3社クールノー寡占市場における、各社の産出量と市場価格、企業Aの利潤を求める問題です。市場の逆需要関数は $p = 5200 - 2Q$ で、Qは総産出量 $Q = q_A + q_B + q_C$ です。各社の総費用関数は $TC(q_i) = 400q_i$ で共通です。

応用数学ミクロ経済学寡占クールノー均衡最適化
2025/5/21
## 解答

1. 問題の内容

3社クールノー寡占市場における、各社の産出量と市場価格、企業Aの利潤を求める問題です。市場の逆需要関数は p=52002Qp = 5200 - 2Q で、Qは総産出量 Q=qA+qB+qCQ = q_A + q_B + q_C です。各社の総費用関数は TC(qi)=400qiTC(q_i) = 400q_i で共通です。

2. 解き方の手順

まず、各企業の利潤関数を求め、利潤を最大化する条件(一階の条件)から各企業の最適反応関数を求めます。次に、クールノー・ナッシュ均衡では、各企業の産出量が互いの最適反応関数を満たすため、連立方程式を解いて均衡産出量を求めます。最後に、均衡産出量から市場価格を計算し、企業Aの利潤を計算します。
(1) 企業Aの利潤関数:
企業Aの利潤 πA\pi_A は、収入 pqAp \cdot q_A から費用 TC(qA)TC(q_A) を引いたものです。
πA=pqATC(qA)=(52002(qA+qB+qC))qA400qA\pi_A = p \cdot q_A - TC(q_A) = (5200 - 2(q_A + q_B + q_C))q_A - 400q_A
πA=5200qA2qA22qAqB2qAqC400qA\pi_A = 5200q_A - 2q_A^2 - 2q_Aq_B - 2q_Aq_C - 400q_A
(2) 企業Aの最適反応関数:
利潤を最大化するために、πA\pi_AqAq_A で微分して0とおきます。
πAqA=52004qA2qB2qC400=0\frac{\partial \pi_A}{\partial q_A} = 5200 - 4q_A - 2q_B - 2q_C - 400 = 0
4qA=48002qB2qC4q_A = 4800 - 2q_B - 2q_C
qA=120012qB12qCq_A = 1200 - \frac{1}{2}q_B - \frac{1}{2}q_C
同様に企業B,Cの最適反応関数も求めます。総費用関数が同じであるため、企業の対称性から次のようになります。
qB=120012qA12qCq_B = 1200 - \frac{1}{2}q_A - \frac{1}{2}q_C
qC=120012qA12qBq_C = 1200 - \frac{1}{2}q_A - \frac{1}{2}q_B
(3) クールノー・ナッシュ均衡:
上記の3つの最適反応関数を連立方程式として解きます。
qA=120012qB12qCq_A = 1200 - \frac{1}{2}q_B - \frac{1}{2}q_C
qB=120012qA12qCq_B = 1200 - \frac{1}{2}q_A - \frac{1}{2}q_C
qC=120012qA12qBq_C = 1200 - \frac{1}{2}q_A - \frac{1}{2}q_B
これらの式は対称なので、qA=qB=qC=qq_A = q_B = q_C = q となることが予想できます。仮定して代入すると、
q=120012q12qq = 1200 - \frac{1}{2}q - \frac{1}{2}q
q=1200qq = 1200 - q
2q=12002q = 1200
q=600q = 600
したがって、qA=qB=qC=600q_A = q_B = q_C = 600 となります。
(4) 市場価格:
Q=qA+qB+qC=600+600+600=1800Q = q_A + q_B + q_C = 600 + 600 + 600 = 1800
p=52002Q=52002(1800)=52003600=1600p = 5200 - 2Q = 5200 - 2(1800) = 5200 - 3600 = 1600
(5) 企業Aの利潤:
πA=(p400)qA=(1600400)×600=1200×600=720000\pi_A = (p - 400)q_A = (1600 - 400) \times 600 = 1200 \times 600 = 720000

3. 最終的な答え

* 企業Aの産出量: 600
* 企業Bの産出量: 600
* 企業Cの産出量: 600
* 市場の価格: 1600
* 企業Aの利得: 720000

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