$x \geq 0$, $y \geq 0$, $2x+3y \leq 6n$ を満たす格子点の個数を求める問題です。ここで、$n$は整数であり、格子点とは、$x$座標と$y$座標がともに整数である点のことです。

離散数学格子点不等式数え上げ整数
2025/5/20

1. 問題の内容

x0x \geq 0, y0y \geq 0, 2x+3y6n2x+3y \leq 6n を満たす格子点の個数を求める問題です。ここで、nnは整数であり、格子点とは、xx座標とyy座標がともに整数である点のことです。

2. 解き方の手順

まず、xxの値を固定して、yyの範囲を考えます。
x=kx=kkkは0以上の整数)とすると、2k+3y6n2k + 3y \leq 6nより、
3y6n2k3y \leq 6n - 2k
y2n23ky \leq 2n - \frac{2}{3}k
yyは0以上の整数なので、0y2n23k0 \leq y \leq 2n - \frac{2}{3}kを満たす整数の個数を考えます。
yyの個数は2n23k+1\lfloor 2n - \frac{2}{3}k \rfloor + 1となります。ここでx\lfloor x \rfloorxx以下の最大の整数を表します。
xxの範囲はx0x \geq 02x+3y6n2x+3y \leq 6n, y0y \geq 0より、2x6n2x \leq 6n, x3nx \leq 3nとなります。したがって、0x3n0 \leq x \leq 3nです。
したがって、求める格子点の個数は
k=03n(2n23k+1)\sum_{k=0}^{3n} (\lfloor 2n - \frac{2}{3}k \rfloor + 1)
=k=03n2n23k+k=03n1=\sum_{k=0}^{3n} \lfloor 2n - \frac{2}{3}k \rfloor + \sum_{k=0}^{3n} 1
=k=03n2n23k+(3n+1)=\sum_{k=0}^{3n} \lfloor 2n - \frac{2}{3}k \rfloor + (3n+1)
ここで、S=k=03n2n23kS = \sum_{k=0}^{3n} \lfloor 2n - \frac{2}{3}k \rfloorを計算します。
k=3jk = 3jのとき、j=0,1,,nj=0, 1, \dots, nに対して、2n23(3j)=2n2j2n - \frac{2}{3}(3j) = 2n - 2jは整数なので、2n23(3j)=2n2j\lfloor 2n - \frac{2}{3}(3j) \rfloor = 2n - 2j
k=3j+1k = 3j+1のとき、j=0,1,,n1j=0, 1, \dots, n-1に対して、2n23(3j+1)=2n2j232n - \frac{2}{3}(3j+1) = 2n - 2j - \frac{2}{3}なので、2n23(3j+1)=2n2j1\lfloor 2n - \frac{2}{3}(3j+1) \rfloor = 2n - 2j - 1
k=3j+2k = 3j+2のとき、j=0,1,,n1j=0, 1, \dots, n-1に対して、2n23(3j+2)=2n2j432n - \frac{2}{3}(3j+2) = 2n - 2j - \frac{4}{3}なので、2n23(3j+2)=2n2j2\lfloor 2n - \frac{2}{3}(3j+2) \rfloor = 2n - 2j - 2
したがって、
S=j=0n(2n2j)+j=0n1(2n2j1)+j=0n1(2n2j2)S = \sum_{j=0}^n (2n-2j) + \sum_{j=0}^{n-1} (2n-2j-1) + \sum_{j=0}^{n-1} (2n-2j-2)
=j=0n(2n2j)+j=0n1(2n2j)j=0n11j=0n12= \sum_{j=0}^n (2n-2j) + \sum_{j=0}^{n-1} (2n-2j) - \sum_{j=0}^{n-1} 1 - \sum_{j=0}^{n-1} 2
=(2n(n+1)2n(n+1)2)+(2n(n)2(n1)n2)n2n= (2n(n+1) - 2 \frac{n(n+1)}{2}) + (2n(n) - 2 \frac{(n-1)n}{2}) - n - 2n
=2n2+2nn2n+2n2n2+n3n= 2n^2 + 2n - n^2 - n + 2n^2 - n^2 + n - 3n
=2n2n= 2n^2 - n
求める個数は S+(3n+1)=2n2n+3n+1=2n2+2n+1S + (3n+1) = 2n^2 - n + 3n + 1 = 2n^2 + 2n + 1

3. 最終的な答え

2n2+2n+12n^2 + 2n + 1

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