集合 $A, B, C$ と写像 $f: A \rightarrow B$ が与えられている。 (1) $f$ が全射、単射、全単射であるかを判定する。 (2) $f(A), f(B), f(C)$ を列挙する。 (3) $f(B \cap C) = f(B) \cap f(C)$ および $f(B \cup C) = f(B) \cup f(C)$ が成り立つかを判定する。

離散数学集合写像全射単射全単射集合演算
2025/5/17

1. 問題の内容

集合 A,B,CA, B, C と写像 f:ABf: A \rightarrow B が与えられている。
(1) ff が全射、単射、全単射であるかを判定する。
(2) f(A),f(B),f(C)f(A), f(B), f(C) を列挙する。
(3) f(BC)=f(B)f(C)f(B \cap C) = f(B) \cap f(C) および f(BC)=f(B)f(C)f(B \cup C) = f(B) \cup f(C) が成り立つかを判定する。

2. 解き方の手順

(1)
まず、ff の像を計算する。
f(0)=0f(0) = 0
f(1)=2f(1) = 2
f(2)=4f(2) = 4
f(3)=0f(3) = 0
f(4)=2f(4) = 2
f(5)=4f(5) = 4
よって、f(A)={0,2,4}f(A) = \{0, 2, 4\}
B={0,2,4}B = \{0, 2, 4\} であり、f(A)=Bf(A) = B なので、ff は全射である。
f(0)=f(3)=0f(0) = f(3) = 0 なので、ff は単射ではない。
ff が単射でないので、ff は全単射でもない。
(2)
f(A)={0,2,4}f(A) = \{0, 2, 4\} (上で計算済み)
B={0,2,4}B = \{0, 2, 4\} なので、
f(B)={f(0),f(2),f(4)}={0,4,2}f(B) = \{f(0), f(2), f(4)\} = \{0, 4, 2\}
C={0,3,5}C = \{0, 3, 5\} なので、
f(C)={f(0),f(3),f(5)}={0,0,4}={0,4}f(C) = \{f(0), f(3), f(5)\} = \{0, 0, 4\} = \{0, 4\}
(3)
B={0,2,4}B = \{0, 2, 4\}
C={0,3,5}C = \{0, 3, 5\}
BC={0}B \cap C = \{0\}
f(BC)={f(0)}={0}f(B \cap C) = \{f(0)\} = \{0\}
f(B)={0,2,4}f(B) = \{0, 2, 4\}
f(C)={0,4}f(C) = \{0, 4\}
f(B)f(C)={0,4}f(B) \cap f(C) = \{0, 4\}
したがって、f(BC)f(B)f(C)f(B \cap C) \neq f(B) \cap f(C)
次に、BCB \cup C を計算する。
BC={0,2,3,4,5}B \cup C = \{0, 2, 3, 4, 5\}
f(BC)={f(0),f(2),f(3),f(4),f(5)}={0,4,0,2,4}={0,2,4}f(B \cup C) = \{f(0), f(2), f(3), f(4), f(5)\} = \{0, 4, 0, 2, 4\} = \{0, 2, 4\}
f(B)f(C)={0,2,4}{0,4}={0,2,4}f(B) \cup f(C) = \{0, 2, 4\} \cup \{0, 4\} = \{0, 2, 4\}
したがって、f(BC)=f(B)f(C)f(B \cup C) = f(B) \cup f(C)

3. 最終的な答え

(1) 全射である。単射ではない。全単射ではない。
(2) f(A)={0,2,4}f(A) = \{0, 2, 4\}f(B)={0,2,4}f(B) = \{0, 2, 4\}f(C)={0,4}f(C) = \{0, 4\}
(3) f(BC)=f(B)f(C)f(B \cap C) = f(B) \cap f(C) は成り立たない。f(BC)=f(B)f(C)f(B \cup C) = f(B) \cup f(C) は成り立つ。

「離散数学」の関連問題

「SCHOOL」という6つの文字(S, C, H, O, O, L)を並べる順列に関する問題です。 (1) 6つの文字をすべて並べる場合の数を求めます。 (2) HとLが隣り合うように並べる場合の数を...

順列組み合わせ場合の数重複順列
2025/7/29

8人を以下の方法で分ける場合の数をそれぞれ求めます。 (1) 4人、3人、1人の3つのグループに分ける。 (2) 3人、3人、2人の3つのグループに分ける。 (3) 2人ずつの4つのグループに分ける。

組み合わせ場合の数順列
2025/7/29

4種類の文字a, b, c, d から重複を許して指定された個数だけ選び、1列に並べる場合の文字列の総数を求める問題です。 (1) 2個の場合 (2) 3個の場合

組み合わせ重複組合せ場合の数数列
2025/7/29

大人5人と子供5人が輪の形に並ぶとき、大人と子供が交互に並ぶ並び方は何通りあるかを求める問題です。

順列組み合わせ円順列場合の数
2025/7/29

問題は、次の2つの並べ方の総数を求めることです。 (1) 5個の数字1, 2, 3, 4, 5のすべてを1列に並べる場合の数。 (2) 7個の文字A, B, C, D, E, F, Gのすべてを1列に...

順列組み合わせ階乗場合の数
2025/7/29

右の図の6つの領域を4色すべてを使って塗り分ける場合の数を求める問題です。ただし、隣り合う領域は異なる色で塗る必要があります。同じ色を何回使ってもよいという条件があります。

場合の数塗り分け
2025/7/29

ド・モルガンの法則を用いて、等式 $(A \cup B)^C = \bar{A} \cap \bar{B}$ を証明せよ。 そして、$(A \cup B)^C = (\bar{A} \cap \bar...

集合論ド・モルガンの法則補集合論理
2025/7/29

ド・モルガンの法則を用いて、集合に関する等式 $\overline{(A \cup B)} \cap \overline{C} = (\overline{A} \cap \overline{B}) \...

集合論ド・モルガンの法則集合の演算
2025/7/29

この問題は、写像に関する定理とその証明の穴埋め問題です。具体的には、(1)定理の仮定部分にある3つの空欄を埋め、(2)与えられた定理の証明の未完成部分を完成させる必要があります。

写像単射合成写像証明
2025/7/29

問題は、複数の球がひもでつながれている図が与えられ、以下の条件を満たす球の塗り分け方を求めるものです。 * それぞれの球を、用意した5色(赤、青、黄、緑、紫)のうちのいずれか1色で塗る。 * 1本のひ...

組み合わせグラフ彩色数え上げ場合の数
2025/7/29