$a, b$ を正の数とし、$xy$ 平面の2点 $A(a, 0)$ および $B(0, b)$ を頂点とする正三角形 $ABC$ を作る。ただし、$C$ は第1象限の点とする。正三角形 $ABC$ が正方形 $D = \{(x, y) | 0 \le x \le 1, 0 \le y \le 1\}$ に含まれるとき、点 $(a, b)$ の存在する範囲を $ab$ 平面上に図示せよ。

幾何学正三角形座標平面領域不等式図示
2025/5/17

1. 問題の内容

a,ba, b を正の数とし、xyxy 平面の2点 A(a,0)A(a, 0) および B(0,b)B(0, b) を頂点とする正三角形 ABCABC を作る。ただし、CC は第1象限の点とする。正三角形 ABCABC が正方形 D={(x,y)0x1,0y1}D = \{(x, y) | 0 \le x \le 1, 0 \le y \le 1\} に含まれるとき、点 (a,b)(a, b) の存在する範囲を abab 平面上に図示せよ。

2. 解き方の手順

まず、点 CC の座標を求める。ベクトル OC\overrightarrow{OC} は、ベクトル OA\overrightarrow{OA}6060^\circ 回転させて長さを変えずに平行移動させることで得られる。あるいはベクトル OB\overrightarrow{OB}60-60^\circ 回転させて長さを変えずに平行移動させることでも得られる。ここではベクトル OA\overrightarrow{OA}6060^\circ 回転させる方法を考える。
ベクトル OA=(a,0)\overrightarrow{OA} = (a, 0)6060^\circ 回転させると、
(acos600sin60,asin60+0cos60)=(a2,3a2) (a\cos 60^\circ - 0 \sin 60^\circ, a\sin 60^\circ + 0\cos 60^\circ) = \left( \frac{a}{2}, \frac{\sqrt{3}a}{2} \right)
となる。よって、点 CC の座標は
C=(a2,3a2)+(0,b)=(a2,3a2+b) C = \left( \frac{a}{2}, \frac{\sqrt{3}a}{2} \right) + (0, b) = \left( \frac{a}{2}, \frac{\sqrt{3}a}{2} + b \right)
あるいは、ベクトル OB=(0,b)\overrightarrow{OB}=(0,b)60-60^\circ回転させると、
(0cos(60)bsin(60),0sin(60)+bcos(60))=(3b2,b2) (0 \cos(-60^\circ) - b \sin(-60^\circ), 0 \sin(-60^\circ) + b \cos(-60^\circ)) = \left( \frac{\sqrt{3}b}{2}, \frac{b}{2} \right)
となる。よって、点 CC の座標は
C=(3b2,b2)+(a,0)=(a+3b2,b2) C = \left( \frac{\sqrt{3}b}{2}, \frac{b}{2} \right) + (a, 0) = \left( a + \frac{\sqrt{3}b}{2}, \frac{b}{2} \right)
これら2つの表式から CCxx 座標と yy 座標は一致するはずなので、
a2=a+3b2and3a2+b=b2 \frac{a}{2} = a + \frac{\sqrt{3}b}{2} \quad \text{and} \quad \frac{\sqrt{3}a}{2} + b = \frac{b}{2}
より
a=a+3band3a=b a = a + \sqrt{3} b \quad \text{and} \quad \sqrt{3} a = -b
が得られるが、これらは矛盾しているので計算を間違えた。
CC の座標を求める別の方法として、AC=BC=AB|AC|=|BC|=|AB| から CC の座標を求めることを試みる。
CC(x,y)(x,y) とおく。
AC=(xa)2+(y0)2=(xa)2+y2|AC| = \sqrt{(x-a)^2 + (y-0)^2} = \sqrt{(x-a)^2+y^2}
BC=(x0)2+(yb)2=x2+(yb)2|BC| = \sqrt{(x-0)^2+(y-b)^2} = \sqrt{x^2+(y-b)^2}
AB=(a0)2+(0b)2=a2+b2|AB| = \sqrt{(a-0)^2+(0-b)^2} = \sqrt{a^2+b^2}
AC2=AB2|AC|^2 = |AB|^2 より、
(xa)2+y2=a2+b2(x-a)^2 + y^2 = a^2+b^2
x22ax+a2+y2=a2+b2x^2-2ax+a^2+y^2 = a^2+b^2
x22ax+y2=b2x^2-2ax+y^2=b^2
BC2=AB2|BC|^2=|AB|^2 より、
x2+(yb)2=a2+b2x^2 + (y-b)^2 = a^2+b^2
x2+y22by+b2=a2+b2x^2+y^2-2by+b^2=a^2+b^2
x2+y22by=a2x^2+y^2-2by = a^2
x22ax+y2=b2x^2-2ax+y^2=b^2 から x2+y22by=a2x^2+y^2-2by = a^2 を引くと、
2ax+2by=b2a2-2ax+2by=b^2-a^2
2ax2by=a2b22ax-2by=a^2-b^2
CCDD に含まれる条件は、
0a3b210 \le \frac{a - \sqrt{3}b}{2} \le 1
03a+b210 \le \frac{\sqrt{3}a + b}{2} \le 1
である。
0a3b210 \le \frac{a - \sqrt{3}b}{2} \le 1 より、 0a3b20 \le a - \sqrt{3}b \le 2
03a+b210 \le \frac{\sqrt{3}a + b}{2} \le 1 より、 03a+b20 \le \sqrt{3}a + b \le 2
a3ba \ge \sqrt{3} b かつ 3a+b2\sqrt{3}a + b \le 2 より、a,ba, b の存在する範囲は、a3ba \ge \sqrt{3}b および 3a+b2\sqrt{3}a + b \le 2 で囲まれた領域である。
さらに、0<a1,0<b10 < a \le 1, 0 < b \le 1 を考慮する。
3a+b=2\sqrt{3}a+b = 2a=3ba = \sqrt{3}b の交点は、 33b+b=2\sqrt{3}\sqrt{3}b+b = 2 より 4b=24b = 2b=12b = \frac{1}{2}。このとき a=32<1a = \frac{\sqrt{3}}{2} < 1
3a+b=2\sqrt{3}a+b = 2a=1a=1 の交点は 3+b=2\sqrt{3}+b=2 より b=23<1b=2-\sqrt{3} < 1
a=3ba = \sqrt{3}bb=1b=1 の交点は a=3>1a=\sqrt{3}>1 なので、0<b10<b\le 1 より、適切ではない。

3. 最終的な答え

abab 平面上に、a3ba \ge \sqrt{3}b3a+b2\sqrt{3}a + b \le 20<a10 < a \le 10<b10 < b \le 1 を満たす領域を図示する。
b=0b=0, a=0a=0 は含まない。
aa軸、bb軸、a=1a=1 および b=1b=1で囲まれた正方形の内部の領域のうち、a=3ba = \sqrt{3}b の直線より下側、かつ 3a+b=2\sqrt{3}a+b = 2 の直線より下側の領域。

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