問題は、0でない多項式 $f(x)$ が、恒等式 $f(x^2) = x^2 f(x+1) - x^3 - x^2$ を満たすとき、以下の問いに答えるものです。 (1) $f(x)$ の次数が2以下であることを示す。 (2) $f(x)$ を求める。

1. 問題の内容

問題は、0でない多項式 $f(x)$ が、恒等式 $f(x^2) = x^2 f(x+1) - x^3 - x^2$ を満たすとき、以下の問いに答えるものです。

(1) $f(x)$ の次数が2以下であることを示す。

(2) $f(x)$ を求める。

2. 解き方の手順

(1) $f(x)$ の次数が2以下であることを示す。

$f(x)$ の次数を $n$ とします。

与えられた恒等式の左辺 $f(x^2)$ の次数は $2n$ です。

右辺の各項の次数を調べます。$x^2 f(x+1)$ の次数は $2+n$、$x^3$ の次数は3、$x^2$ の次数は2です。

恒等式であるためには、両辺の次数が等しくなければなりません。

したがって、$2n = n+2$ または $2n=3$ または $2n=2$ が成り立つ必要があります。

$2n = n+2$ の場合、$n=2$ となり、$f(x)$ は2次以下の多項式となります。

$2n = 3$ の場合、$n = \frac{3}{2}$ となり、$n$が整数ではないので矛盾します。

$2n = 2$ の場合、$n=1$ となり、$f(x)$ は2次以下の多項式となります。

$n > 2$と仮定します。$f(x) = a_n x^n + \cdots + a_0$ ($a_n \neq 0$)とすると、

$f(x^2) = a_n x^{2n} + \cdots + a_0$

$x^2 f(x+1) - x^3 - x^2 = x^2 (a_n (x+1)^n + \cdots) - x^3 - x^2 = a_n x^{n+2} + \cdots$

このとき、$2n = n+2$ となるはずなので、$n=2$。

$f(x)$ は2次以下の多項式である必要があります。

(2) $f(x)$ を求める。

$f(x) = ax^2 + bx + c$ とおきます。

$f(x^2) = ax^4 + bx^2 + c$

$x^2 f(x+1) - x^3 - x^2 = x^2 (a(x+1)^2 + b(x+1) + c) - x^3 - x^2 = x^2 (a(x^2+2x+1) + bx+b+c) - x^3 - x^2 = ax^4 + 2ax^3 + ax^2 + bx^3 + bx^2 + cx^2 + bx^2 + bx + cx^2 - x^3 - x^2 = ax^4 + (2a+b-1)x^3 + (a+b+c+b-1)x^2 + bx + cx^2$

$f(x^2) = x^2 f(x+1) - x^3 - x^2$ より、

$ax^4 + bx^2 + c = ax^4 + (2a+b-1)x^3 + (a+2b+c-1)x^2 + bx + cx^2$

係数を比較すると、

$x^3$ の係数：$2a+b-1 = 0$

$x^2$ の係数：$b = a+2b+c-1$

$x$ の係数：$b = 0$

定数項：$c = 0$

$b=0$ より、$2a-1=0$ なので、$a = \frac{1}{2}$。

$b = a+2b+c-1$ より、$0 = \frac{1}{2} + 0 + 0 - 1$ なので、$0 = -\frac{1}{2}$。これは矛盾します。

$f(0) = 0, f(1) = -2$

$f(4) = 16f(2)-64-16$

ここで、$f(x) = ax^2+bx+c$とするのは間違いです。$f(x)$が恒等的に0であるという可能性がありますが、問題文で0でない多項式と書かれているため、この可能性は排除されます。

$x=0$を代入すると、$f(0) = 0$. よって、$f(x)=xg(x)$とおける。

$x^2g(x^2) = x^2((x+1)g(x+1) - x - 1)$

$g(x^2) = (x+1)g(x+1) - x - 1$

$x=-1$を代入すると、$g(1)=0$. よって、$g(x) = (x-1)h(x)$

$f(x) = x(x-1)h(x)$. $f(x)$の次数は2次以下なので、$h(x)=a$とおける。

$f(x) = ax(x-1) = ax^2 - ax$

$f(x^2) = ax^4 - ax^2$

$x^2f(x+1) - x^3 - x^2 = x^2(a(x+1)(x+1-1)) - x^3 - x^2 = x^2(a(x+1)x) - x^3 - x^2 = ax^4 + ax^3 - x^3 - x^2$

$ax^4 - ax^2 = ax^4 + (a-1)x^3 - x^2$. $a-1=0$より、$a=1$. $-a=-1$より、$a=1$.

したがって、$f(x) = x(x-1) = x^2 - x$.

3. 最終的な答え

(1) $f(x)$の次数は2以下である (証明終わり)

(2) $f(x) = x^2 - x$