1枚の硬貨を10回投げたとき、表の出る回数を$X$とする。以下の確率を求めよ。 (1) $P(X=3)$ (2) $P(X \le 2)$ (3) $P(6 \le X \le 8)$

確率論・統計学確率二項分布確率質量関数組み合わせ
2025/5/20

1. 問題の内容

1枚の硬貨を10回投げたとき、表の出る回数をXXとする。以下の確率を求めよ。
(1) P(X=3)P(X=3)
(2) P(X2)P(X \le 2)
(3) P(6X8)P(6 \le X \le 8)

2. 解き方の手順

この問題は二項分布に従う確率の問題です。
硬貨を10回投げる試行において、表が出る確率をp=12p = \frac{1}{2}、裏が出る確率をq=1p=12q = 1-p = \frac{1}{2}とします。
XXは二項分布B(10,12)B(10, \frac{1}{2})に従います。
(1) P(X=3)P(X=3)を求める。
二項分布の確率質量関数は、
P(X=k)=nCkpk(1p)nkP(X=k) = {}_n C_k p^k (1-p)^{n-k}
で表されます。ここで、n=10n=10, k=3k=3, p=12p=\frac{1}{2}なので、
P(X=3)=10C3(12)3(12)103=10C3(12)10P(X=3) = {}_{10} C_3 (\frac{1}{2})^3 (\frac{1}{2})^{10-3} = {}_{10} C_3 (\frac{1}{2})^{10}
10C3=10!3!7!=10×9×83×2×1=10×3×4=120{}_{10} C_3 = \frac{10!}{3!7!} = \frac{10 \times 9 \times 8}{3 \times 2 \times 1} = 10 \times 3 \times 4 = 120
P(X=3)=120×(12)10=1201024=15128P(X=3) = 120 \times (\frac{1}{2})^{10} = \frac{120}{1024} = \frac{15}{128}
(2) P(X2)P(X \le 2)を求める。
P(X2)=P(X=0)+P(X=1)+P(X=2)P(X \le 2) = P(X=0) + P(X=1) + P(X=2)
P(X=0)=10C0(12)0(12)10=1×1×(12)10=11024P(X=0) = {}_{10} C_0 (\frac{1}{2})^0 (\frac{1}{2})^{10} = 1 \times 1 \times (\frac{1}{2})^{10} = \frac{1}{1024}
P(X=1)=10C1(12)1(12)9=10×(12)10=101024P(X=1) = {}_{10} C_1 (\frac{1}{2})^1 (\frac{1}{2})^{9} = 10 \times (\frac{1}{2})^{10} = \frac{10}{1024}
P(X=2)=10C2(12)2(12)8=10×92×1×(12)10=45×(12)10=451024P(X=2) = {}_{10} C_2 (\frac{1}{2})^2 (\frac{1}{2})^{8} = \frac{10 \times 9}{2 \times 1} \times (\frac{1}{2})^{10} = 45 \times (\frac{1}{2})^{10} = \frac{45}{1024}
P(X2)=11024+101024+451024=1+10+451024=561024=7128P(X \le 2) = \frac{1}{1024} + \frac{10}{1024} + \frac{45}{1024} = \frac{1+10+45}{1024} = \frac{56}{1024} = \frac{7}{128}
(3) P(6X8)P(6 \le X \le 8)を求める。
P(6X8)=P(X=6)+P(X=7)+P(X=8)P(6 \le X \le 8) = P(X=6) + P(X=7) + P(X=8)
P(X=6)=10C6(12)6(12)4=10C4(12)10=10×9×8×74×3×2×1×(12)10=210×(12)10=2101024P(X=6) = {}_{10} C_6 (\frac{1}{2})^6 (\frac{1}{2})^{4} = {}_{10} C_4 (\frac{1}{2})^{10} = \frac{10 \times 9 \times 8 \times 7}{4 \times 3 \times 2 \times 1} \times (\frac{1}{2})^{10} = 210 \times (\frac{1}{2})^{10} = \frac{210}{1024}
P(X=7)=10C7(12)7(12)3=10C3(12)10=120×(12)10=1201024P(X=7) = {}_{10} C_7 (\frac{1}{2})^7 (\frac{1}{2})^{3} = {}_{10} C_3 (\frac{1}{2})^{10} = 120 \times (\frac{1}{2})^{10} = \frac{120}{1024}
P(X=8)=10C8(12)8(12)2=10C2(12)10=10×92×1×(12)10=45×(12)10=451024P(X=8) = {}_{10} C_8 (\frac{1}{2})^8 (\frac{1}{2})^{2} = {}_{10} C_2 (\frac{1}{2})^{10} = \frac{10 \times 9}{2 \times 1} \times (\frac{1}{2})^{10} = 45 \times (\frac{1}{2})^{10} = \frac{45}{1024}
P(6X8)=2101024+1201024+451024=210+120+451024=3751024P(6 \le X \le 8) = \frac{210}{1024} + \frac{120}{1024} + \frac{45}{1024} = \frac{210+120+45}{1024} = \frac{375}{1024}

3. 最終的な答え

(1) P(X=3)=15128P(X=3) = \frac{15}{128}
(2) P(X2)=7128P(X \le 2) = \frac{7}{128}
(3) P(6X8)=3751024P(6 \le X \le 8) = \frac{375}{1024}

「確率論・統計学」の関連問題

(1) 大小2個のサイコロを投げるとき、大きいサイコロの目が3以上で、小さいサイコロの目が偶数である場合は何通りあるか。 (2) $(a+b+c+d+e)(x+y+z)$ を展開すると項は何個できるか...

場合の数組み合わせサイコロ硬貨
2025/5/22

大小中、3個のサイコロを投げるとき、 (1) 目の和が8になる場合は何通りあるか。 (2) 目の積が12になる場合は何通りあるか。

確率場合の数サイコロ組み合わせ
2025/5/22

サイコロを2回振ったとき、出た目の積が5の倍数になる確率を既約分数で求めよ。

確率サイコロ事象確率計算
2025/5/22

表を完成させ、新入社員の身長の平均値と標準偏差を求める問題です。与えられた身長のデータと度数から、それぞれの身長と度数の積、平均からの偏差、偏差の二乗、そして度数と偏差の二乗の積を計算し、最終的に平均...

平均標準偏差統計度数分布
2025/5/22

大、中、小の3つのサイコロを投げるとき、目の出方は何通りあるかを求める問題です。

確率場合の数サイコロ
2025/5/22

男子7人、女子5人の合計12人のグループから5人を選ぶ場合の数を求める問題です。 (1) 5人の選び方の総数を求めます。 (2) 男子3人、女子2人となる選び方の数を求めます。 (3) 特定の男子2人...

組み合わせ場合の数順列
2025/5/21

29個のデータ $x_i = ai$ ($i = 1, 2, 3, \dots, 29$) からなる変数 $x$ について、以下の問いに答えます。ただし、$a$ は正の定数です。また、必要であれば、正...

平均値標準偏差分散データの分析
2025/5/21

グラフは地域別の半導体市場の生産高(百万ドル)を示しています。このグラフから、1996年から2007年の期間における生産高の変化率が45%を超える地域がいくつあるかを答える問題です。地域は、アジア・太...

グラフ変化率統計分析
2025/5/21

表に示された各国の人口推移(1990年、1995年、2000年)のデータを用いて、1990年から1995年の5年間における人口増加率が2番目に低い国を選択肢の中から選ぶ。

人口増加率統計比較
2025/5/21

Z社社員の月平均読書量に関するグラフが与えられており、管理職とその他社員の読書量が棒グラフで示されています。その他社員の全体人数が管理職全体人数の6倍であるとき、管理職の人数をXとおくと、月10冊以上...

統計グラフ割合人数計算データ分析
2025/5/21