ある道路において、1時間あたり平均120台の自動車がランダムに分布して走行している。この道路のある地点に料金所を設置したとき、料金所での自動車の到着分布について、以下の確率を求める。 (1) ある1分間に、3台の自動車が到着する確率 (2) ある1分間に、3台以上の自動車が到着する確率 (3) 連続する2台の自動車の到着間隔が30秒以上になる確率 (4) 連続する2台の自動車の到着間隔が60秒以上になる確率

確率論・統計学ポアソン分布指数分布確率統計
2025/5/19

1. 問題の内容

ある道路において、1時間あたり平均120台の自動車がランダムに分布して走行している。この道路のある地点に料金所を設置したとき、料金所での自動車の到着分布について、以下の確率を求める。
(1) ある1分間に、3台の自動車が到着する確率
(2) ある1分間に、3台以上の自動車が到着する確率
(3) 連続する2台の自動車の到着間隔が30秒以上になる確率
(4) 連続する2台の自動車の到着間隔が60秒以上になる確率

2. 解き方の手順

この問題は、ポアソン分布と指数分布を用いて解く。
(1) 1分間に到着する自動車の台数の平均は、λ=120/60=2\lambda = 120/60 = 2 台である。
ポアソン分布の確率質量関数は、
P(X=k)=eλλkk!P(X=k) = \frac{e^{-\lambda} \lambda^k}{k!}
ここで、XX は到着する自動車の台数、kk は求める台数、λ\lambda は平均到着台数である。
k=3k=3 のとき、
P(X=3)=e2233!=e2×86=43e20.1804P(X=3) = \frac{e^{-2} 2^3}{3!} = \frac{e^{-2} \times 8}{6} = \frac{4}{3} e^{-2} \approx 0.1804
(2) 3台以上の自動車が到着する確率を求めるには、余事象の確率を用いる。
P(X3)=1P(X=0)P(X=1)P(X=2)P(X \ge 3) = 1 - P(X=0) - P(X=1) - P(X=2)
P(X=0)=e2200!=e20.1353P(X=0) = \frac{e^{-2} 2^0}{0!} = e^{-2} \approx 0.1353
P(X=1)=e2211!=2e20.2707P(X=1) = \frac{e^{-2} 2^1}{1!} = 2e^{-2} \approx 0.2707
P(X=2)=e2222!=2e20.2707P(X=2) = \frac{e^{-2} 2^2}{2!} = 2e^{-2} \approx 0.2707
P(X3)=1e22e22e2=15e215×0.1353=10.6765=0.3235P(X \ge 3) = 1 - e^{-2} - 2e^{-2} - 2e^{-2} = 1 - 5e^{-2} \approx 1 - 5 \times 0.1353 = 1 - 0.6765 = 0.3235
(3) 到着間隔が30秒以上になる確率は、指数分布を用いる。
λ=120/3600=1/30\lambda = 120/3600 = 1/30 (台/秒)
P(T>t)=eλtP(T > t) = e^{-\lambda t}
ここで、TT は到着間隔、tt は求める時間である。
t=30t = 30 のとき、
P(T>30)=e(1/30)×30=e10.3679P(T > 30) = e^{-(1/30) \times 30} = e^{-1} \approx 0.3679
(4) 到着間隔が60秒以上になる確率は、指数分布を用いる。
t=60t = 60 のとき、
P(T>60)=e(1/30)×60=e20.1353P(T > 60) = e^{-(1/30) \times 60} = e^{-2} \approx 0.1353

3. 最終的な答え

(1) ある1分間に、3台の自動車が到着する確率: P(X=3)0.1804P(X=3) \approx 0.1804
(2) ある1分間に、3台以上の自動車が到着する確率: P(X3)0.3235P(X \ge 3) \approx 0.3235
(3) 連続する2台の自動車の到着間隔が30秒以上になる確率: P(T>30)0.3679P(T > 30) \approx 0.3679
(4) 連続する2台の自動車の到着間隔が60秒以上になる確率: P(T>60)0.1353P(T > 60) \approx 0.1353

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