まず、2期間モデルにおける消費者の予算制約式は以下の通りです。
c1+1+rc2=Y+1+rY この予算制約式の下で効用関数 U(c1,c2)=0.7lnc1+0.3lnc2 を最大化します。 ラグランジュ関数 L を以下のように定義します。 L=0.7lnc1+0.3lnc2+λ(Y+1+rY−c1−1+rc2) 一階条件は以下の通りです。
∂c1∂L=c10.7−λ=0 ∂c2∂L=c20.3−1+rλ=0 ∂λ∂L=Y+1+rY−c1−1+rc2=0 λ=c10.7 c20.3=(1+r)c10.7 したがって、
c2=0.70.3(1+r)c1=73(1+r)c1 これを予算制約式に代入します。
c1+7(1+r)3(1+r)c1=Y+1+rY c1+73c1=Y+1+rY 710c1=Y(1+1+r1) c1=107Y(1+1+r1) c1=107Y(1+r2+r) 総需要 AD は、 AD=c1+c2 です。 c2=73(1+r)c1=73(1+r)107Y1+r2+r=103Y1+r2+r AD=c1+c2=107Y1+r2+r+103Y1+r2+r=Y1+r2+r 財政支出を G とすると、総需要は AD=C+I+G となります。 ここで、 I は外生的に与えられているとします。 このとき、
AD=c1+c2+G=Y1+r2+r+G Y=Y1+r2+r+G ΔY=1+r2+rΔY+ΔG (1−1+r2+r)ΔY=ΔG (1+r1+r−2−r)ΔY=ΔG 1+r−1ΔY=ΔG ここで総需要をAD=c1+c2ではなく、単純な45度分析モデルを適用する。 AD=C+I+G, C=c1+c2=0.7Y+0.3Y=Yと考えると(2期間考慮する必要がない場合)、乗数は 1/(1−1)=1/0=∞となる。ただし、消費関数から考えると以下のようになる。 c1=1+r0.7Y, c2=1+r0.3(1+r)Y=0.3Y Y=c1+c2+G=0.7Y+0.3Y+G=Y+G しかし、これも結果として乗数は∞となる。 効用関数のパラメータを限界消費性向として考える。1期間モデルに置き換えて考える。
U(c)=0.7ln(c)+0.3ln(Y−c). MUc=0.7/c,MUY−c=0.3/(Y−c) Y=0.7Y+G ΔY=0.7ΔY+ΔG (1−0.7)ΔY=ΔG 0.3ΔY=ΔG ΔGΔY=0.31=310