4つの総費用関数が与えられています。それぞれの関数について、企業レベルでの規模の経済が存在するかどうかを文章で説明します。規模の経済の定義を明確にし、図を用いて説明します。C(Q)は総費用関数、Qは生産量を表します。

応用数学経済学費用関数規模の経済平均費用微分グラフ
2025/5/21

1. 問題の内容

4つの総費用関数が与えられています。それぞれの関数について、企業レベルでの規模の経済が存在するかどうかを文章で説明します。規模の経済の定義を明確にし、図を用いて説明します。C(Q)は総費用関数、Qは生産量を表します。

2. 解き方の手順

規模の経済とは、生産量が増加するにつれて、平均費用が低下する状態を指します。平均費用は、総費用を生産量で割ったもの、つまり AC(Q)=C(Q)/QAC(Q) = C(Q)/Q で求められます。規模の経済が存在するかどうかは、平均費用曲線が右下がりになるかどうかで判断できます。各関数について、以下の手順で規模の経済の有無を判断します。

1. **総費用関数から平均費用関数を導出する**: 各$C(Q)$に対して、$AC(Q) = C(Q) / Q$ を計算します。

2. **平均費用関数の形状を分析する**: 平均費用関数のグラフを描き、その形状を観察します。微分を用いて増減を調べても良いです。グラフを描く際には、横軸に生産量$Q$、縦軸に平均費用$AC(Q)$をとります。

3. **規模の経済の有無を判断する**: 平均費用曲線が右下がりであれば規模の経済が存在し、右上がりであれば規模の不経済が存在します。平均費用が一定であれば、規模に関して収穫一定となります。

それでは、各関数について規模の経済の有無を判断します。

1. $C(Q) = 5Q + 5, \quad 0 < Q$

AC(Q)=(5Q+5)/Q=5+5/QAC(Q) = (5Q + 5) / Q = 5 + 5/Q
QQが増加すると、5/Q5/Qは減少するので、AC(Q)AC(Q)は減少します。したがって、規模の経済が存在します。
グラフは、QQが大きくなるにつれて、AC(Q)AC(Q)が5に漸近する右下がりの曲線になります。

2. $C(Q) = 5$

AC(Q)=5/QAC(Q) = 5 / Q
QQが増加すると、AC(Q)AC(Q)は減少します。したがって、規模の経済が存在します。
グラフは、QQが大きくなるにつれて、AC(Q)AC(Q)が0に漸近する右下がりの曲線になります。

3. $C(Q) = 5Q^2 + 5, \quad 0 < Q$

AC(Q)=(5Q2+5)/Q=5Q+5/QAC(Q) = (5Q^2 + 5) / Q = 5Q + 5/Q
QQが小さいとき、5/Q5/Qの影響が大きく、QQが増加するとAC(Q)AC(Q)は減少します。しかし、QQがある程度大きくなると、5Q5Qの影響が大きくなり、QQが増加するとAC(Q)AC(Q)も増加します。したがって、最初は規模の経済が存在しますが、ある生産量を超えると規模の不経済が発生します。平均費用曲線はU字型になります。
AC(Q)AC(Q)QQで微分すると、55/Q25 - 5/Q^2となり、Q=1Q = 1で最小値をとることがわかります。Q<1Q < 1のとき規模の経済、Q>1Q > 1のとき規模の不経済です。

4. $C(Q) = -\frac{1}{2}(Q - 4)^2 + 12, \quad 0 < Q < 4$

AC(Q)=(12(Q4)2+12)/Q=(12Q2+4Q8+12)/Q=12Q+4+4/QAC(Q) = (-\frac{1}{2}(Q - 4)^2 + 12) / Q = (-\frac{1}{2}Q^2 + 4Q - 8 + 12) / Q = -\frac{1}{2}Q + 4 + 4/Q
AC(Q)AC(Q)QQで微分すると、124/Q2-\frac{1}{2} - 4/Q^2となります。0<Q<40 < Q < 4の範囲では常に負の値をとるので、AC(Q)AC(Q)は減少関数です。したがって、規模の経済が存在します。

3. 最終的な答え

1. $C(Q) = 5Q + 5$: 規模の経済が存在する。

2. $C(Q) = 5$: 規模の経済が存在する。

3. $C(Q) = 5Q^2 + 5$: 最初は規模の経済が存在するが、ある生産量を超えると規模の不経済が発生する。

4. $C(Q) = -\frac{1}{2}(Q - 4)^2 + 12$: 規模の経済が存在する。

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