$f(x) = x^3 - kx^2 - 1$ という3次式がある。$f(x) = 0$ の3つの解を $\alpha, \beta, \gamma$ とする。$g(x)$ は $x^3$ の係数が 1 である 3次式で、$g(x) = 0$ の3つの解が $\alpha\beta, \beta\gamma, \gamma\alpha$ であるとする。 (1) $g(x)$ を $k$ を用いて表せ。 (2) 2つの方程式 $f(x) = 0$ と $g(x) = 0$ が共通の解をもつような $k$ の値を求めよ。

1. 問題の内容

$f(x) = x^3 - kx^2 - 1$ という3次式がある。$f(x) = 0$ の3つの解を $\alpha, \beta, \gamma$ とする。$g(x)$ は $x^3$ の係数が 1 である 3次式で、$g(x) = 0$ の3つの解が $\alpha\beta, \beta\gamma, \gamma\alpha$ であるとする。

(1) $g(x)$ を $k$ を用いて表せ。

(2) 2つの方程式 $f(x) = 0$ と $g(x) = 0$ が共通の解をもつような $k$ の値を求めよ。

2. 解き方の手順

(1) 解と係数の関係より、

$$\alpha + \beta + \gamma = k$$

$$\alpha\beta + \beta\gamma + \gamma\alpha = 0$$

$$\alpha\beta\gamma = 1$$

$g(x)$ は $x^3$ の係数が 1 で、解が $\alpha\beta, \beta\gamma, \gamma\alpha$ である 3次式なので、

$$g(x) = (x - \alpha\beta)(x - \beta\gamma)(x - \gamma\alpha) = x^3 - (\alpha\beta + \beta\gamma + \gamma\alpha)x^2 + (\alpha\beta^2\gamma + \alpha\beta\gamma^2 + \alpha^2\beta\gamma)x - \alpha^2\beta^2\gamma^2$$

ここで、

$$\alpha\beta + \beta\gamma + \gamma\alpha = 0$$

$$\alpha\beta^2\gamma + \alpha\beta\gamma^2 + \alpha^2\beta\gamma = \alpha\beta\gamma(\alpha + \beta + \gamma) = 1 \cdot k = k$$

$$\alpha^2\beta^2\gamma^2 = (\alpha\beta\gamma)^2 = 1^2 = 1$$

したがって、

$$g(x) = x^3 - 0 \cdot x^2 + kx - 1 = x^3 + kx - 1$$

(2) $f(x) = 0$ と $g(x) = 0$ が共通の解を持つとする。共通解を $t$ とすると、

$$f(t) = t^3 - kt^2 - 1 = 0$$

$$g(t) = t^3 + kt - 1 = 0$$

この2式を引き算すると、

$$(t^3 - kt^2 - 1) - (t^3 + kt - 1) = 0$$

$$-kt^2 - kt = 0$$

$$-kt(t + 1) = 0$$

したがって、$k = 0$ または $t = 0$ または $t = -1$ である。

(i) $k = 0$ のとき、$f(x) = x^3 - 1 = 0$, $g(x) = x^3 - 1 = 0$。このとき $x = 1$ が共通解。

(ii) $t = 0$ のとき、$f(0) = -1 = 0$ となり矛盾。

(iii) $t = -1$ のとき、$f(-1) = -1 - k - 1 = -k - 2 = 0$ より $k = -2$。

$g(-1) = -1 - k - 1 = -k - 2 = 0$ より $k = -2$。

したがって、$k = -2$ のとき、$x = -1$ が共通解。

3. 最終的な答え

(1) $g(x) = x^3 + kx - 1$

(2) $k = 0, -2$