まず、各企業の利潤関数を求め、利潤を最大化する条件(一階の条件)から各企業の最適反応関数を求めます。次に、クールノー・ナッシュ均衡では、各企業の産出量が互いの最適反応関数を満たすため、連立方程式を解いて均衡産出量を求めます。最後に、均衡産出量から市場価格を計算し、企業Aの利潤を計算します。
(1) 企業Aの利潤関数:
企業Aの利潤 πA は、収入 p⋅qA から費用 TC(qA) を引いたものです。 πA=p⋅qA−TC(qA)=(5200−2(qA+qB+qC))qA−400qA πA=5200qA−2qA2−2qAqB−2qAqC−400qA (2) 企業Aの最適反応関数:
利潤を最大化するために、πA を qA で微分して0とおきます。 ∂qA∂πA=5200−4qA−2qB−2qC−400=0 4qA=4800−2qB−2qC qA=1200−21qB−21qC 同様に企業B,Cの最適反応関数も求めます。総費用関数が同じであるため、企業の対称性から次のようになります。
qB=1200−21qA−21qC qC=1200−21qA−21qB (3) クールノー・ナッシュ均衡:
上記の3つの最適反応関数を連立方程式として解きます。
qA=1200−21qB−21qC qB=1200−21qA−21qC qC=1200−21qA−21qB これらの式は対称なので、qA=qB=qC=q となることが予想できます。仮定して代入すると、 q=1200−21q−21q q=1200−q したがって、qA=qB=qC=600 となります。 (4) 市場価格:
Q=qA+qB+qC=600+600+600=1800 p=5200−2Q=5200−2(1800)=5200−3600=1600 (5) 企業Aの利潤:
πA=(p−400)qA=(1600−400)×600=1200×600=720000