow ab \geq 1$

これは真である。なぜなら、$a \geq 1$ かつ $b \geq 1$ ならば、$ab \geq 1 \times 1 = 1$ となるからである。

* **対偶:**

$\text{「}a < 1 \text{ または } b < 1\text{」} \Rightarrow ab < 1$

これは偽である。例えば、$a = -2$, $b = -1$の場合、$a < 1$ かつ $b < 1$ だが、$ab = 2 > 1$ となる。

* **裏:**

$ab < 1 \Rightarrow \text{「}a < 1 \text{ または } b < 1\text{」}$

これは偽である。例えば、$a = 2$, $b = 1/2$ の場合、$ab = 1$ なので、$ab < 1$ は成り立たないが、$a > 1$ かつ $b < 1$ である。$ab=0.9$ であれば $a=3, b=0.3$ の時に反例になる。

3. **最終的な答え**

* 逆: $a \geq 1$ かつ $b \geq 1 \Rightarrow ab \geq 1$ (真)

* 対偶: $a < 1$ または $b < 1 \Rightarrow ab < 1$ (偽)

* 裏: $ab < 1 \Rightarrow a < 1$ または $b < 1$ (偽)

## 問題6 (2)

1. **問題の内容**

命題「$x+y$ が無理数ならば、$x, y$ の少なくとも一方は無理数」の逆、対偶、裏を述べ、それらの真偽を判定する。ただし、$x$と$y$は実数とする。

2. **解き方の手順**

* **逆:**

$x, y$ の少なくとも一方が無理数 $\Rightarrow x+y$ が無理数

これは偽である。例えば、$x = \sqrt{2}$, $y = -\sqrt{2}$ の場合、$x$は無理数であるが、$x + y = 0$ であり、これは有理数である。

* **対偶:**

$\text{「}x \text{ と } y \text{ がともに有理数} \text{」} \Rightarrow x+y$ が有理数

これは真である。有理数同士の和は有理数であるため。

* **裏:**

$x+y$ が有理数 $\Rightarrow \text{「}x \text{ と } y \text{ がともに有理数} \text{」}$

これは偽である。例えば、$x = \sqrt{2}$, $y = -\sqrt{2}$ の場合、$x+y=0$となり有理数であるが、$x$も$y$も無理数である。

3. **最終的な答え**

* 逆: $x, y$ の少なくとも一方が無理数 $\Rightarrow x+y$ が無理数 (偽)

* 対偶: $x$ と $y$ がともに有理数 $\Rightarrow x+y$ が有理数 (真)

* 裏: $x+y$ が有理数 $\Rightarrow x$ と $y$ がともに有理数 (偽)

## 問題7

1. **問題の内容**

正の実数 $a, b$ に対して、$a^2 + b^2 > 200$ ならば $a > 10$ または $b > 10$ であることを証明する。

2. **解き方の手順**

対偶法を用いる。すなわち、「$a \leq 10$ かつ $b \leq 10$ ならば $a^2 + b^2 \leq 200$ 」を示す。

$a \leq 10$ かつ $b \leq 10$ のとき、$a^2 \leq 100$ かつ $b^2 \leq 100$ となる。

したがって、

$a^2 + b^2 \leq 100 + 100 = 200$

よって、$a \leq 10$ かつ $b \leq 10$ ならば $a^2 + b^2 \leq 200$ が成り立つ。

対偶が真なので、元の命題も真である。

3. **最終的な答え**

証明完了。