デルタ結線された三相交流回路に、線間電圧 $E_{ab} = 200\angle 0^\circ$, $E_{bc} = 200\angle -120^\circ$, $E_{ca} = 200\angle -240^\circ$ の対称三相電圧を加えたとき、抵抗Rを流れる電流 $I_{ab}, I_{bc}, I_{ca}$ を求めよ。ただし、$R = 9 \Omega$, $X = 4 \Omega$とする。

応用数学電気回路三相交流インピーダンス複素数オームの法則
2025/5/22

1. 問題の内容

デルタ結線された三相交流回路に、線間電圧 Eab=2000E_{ab} = 200\angle 0^\circ, Ebc=200120E_{bc} = 200\angle -120^\circ, Eca=200240E_{ca} = 200\angle -240^\circ の対称三相電圧を加えたとき、抵抗Rを流れる電流 Iab,Ibc,IcaI_{ab}, I_{bc}, I_{ca} を求めよ。ただし、R=9ΩR = 9 \Omega, X=4ΩX = 4 \Omegaとする。

2. 解き方の手順

まず、相電圧を計算します。線間電圧と相電圧の関係は、V=V線間/3V_{相} = V_{線間} / \sqrt{3} ですが、ここでは抵抗RとリアクタンスXが直列に接続されているため、直接線間電圧から計算する必要があります。
各相のインピーダンス ZZ を求めます。Z=R+jXZ = R + jX の形で表されますが、ここでは抵抗とリアクタンスが直列に接続されているため、Z=R+jXZ = R + jX となります。
Z=9+j4Z = 9 + j4
各相の電流をオームの法則を使って計算します。I=V/ZI = V / Z であり、ここでは線間電圧を各相のインピーダンスで割ることで、各相の電流が求められます。
Iab=EabZ=20009+j4I_{ab} = \frac{E_{ab}}{Z} = \frac{200\angle 0^\circ}{9 + j4}
Ibc=EbcZ=2001209+j4I_{bc} = \frac{E_{bc}}{Z} = \frac{200\angle -120^\circ}{9 + j4}
Ica=EcaZ=2002409+j4I_{ca} = \frac{E_{ca}}{Z} = \frac{200\angle -240^\circ}{9 + j4}
まず、分母を極座標形式に変換します。
Z=92+42=81+16=979.85|Z| = \sqrt{9^2 + 4^2} = \sqrt{81 + 16} = \sqrt{97} \approx 9.85
θ=arctan(49)23.96\theta = \arctan(\frac{4}{9}) \approx 23.96^\circ
したがって、Z=9.8523.96Z = 9.85 \angle 23.96^\circ
各相の電流を計算します。
Iab=20009.8523.9620.323.96I_{ab} = \frac{200\angle 0^\circ}{9.85 \angle 23.96^\circ} \approx 20.3 \angle -23.96^\circ [A]
Ibc=2001209.8523.9620.3143.96I_{bc} = \frac{200\angle -120^\circ}{9.85 \angle 23.96^\circ} \approx 20.3 \angle -143.96^\circ [A]
Ica=2002409.8523.9620.3263.96I_{ca} = \frac{200\angle -240^\circ}{9.85 \angle 23.96^\circ} \approx 20.3 \angle -263.96^\circ [A]

3. 最終的な答え

Iab20.323.96I_{ab} \approx 20.3 \angle -23.96^\circ [A]
Ibc20.3143.96I_{bc} \approx 20.3 \angle -143.96^\circ [A]
Ica20.3263.96I_{ca} \approx 20.3 \angle -263.96^\circ [A]

「応用数学」の関連問題

10 kgとP [kg]の物体がロープで吊るされ、図のような位置で静止している。ロープAB, BC, CDの張力の大きさとPの値を求めよ。

力学力の釣り合いベクトル三角関数
2025/5/22

質量5.0kgの小球が軽い糸で天井から吊るされている。小球は水平方向に力$F$で押され、糸が天井と30°の角をなして静止している。このときの糸の張力$T$を求める。重力加速度は9.8m/s²とする。

力学ベクトル力のつりあい三角関数
2025/5/22

水平な地面から小球を斜方投射した。重力加速度の大きさを $9.8 \ m/s^2$ とする。初速度の水平成分の大きさは $4.9 \ m/s$、鉛直成分の大きさは $9.8 \ m/s$ である。 (...

力学物理斜方投射運動重力
2025/5/22

質量 $m$ の荷物を載せた、質量 $M$ のトラックが、長さ $L$、傾斜角 $\theta$ の斜面を登っていく。以下の問いに答えよ。 (i) トラックが加速度 $a$ で登っているとき、荷物に作...

力学運動方程式摩擦力加速度斜面運動
2025/5/22

質量 $m$ の物体が空気抵抗を受けながら落下する運動について考えます。鉛直上向きを $y$ 軸とします。物体には下向きの重力 $mg$ と、速度に比例する上向きの空気抵抗 $bv$ が働きます。以下...

微分方程式運動方程式力学終端速度指数関数
2025/5/22

半径 $r = 5 \text{ cm}$、重さ $W = 9 \text{ N}$ の円柱が、長さ $AC = 50 \text{ cm}$ のロープで天井から吊り下げられている。円柱の表面はなめら...

力学静力学力のつりあい三角関数物理
2025/5/22

半径2の円周上を運動する質点A, Bについて、それぞれの位置ベクトルが与えられたとき、以下の問いに答える問題です。 (i) 0 \leq t \leq 3における軌跡とt=0, 1, 2, 3における...

ベクトル円運動角速度加速度等速円運動等加速度円運動微分
2025/5/22

質量 $m$ の荷物を載せた質量 $M$ のトラックが、長さ $L$、傾斜角 $\theta$ の斜面を登る。 (i) トラックが加速度 $a$ で登るとき、荷物に作用する摩擦力 $f$ を求めよ。 ...

力学運動方程式摩擦力加速度等加速度運動
2025/5/22

質量 $m$ の物体が空気抵抗を受けながら落下する運動を考えます。重力加速度の大きさを $g$ とし、鉛直上向きを $y$ 軸とします。物体には、鉛直下向きの重力 $mg$ と、速度に比例する空気抵抗...

微分方程式力学運動空気抵抗終端速度
2025/5/22

傾き30°の斜面上に質量 $m$ [kg] の物体がある。この物体にはたらく重力の、斜面に平行な成分 $W_x$ [N] と、斜面に垂直な成分 $W_y$ [N] をそれぞれ求めなさい。重力加速度の大...

力学ベクトル三角関数物理
2025/5/22